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「………着いた!」


森林の中を延々と歩く事、五時間。ついに、私はあああの開いている店を見つけた。


「……LV上げ、レアアイテム、レア武器・防具取り扱い店、あああパラダイス?」


………確かに、変だ。店名が。あああはいるのかな?店のドアを、軽くノックしてみる。


コンコンコン……


「すいませーん。」

「………。」


返事がない。……留守かな?


「あああさーん、いませんかー?」

「……おるよ。」

「少し聞きたい事が…」

「わしの年齢かい?」


店の中から、ガラガラ声の返事が返された。どうやら、あああはかなりの高齢みたい…。


「いや、年齢なん……」

「じゃ、わしのLVか?」

「違います。」

「それじゃ、わし好みの女子のタイプかい?」

「……………。」

「まあ、あんたくらいの若い女子なら、歓迎するよ。入りなさい。」


……!?中から、私の姿が見えてる?ドアは開いてないし、窓の前にも立ってない。………かなりの実力者みたい。


「失礼します。」

ドアを開け、店内を見回してみる。……様々な武器やアイテム、防具が綺麗に並べられていて、それらを眺めながら、奥のカウンターに足を運ぶ。そこにいた人物は、顔中しわくちゃの、ヨボヨボなおじいさんが、椅子に腰掛けていた。……この人が、あああ。


「ウヒョー!ビンゴ!!やっぱりわしの勘は冴えてるわい。ええのー、ええのー!若い女子のフェロモンは堪らん!」


……………見透かしたんじゃなくて、勘なのね…。


「声もええのー!」


……声か、成る程。


「あの………、あああさん、ですか?」

「いかにも!わしが最強のプレイボーイ、あああだぜ。イエイ!」


……ドヤ顔でピースしてる。


「聞きたい事があるんです。ガルデ・ゾーラの紹介で来ました。」

「…ふむ、ヘボ弟子の紹介か。」


……このおじいさんが、ガルデ・ゾーラの師匠!?


「はい、情報が欲しいんです。」

「いいけど、二つ条件がある。」


……このパターンはもしや。


「わしと勝負して、勝ったらええよ。もう一つは、ピーーー(放送禁止用語)やらして。」


〜あああ〜

AMAMIYAの攻撃!

右ストレート!

あああは吹っ飛んだ!

WIN 〜AMAMIYA〜


「はい、これでOKですよね?勝ったし、ピーーー(放送禁止用語)はこれで勘弁してくださいね♪」


「冗談が通じない女子じゃ……。かわいい年寄りの、イタリアンジョークなのに…。」


……イタリアンジョーク?


「まあ、ええ。言うてみい。」


え?いいの?それじゃ遠慮なく……。


「アダム守護者が、最近動き回ってるのは、ご存知ですか?」

「おう、知っとるよ。オヌシが昔に滅ぼした奴らの事じゃろ?」

「はい、何故守護者達が、再び動いているのですか?」

「情報料金100000Gね。」

……100000Gか。払えなくもない。私は、黙って100000Gをあああに手渡した。


「ふむ、正確には、守護者達ではなくて、個人だな。守護者の残党は、一人しかおらん。」

「それは確かですか?」

「……わしの能力は、先見の能力。ランク1位のあんたなら、説明せんでもわかるだろう?だから、わしは情報屋をやっておるんだ。」


…先見の能力か。自分が知りたい物事を、見通せる能力。それが、先見。例えば、漫画の続きや、ドラマの続き。テストの問題なんかも全て見通せる。もちろん、相手の攻撃方法や、能力までも簡単にわかってしまう。ただ、見えるだけ。あくまで、攻撃方法がわかっても、体がついてこれなければ、意味がない。多分、あああは老化で体が思うようについてこれないんだろう…。だから、能力を活かして情報屋をやってるんだ。


「何故、動き回っているか?それは、オヌシを殺す為だ。あの守護者抗争で、オヌシはやり過ぎた。奴らは再び軍団を築こうと画策しておる。その唯一の障害が、ランク1位のAMAMIYAと言う訳じゃ。」


私を狙っている、か…。


「オヌシは守護者にとって、最大の障害だからの。さらに、今から三分二十七秒後に、奴が襲撃に来る。」

「……奴?守護者が!?」

「カーテテルと……、洗脳されたプレイヤーがな。」


洗脳!?ひょっとして…。


「そのプレイヤーの名前は、そらとぶユパ様?」

「うむ。」


谷川君が、洗脳された!?それに…、カーテテル!貴様だけは、絶対に許さない!やはりあの時、トドメを刺しておけばよかった…。


〜緊急事態発生!〜

フィールドが半分消滅しました!

第990ナバール森林にいるプレイヤーは、非常事態につき、直ちに非難して下さい!


「ほーら、来おったぞ。」

「あああさん、この店から出ないで下さい。」

「ハッハッハ!冗談だろ?わしは最強のプレイボーイ、あああじゃ。」

「怪我しても、知りませんよ?」

「痩せ我慢はよくないな。オヌシ、今は能力とアイテムが使えんじゃろ?制限が解除されるまで、時間を稼ごう。」

「流石、先見の能力。全てお見通しですか…。」

「さて、行くかの…!」

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