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「……ネットカフェ爆遊会館?天宮って、こんな店に行くんだ…。」

ちょっと以外だなー。なんて思いつつも、ネットカフェ、爆遊会館の看板を眺める。どうやら、利用料金は一時間遊び放題、ドリンク飲み放題で三百円らしい。リクライニング・シャワー付きとかも、看板の端っこに書いてある。あっ…!ひょっとして、天宮はこの店でバイトをしているんじゃないだろうか?だとしたらチャンスだ。偶然を装ってメルアドを聞き出し、メールで告白!なんて方法もいいんじゃないか?よし、そうと決まったら、早速入店してみよう。なにより、天宮が出入りしている店だから、興味が湧いてきた。入口に向かうと自動ドアが、ガーっ、とかいう阿呆みたいな音を出して開く。店内は以外と明るく、ネットカフェは暗い!と、イメージを持っていた俺にはちょっとした驚きだ。入ってすぐそこに、受け付けのカウンターが見える。カウンターの人間が一人だからなのか、それとも繁盛しているからなのか、一列の軽い列が出来ていた。当然、邪魔だ退け!なんて言って割り込める筈もなく、静かに列の最後尾に並ぶ。天宮は列んでないかな〜?と、辺りを見回してみるが………残念ながら、並んでいない見たいだ。じゃあ、やっぱりここでバイトしてるのかな?ただ待ってるのも難なので、前に並んでいる二人組の会話を盗み聞きすることにした。

「今日は特クエが来てるから、俺は弓のSRを600まで上げてやるぜ。」

「俺なんかプレ入ってるから、SRPが六倍だぜ!!特茶ナスで回そう。」

「えーっと…、特茶ナスが一回で6000Pだから、……36000P!?」

「しかもネカフェだから、レスタが付くしな。当然フラウ2だろ!」

………意味不明。どこの国の言葉ですか?全くもって理解不能。しかも、やたらとテンションたけーし。

「爆撃オーラ、早く使いたいな。」

「あれはヤバイからな〜。最近、求人区なんかは募集が全部爆撃オーラだからな。」

「まっ、今日でSR600までいくだろ。」

「十二時間コースだからな。いかない方がおかしいだろ!」

「「アッハハハハ!!」」

……どうやら僕は、別の異世界に迷い込んだようだ。言葉の意味が全くわかりません。……何がおかしいんだろうか?笑うところがあったか!?呆気に取られてる内に、どうやら自分の番が回って来たらしい。店員が愛想のない顔で、マニュアル通りに喋りだす。

「いらっしゃいませ。当店の会員カードはお持ちですか?」

「初めてだからないです。」

「では、こちらの紙に必要事項をお書き下さい。」

「あっ…、この店に天宮って女の子がバイトしてません?」

店員の顔付きが豹変した…。なんだ?俺、なんか変な事言ったか?

「……これはこれは。天宮様のご紹介ですね?どうぞこちらに…。」

いきなり店の奥に、連行に近い形で連れていかれる。なに?なにされんの?めっちゃ不安なんですけど。

「……こちらに。」

案内された場所は………ん?エレベーター?この建物、どうみても二階なんてないだろ。なんでエレベーターがある訳?店員がゆっくりとボタンを押したんだけど……、なんかおかしい。地下100階ってなに?つーか地下?地下なんてあるの?このネットカフェ。言われるがままに、エレベーターに乗り込む。その後に続き、店員も乗り込んできやがった!稼働音が室内を支配して、なんかおっかない。

「今日のカードは、ランク1のAMAMIYAと、ランク7の男爵ジャガ芋が対戦します。」

「………は?カード?ランク?対戦?」

「今日は高ランク同士の対戦ですから、きっと荒れますよ。………いろんな意味で。」

……間違いない。ここは、異世界だ!言葉の意味がさっきから全くわからない。天宮がいないんなら、もう帰りたい。

「お客様は、EARTH・PERIODのプレイヤーですか?」

は?なんだって?なんだそれ?

「いや、……違います。」

「これは失礼いたしました。天宮様のご友人なら、プレイしていると思ったのですが…。」

「……えっ?天宮様!?」

「世界ランク1位のプレイヤー、天宮結衣。あのお方のおかげで、日本は今現在、ランキングトップになっているのです。ご存知なかったんですか?」

今の話を聞いていると、どうやら天宮はなにかの一位になっているらしい…。つーか、そんなのどうでもいいから、早く天宮に合わせてくれ。そんな事を考えていたら、チーン!なんてベタな音だして、エレベーターが止まった。どうやら目的の階に着いたらしい。この先に天宮がいるのかな?

「………!!!!!」

驚き過ぎて、声が出せません…。びっくりし過ぎると、人間こんなんになるだ…。案内された場所は、かなり広い円形の……闘技場!?、例えるなら東京ドームくらいの大きさだ。全体的に薄暗く、客席がタワーのように遥か上まで連なっている。なにこれ?闘技場なの……か?つーか、地下闘技場って、バキみたいだ!

「…ではこれを。」

店員が何かを差し出してきた。暗くてよくわかんないんだけど…。受け取ってみて、これまた驚いた。

「真っ黒なバイクのヘルメット?それも、フルフェイス!?」

「お好きな席にお座り下さい。お座りになられたら、ヘッドスコープを被ってお待ち下さい。」

ヘッドスコープ!?このヘルメットの名前なのか?ダサい……、名前がダサいよ…。仕方ないから、言われた通りに適当な席に座ってみる。なんか、観客みんながこのヘッドスコープとやらを被っている。……俺も被らなければいけないんだろうか?ちょっと抵抗あるんだけど。被る前に、ちょっとイジくってみよう。右側の側面に、何やらボタンがいっぱい付いている。ズームとか、乱入とか、様々なボタンでいっぱいだ。……被りながら操作するのかな?

「Ladies and Gentlemen!今日の対戦はー…、ランク7位、燃える情熱溢れる男気!男爵ジャガ芋ーーー!!」

……いきなりなに?このアナウンス。しかも、なんだよ燃える情熱溢れる男気って?一体何が始まるんだ…?

「迎え撃つはランク1位、萌える美少女高校生、私は絶対負けません!無敗のクイーン、AMAMIYAーーー!!」

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