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〜昼休み〜

いよいよ運命の昼休みがやってきた!天宮は、かばんからお弁当を取り出そうとしている。よし、今度は見失ったりなんかしない。緊張して、歩きがぎこちないのは気にしない。……後ろで直秀が笑ってる。わっ、笑うなあー!!緊張してるんだから、しかたないじゃないか…。天宮の席の前に立って、一言。

「あっ、あみゃみゅや。」

「………?」

……緊張して、口が上手く回りません。天宮は、は?なにコイツ。みたいな表情で俺を見てくる!……後ろで直秀が爆笑してるのは気にしない。

「……ちょっと、話しがあるんだけど、いいかな?」

よし!言えたー!!第一関門はクリアってところか?

「……話しって、なに?」

いたって冷静に返事を返す天宮。……そのクールなところがたまりません。

「ここじゃ難だから、屋上までいいかな?」

「……別にいいけど、その話し長くなる?」

「多分、長くなる。」

……聞きたい事も一杯あるしな。

「じゃ、お弁当食べながら話さない?私、お腹がバコバコでひん死の状態なの。」

んんん!?天宮からの嬉しい提案。勿論、ご一緒させてもらいます〜。……けど、お腹がバコバコって、どんな状態だ?初めて聞いたぞ…。バコバコなんて表現。天宮って、ちょっと天然入ってんのかな?


〜屋上〜

天気は快晴!太陽の光と、屋上を吹き抜ける風が気持ちいい。俺と天宮の他に、人はあまりいない。奥の隅っこに陣取り、弁当を広げる天宮。俺も天宮の隣に座って、今朝買ったコンビニのパンとおにぎりを、袋から取り出す。

「谷川君、話しってなに?」

「え?えーっと…。」

弁当食いながら、告白はないな。まず、昨日の事を話してみるか…。……いろいろ聞きたい事がありすぎて、何から話していいのかわからないな。

「昨日、不思議な物を見たんだ。」

「不思議な物?UFOとか?」

首を傾げながら、しゃべる天宮。いや、UFOって…。

「そんなんじゃなくて、……なんて言えばいいのかな?」

「ツチノコとか?あっ、エイリアンに襲われた!」

……ツチノコ?エイリアン!?ああ〜、めんどくせえ!話しがどんどん遠ざかって行く。昨日の出来事をそのまま話そう。

「ネットカフェ、爆遊会館…。」

「……え?ネットカフェ爆遊会館!?………もしかして、…………見た?」

見た?この見た?は、多分、地下で行われていたアレについて、まず間違いはないだろう。

「……聞きたい事が、一杯あるんだ。わかる範囲でいいから、答えてくれるかな?」

「そのまえに、谷川君はEARTH・PERIODのプレイヤー?」

「いや、そのアーなんとか自体もしらねえ。」

「……こりゃ話しが長くなるわ。多分、昼休みだけじゃ時間が足りないよ?」

……え?マジで?昼休み中に告白出来ねーじゃん。話し振っといて、やっぱりいいや。なんて言えないしな…。

「構わないよ。」

「う〜ん、何から話そう?」

「それじゃ、まずそのEARTH・PERIODって、何なんだ?あの地下で行われていたゲームみたいなやつは、一体なに?」

「EARTH・PERIOD。すごく簡単に言えば、VRMMO。」

……うん、すごく簡単だ。けど、どうみたってアレは、普通のVRMMOじゃないだろ。

「……けど、なんで谷川君があの地下に入れた訳?普通の一般人は、絶対に入れないのに。」

「なんか、天宮の名前出したら店員が勘違いして入れてくれた。」

「…あっ、そうなの…。じゃ、谷川君も既に、EARTH・PERIODのプレイ資格は持っている事になるわ。あのヘルメットみたいな物、被ったでしょ?」

ヘルメット?あっ、便利なヘッドスコープの事か!

