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「今の日本は〜…。」
日曜日の午後、やる事がないので、テレビをつけてみた。すると、見覚えのある人物が、テレビに映っていた。
「……おっさん?」
間違いねえ!あの時、俺にヘッドスコープの使い方を教えてくれた、おっさんだ!
「いや、日本と言うより、世界中が強大な危険にさらされている!」
なんかの会見か?大量のカメラのフラッシュが、おっさんを明るく照らし、包んでいる。
「アダム!そして、EARTH・PERIOD!この二つの〜…。」
………ん?は?へ?ちっ、ちょっと待て!おっさん!あんた、何を言うつもりだ!?記者達が、当然のようにおっさんを質問攻めにする。
「総理!それは一体?」
「なんですかーそれは?」
「アダムとは?」
「EARTH・PERIOD?詳しく説明をー!」
総理!?マジかよ!おっさんがアダムと、EARTH・PERIODについて説明し始めた。
「…〜ご理解いただけましたか?」
記者達が、みんなア然としてる。まあ、当然の反応か…。
「そのアダムが、EARTH・PERIODのシステムを乗っ取り、現実世界に攻めてくるのです!」
なんだってーーー!?マジかよ?
FINALSTAGE・START!
ピリリリリ…
携帯がけたたましく鳴り、着信を告げる。直ぐさま携帯を手に取り、確認画面を開く。相手は………
「天宮!」
「もしもし、谷川君?テレビ見た!?」
「見た!」
「今すぐ爆遊会…」
突如、ありえない位の巨大な振動が俺を襲った。家中の家具という家具はひっくり返され、かなりの規模の揺れだと感じ取れた。
「なっ…!?」
窓の外を見てみると、信じがたい光景が広がっていた。辺りの電柱は全て薙倒され、住宅に倒れ込んで家を潰し、どこかの家から出火して逃げ惑う人々。さらに、ありえない物体が空から舞い降りる。その物体の頭上には、こんな文字が…。
〜ヘルドゥ竜〜
LV 99999
HP 100000/100000
……どうなってんの?一体、何が起きてるんだ?
ア然と外を眺めていると、自衛隊?らしき戦闘機が、ヘルドゥ竜に向かって、上空をかっ飛んで行く!
これは…、ただ事ではない。どうする!?とりあえず爆遊会館か?
「ゴルアアアア!」
〜ヘルドゥ竜〜
戦闘機のミサイル!
HIT!!
HP 100000/100000
EARTH・PERIOD内に設定されている攻撃以外無効となります。
やべえ…。この状況はやべえ!家で、一人で焦っていると、先程の衝撃で落としてしまった携帯から、天宮の声が聞こえてきた。
「谷川君?谷川君!ちょっとぉ、大丈夫!?」
急いで携帯を拾い上げ、天宮に返事を返す。
「大丈夫だ!それよりこの状況は…?」
「……アダムが、本腰を上げて、地球を破壊するつもりなのかも…。」
「……やっぱり?」
「これは、私の仮定なんだけど、EARTH・PERIODから、アダム世界に転送する装置を、アダムは逆利用したんだとおもう。」
「逆利用?」
「アダム世界に転送できるって事は、その逆もしかり。EARTH・PERIODの世界に来たアダムは、EARTH・PERIODのシステムを乗っ取り、開拓区域のモンスターを現実世界に送り込んでいるんだわ…。多分だけど。」
「ちょっと待てよ?じゃあ、向こうのアバターをこっちに送り込めば、奴らに対抗出来るんじゃないか?」
「……どうやって?」
「さあ?とにかく、爆遊会館に急ごう!」
「わかったわ、また後でね。」
……マジどうしよう?三部に入って、いきなりの急展開!?つーか、なんだよFINALSTAGEって!?もう最終章?俺、全然活躍してねーじゃん…。