表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

ベリーバッド・初下校







 転校初日の授業が終わった。


 初日から7時間授業、そしてホームルーム。

 もちろん、課題は出せずにアドラと一緒に怒られた。



 ミハやアドラは俺の家とは反対方向、フィー姉は早速できた友達と転校生歓迎会に行くらしく、メラニはしっかりと部活動見学に行くようだ。


 つまり、俺はいま一人な訳だ。



 ぼっちを堪能しているのである、ビバ・ぼっち。


 そんなことはどうでもいいのだ、いや良くはないけど。




 俺は部活動に入らないのか?と言われると即答で「入らない」の一択だ。



 部活動は拘束時間が長いし、対人関係が諸々あるため本当に好きでやり始めないと後悔することになる。


 さらに、運動部系はもうそろそろ試合シーズン始まるからその時期に入ってもなんもできなさそうだし、文化部系はかなり人間関係的な部分が色濃く出るから俺には不向きだ。



 よって、俺が取れる選択肢は「帰宅部」一択だけなのである。




 別に運動とかはできなくもないのだが、熱意があるわけじゃないからね。



 俺が熱意を持ってるものとしたら……、アレ?

 俺が特に入れ込んでやってるものって、無くね?



 ここにきて悲しき気づきだ、また一つ成長したと思うことにしておこう。じゃないと辛い。





 でも、やはり将来なるのだとしたら俺は悪魔の討伐隊だろうな。


 だってかなりの高給らしいし、保険もつく。

 地上の人間だって少しぐらい見てみたいし。

 命の危険があるかも?それはどの仕事だっていっしょだ。


 そして一番肝心な部分、お前に悪魔を倒せるのか?とね。



 ほら、今朝の天使講座でやったろ?【聖力】。



 天使たちは、翼や光輪を形作るエネルギー【聖力】を応用して悪魔を追い払うわけだ。


 人間で言うところの体育で、俺たちも悪魔退治の実習をさせられたりするから、そこも数少ない人間との違いだろう。




 例えば、【聖力】を練り合わせて─────。






どごおおぉぉぉぉぉ………




 遠くで悪魔が暴れている音がする。



 この学園が第九層だから、あの悪魔は地上防衛に就いている天使や、これまでの層の守護をしていた天使の猛攻を掻い潜ってここまで来たのだろう。



 それでもなおここで暴れることができていると言うのは、なかなかの凶暴性と言える。





「……んじゃ、俺がちょっくら倒してみようかなぁ…?」




 ☆ ☆ ☆





 帰宅後。




「またアンタやったのかい!?」


「ひぇ!?しゅいましぇんでしたぁ……」




 帰ってきた直後にボッコボコにされました、ハイ。


 まぁそうだよね、第九層まで上がってくるほどの悪魔が急遽倒されたって言われたら流石に噂にもなるよね。



「僕は居合わせちゃったからしょうがなくぅ〜………」

「じゃあ逃げなさいよ!アンタ仮にも高校生でしょ!!」

「しゅいましぇんでしたぁ〜………」




 あー、俺から言えることといえば、一つだけだ。



 母って、偉大だね…………っ………。






 ☆ ☆ ☆








 今回の、第九層まで上り詰めた悪魔の騒動。


 それを仕留めた存在が、天使界で話題となっている。



 黒い髪、漆黒の翼、圧倒的なほどの強さと、その者が使う特殊な【聖力】……。



 普通の天使にはあり得ざる特徴に、悪魔を彷彿とさせながらも天使の味方をする、まさにダークヒーローのような存在が、悪魔を倒したという目撃情報があった。

 天使界の新たな脅威であるとか、悪魔の自滅だとか、良い噂は聞こえてこない。


 しかし、第九層まで上り詰めた悪魔もさることながら、それを仕留めた黒い天使の実力は認めざるを得ない。



 黒髪、漆黒の翼、圧倒的な実力。


 そのような力を持つ天使を、世間はこう呼ぶ。









 “堕天使”、と。






何がとは言いませんが、カミングアウト早かったかなぁと思ってちょっとだけぼかしました。

暖かい目で見守っていてください

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