「うん、被った。」

「あれは、EARTH・PERIODをプレイする時も、観戦する時も必要になるヘッドスコープよ。多分、谷川君のヘッドスコープは店に管理されてると思う…。」

「へー、そうなんだ。」

……見る事はあっても、プレイする事は絶対ないな。なんか怖いし。

「……わかってると思うけど、EARTH・PERIODは普通のVRMMOじゃない。自分自身の肉体や神経、命をゲーム内に転送して闘う、究極のオンラインゲーム。昨日、地下で見た私は、ゲームのキャラがあそこに映し出されたに過ぎない、いわゆるアバターって奴。」

……ハイテクノロジー!近頃のゲームはすげえな。

「あ!昨日、勝負が終わったら、男爵ジャガ芋が消えたんだけど、なんで消えたの?どうなってんのあれ?」

「勝負が終われば、ゲームの世界に戻されるようになってるの。私も上に飛んだまま消えたんだよ。」

ほー、謎が一つ解けた。じゃあ、天宮は普通の人間なんだ。あー、よかった!翼が生えた時はびっくりしたぜ。

「命を賭けて闘うって、じゃあ男爵ジャガ芋は死んだ訳?」

「あの程度じゃ死なないよ。余程のダメージとか、レベルに差が有りすぎると、死んじゃうけど。まあ、あのくらいなら、現実世界に反映される怪我は、骨折程度だと思うよ。」

……成る程、EARTH・PERIODをプレイしてたから、天宮は時々怪我をして登校して来たんだ。

「なんで、自分自身をゲームの世界に送り込む訳?そこまでしなくても、普通のオンラインゲームとして、実装されなかったのか?」

「……アダムって、知ってる?」

「アダム?最初の人間とか、人類の祖とか言われてる、あのアダム?あっ、エウ゛ァンゲリオンに出て来る第一使徒の名前も、アダムだな。」

「うん、まあそれに近いんだけど。……今から言う話しは、谷川君にとって、信じられない、凄い話しなんだけど、……聞きたい?」

「話してくれ。EARTH・PERIODとか言うゲームを見た時点で、俺の常識は崩壊したから。」

「EARTH・PERIODは正確に言えば、転送装置。」

「は?転送?オンラインゲームじゃなくて?」

「うん、正確に言えばね。」

「転送って、ゲームの世界にだろ?」

「そうなんだけど、もうひとつの世界にも行ける、いわゆる異世界。」

「異世界って、アレだろ?小説家になろうで、もっとも多いキーワードNo.1に輝いてる、異世界の事だろ?主人公が突然、異世界に飛ばされて、夢のような生活を送る、あの異世界か!?」

「EARTH・PERIODによって、飛ばされる世界は、小説家になろうに掲載されている夢のような世界じゃなく、真逆の地獄世界、アダムの住まう楽園に飛ばされるの。」

……楽園なのに、地獄のような世界なのか。楽園なのに地獄とは、これいかに。

「アダムは、人類の祖なんて言われてるけど、奴は単なる暇つぶしの為に、人類を生み出したの。」

……は?

「ちょっと待て。なんで天宮が、そんな事知ってんの?」

「アダムに、直接聞いたのと、世界中の学者達が、研究に研究を重ねた結果がこれなの。ほら、私って世界ランク1位だから、世界中のプレイヤーと友達なの。その中に学者が混じってただけ。」

……。あっ、まただ。驚き過ぎて、声がでません。

「EARTH・PERIODでゲームの中の自分自身を鍛え上げて、アダムの世界に転送。なんでアダムが地球、いや、銀河系を滅ぼすかと言うと、飽きたから。これ以上進化しない人類に、飽きたそうよ。アダムの楽園に行くとね、銀河系のプラモデルが飾ってあるの。そしたら、これ、本物だよ。……だって。」

「……。」

「EARTH・PERIODは、アダムを倒す為に生まれた、人類の小さな反撃。なんでゲームとアダムの楽園に転送されるかというと、波長がほとんどおんなじみたい。だから、どちらの世界にも行けるの。科学者達の技術の結晶とも言えるわね。」

「……要は、ゲームの世界で自分を強くして、打倒アダムを目的に頑張るのか!」

「うん。」

「……天宮は、アダムに勝てるのか?」

「14回挑んだけど、全敗。」

「EARTH・PERIODの施設は、爆遊会館にしかないのか?」

「世界中に無数にあるよ。」

「じゃっ、じゃあ…」

キーンコーンカーンコーン!

「ほら、昼休み終わっちゃった。まだ聞きたい事、あるでしょう?放課後、爆遊会館に一緒に行きましょ?そこで全部話してあげるから。」

「………。」

「じゃ、先戻るね。」

放課後……一緒に!?これって、デート!!!?……でも、こんな話し聞かされたら、告白どころじゃねーじゃん。地球は今、アダムによって、崩壊するかもしれないんだから…。


〜谷川大和〜

HP 10/10

天宮と放課後デート!

テンションアップ!

天宮のお話!

状態異常!

大和は絶望的な気持ちが芽生えた!

不安度MAX!!

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