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「どうぞこちらへ。」

いつも通り、奥のエレベーターに案内される。私は速攻で、エレベーターの到着と同時に、内部へ乗り込む。ゆっくりと店員も後に続いて乗り込んでくる。……っんもぅ!遅い!

「天宮様。」

「なに?」

「お知らせしたい事が…。」

「…なんなの?」

「前に、貴女が壊滅させた、アダム守護者の残党が、最近動き回っているようです。」

「なんですって!?」

まだいたのね…。放っておいたら、大変な事になる…。近日中に、潰してやるわ!


アダムに賛同する、イカレたプレイヤー。それが、アダム守護者。奴らは、世界が滅ぶ事を望んでいる…。アダムに味方する理由は様々。宗教的な理由や、個人的な願望を、アダムに抱いているから。

ずいぶんまえに、アダム守護者達は、EARTH・PERIODの世界で、めちゃくちゃに暴れ回った事があった…。その時に、私が全員滅ぼした。………筈だった…。そいつらが、再び動き出したという。アダム守護者のプレイヤーは、ステータスが一部変化する。

まず、職業がアダム守護者に変化する。そして、能力が与えられし力になってしまう。この与えられし力は、アダム自身から一部の能力を与えられ、自らの能力を独自変化させた能力。それが、与えられし力。最後に、アダム挑戦歴が、アダム忠誠率に変わる。忠誠率が高ければ高い程、与えられし力が強大になり、よりアダムに近い存在になる。


……潰してやる。あいつらだけは、許さない!


「………天宮様?」

「ごめん、考え事してた。それより、谷川君は何階にいるの?」

「今日は、模擬戦闘区域・K−69の57階でプレイしてる筈です。」

「わかった、ありがとう。」

チーン!

57階に着いた。急いでエレベーターから降りて、ゆっくりと周りを見回す。………いた!谷川君!

「…なっ!!?」

そこには、信じがたい光景があった。谷川君の右腕が、ありえない方向に折れ曲がり、ぷらーんぷらーんと、左右に腕が揺れていた。……こっ、これは。

「……現実世界の肉体が、こんなになってるって事は…、かなり強い攻撃を受けたみたいね。普通、こんなケガをすれば、痛みでログアウトするはずだわ。ログアウトしてないって事は、ログアウトができる状況じゃないって事だわ…。」

……ますます嫌な予感がする。谷川君を探しに行こう…。模擬戦闘区域で助かった…。それが唯一の救いね。開拓区域にログインしてたら、探し出すのは絶望的…。

開拓区域とは、文字通りEARTH・PERIODの広大な世界を探索する区域。それが、開拓区域。模擬戦闘区域とは違い、戦う相手はモンスター。開拓区域は模擬戦闘区域とは比べものにならないくらいに広い。…谷川君が模擬戦闘区域にログインしていてよかった。開拓区域は広すぎる上、モンスターが邪魔な事この上ない。

私は、装置を急いで体に取り付け、EARTH・PERIODを起動した。


〜EARTH・PERIOD〜


GAMESTART

新規キャラ作成/転送


転送!







〜模擬戦闘区域〜

「さて…っと」

まずは、情報が欲しい。私は、近辺にいるプレイヤーに、片っ端から声をかけた。


「…ねえ。」

「ヒイイイイイ!ランク1!?」


駄目だ、話しにならない。


「あの…。」

「ギャー!世界チャンピオン!?ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」


………。


「…すいません。」

「うわわわ!?かっ、勝てる訳ねえ!!ヒィ〜…!」


………。


「ちょっと…。」

「げっ!ランク1!?俺をカモろうって魂胆か!?」


………。

駄目だ、ある程度レベルが高く、肝が座ってそうなプレイヤーを見つけないと、話しすらできない。


「おい。」

「………え?」


突然、声をかけられた。誰かと思って振り向いたら、意外な人物が、そこに居た。


「世界ランク1位が、こんな場所で何してんだ?」


……ガルデ・ゾーラ!


「ちょっと、ね……。」


ガルデ・ゾーラ。世界ランク13位の、少し恐持ての男性。職業は、超遠距離狙撃主。遠距離攻撃のスペシャリストで、狙われた獲物は必ずと言っていいほど、彼の姿を見る事なく倒される。


「…昨日のルドゥン竜戦、お前、危なっかったな。」

「あぁ、貴方も参加してたわね。ちょっと…、聞きたい事があるの。」

「いいけど、条件がある。」

「…なによ?」

「俺と、勝負しろ。お前を倒せば、ハクが付くからな。お前が勝ったら、話しを聞いてやる。」

「……急いでるんだけど。」

「そんな事は知らん。ここは模擬戦闘区域だぞ?無敗のお前を倒せば、実質的に俺がNo.1だ。」

「……わかった、いいわよ。」


〜AMAMIYA〜


VS


〜ガルデ・ゾーラ〜

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