22
〜天宮家〜
君を守りたい!……か。あんな事言われたの、初めてだな…。
ベットの上で、俯せになりながら、物思いにふける…。なんだろう…?なんで谷川君に、あんな事話したんだろ?……おもいっきり抱き着いて泣いちゃったし…。明日から少し、気まずいかも……。
そのまま、私は深い眠りに落ちた…。
「ぐわああああ!」
ガバッ!
と起き上がり、意識が一気に夢の世界から、現実に戻る。
………なに?今の…。
…谷川君が、苦しんでる夢をみた…。
例えようのない、悪寒が私を襲う。なんだか、凄く嫌な予感がする。谷川君!
いてもたってもいられなくなり、私は家を飛び出した。現時刻は19時30分。外は既に、暗くなっていた。
「ハアッ、ハアッ…。」
夜の町を、全速力で走りまわり、谷川君を捜す。
……なにやってんだろ、私…。
「あ?天宮じゃね?オーイ!天宮。」
突然声をかけられた。声をかけてきた相手は……
「松森君。」
「なにしてんの?こんな場所で…?あっ、そうだ。大和知らない?あいつの家に行ったら、まだ帰って来てなかったから…。おまえら二人、今日一緒にガッコサボったべ?…一緒じゃねーの?」
……まだ、帰ってない!?
どうしよう…、凄く嫌な予感がする…。
「一緒じゃないけど…。」
「あの野郎、一緒にキャバクラ行くって言ったのに…。どこほっつき歩いてんだ?」
キャバクラ!?ケロケロにも行ってないってことは……爆遊会館!
「あっ!おい…。」
私は、爆遊会館へと急いだ。EARTH・PERIODの中で、谷川君は大きな事件に巻き込まれたんじゃないか?朝から晩まで、ログインし続けるなんて、廃人じゃない限り、ありえない!だとすれば、EARTH・PERIODの中で谷川君になにかが起きたんだ!
〜爆遊会館〜
「これは天……」
「谷川君来てない?」
「あぁ…、9時頃いらっしゃいましたよ。まだEARTH・PERIODをプレイ中みたいですが…。」
「直ぐ谷川君の所に案内して!早く!」