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      9.5日午後8時


 事務所には、鑑識が呼ばれた。

 桐野が手配したものだ。ほかに捜査員は、桐野の後輩らしき刑事が一人だけだった。

 その刑事は自ら察しているのか、桐野になにかを言われていたのか、とくに口は開かなかった。

「どうせ、なにも出ない」

 世良は、桐野に言った。

「だが、なにもしないわけにはいかない。あの《U》が再び現れたんだからな」

 そして桐野は、声をひそめて、

「あの紙は、なぜ隠すんだ?」

 鑑識チームに聞こえないようにしていた。

「あれはちがう。いいんだ」

 世良には、心当たりがある。

 殺し屋参上──。

 人をくったような文言だが、世良にはべつの一面が見えている。

「やつの宣戦布告じゃないのか?」

 世良は、首を横に振った。

「とにかく、あれのことはなかったことにしてくれ」

 それだけを桐野に頼んだ。

「おまえがそう言うんなら、好きにすればいい。だが、おれも鑑識を呼んだ手前、ここにやつの痕跡が残っていたのなら……」

 そのさきを、桐野は言わなかった。

 鑑識作業が終わり、桐野以外は帰っていった。峰岸は警察が来る前に帰宅させたので、桐野と二人きりになった。

「だいたい、あの殺し屋はなんだってまたやって来たんだ?」

「……」

「おまえなら、わかるんじゃないか?」

「ふくみのある言い方だな」

「やつとおまえは、似た者同士だ」

「わかるわけがない。だた……」

「だた?」

「やつが、ムダな行動をとることはない──それだけはわかる」

「だな。殺そうとする相手に、わざわざ挨拶だけして帰るとは思えない……」

 つまり、殺しに来たわけではない。桐野はそう言いたいようだ。世良にもそれはわかっている。

 おそらく、襲撃すること……もしくは、世良の前に姿をあらわしたことが重要なのだ。

「ストーカーの殺しといい、おまえはいつも厄介事に巻き込まれるようだな」

「おれが悪いわけじゃない」

「だからタチが悪いんだ」

 世良は桐野の愚痴を聞きながら、階段を昇ってくる足音に気がついていた。

 ただし、やつがもどってきたわけではない。よく知っている足音だった。

 事務所のドアが開けられた。

「世良さん、いますか?」

 人見さゆりだった。世良の恋人だ。ナレーションなどの声の仕事をしている。むかしは『夢見まりも』名義で、アイドル声優として活躍していたこともあるという。そのころを世良はあまりよく知らない。

「どうしたの?」

「よかったら、これから食事でもと思って」

「そうか」

 世良は、桐野がいるほうを向いた。むろん、どんな表情をしているのかわからない。いや、見えないだけで、想像はつく。

「おれのことはいいよ。行ってこい」

 遠慮することなく、そうさせてもらうことにした。戸締りをすませると、三人で事務所を出た。桐野とはすぐにわかれて、世良とさゆりはタクシーをひろって、いきつけの店へ向かった。

 店は北千住のはずれにある。土地柄でもわかるが、気取った店ではない。深夜までやっている大衆的な洋食屋だ。もとは世良ではなく、さゆりのほうが通っていた。

 はじめてここへ来たとき、なぜだか懐かしい香りがした。まるで眼に見えているように店内の風景が脳内に浮かび上がったのだ。

「ねえ、なにかあったの?」

「え?」

「桐野さんがいた。事件?」

「たいしたことじゃないよ」

「わたしを頼ってはくれないの?」

 さゆりが不機嫌になったことは、表情が見えなくてもわかる。

「……事件といえば事件だ」

 事件以外のなにものでもなかったが、世良は言った。あるていどのことを伝えなければ、彼女は納得してくれない。

「どんな?」

「くわしくは守秘義務がある」

「そう……」

 彼女の声のトーンがさがった。

「危険なこと?」

「危険かどうかは、わからない」

 嘘ではなかった。まだ今回の件が、どれほど危険かわかっていない。

 国家安全部の接触。

 ストーカー殺人。

《U》の襲撃。

 それらにつながりがあるのか、それとも単独のものなのか……まだなにもわかっていないのだ。

「危ないと思ったら、すぐに逃げてくださいね」

「ああ、そうするよ」

 実際にそうできるかは、自信がなかったが。

 性分だ。そんな自制ができるのなら、この眼は潰されていなかった……。

「どうしたんですか?」

「なにが?」

「笑ってますよ」

 指摘されて、それを自覚した。

 いまさらしても遅い後悔を、とてもムダなことだと思ったからだ。

 自嘲の笑み。

「きみとこうしてゆっくりするのが久しぶりだからさ」

 嘘を言ってごまかした。彼女には、通じないだろう。

「わたしも、ゆったりくつろいでますよ」

 話を合わせてくれた。本心なのかわからない……。

 それでも、彼女の笑顔が見えたような気がした。



 朝、事務所についたときには、もう桐野が先着していた。

「楽しんだか?」

 その言葉は無視することにした。

「で、警察はどう動くんだ?」

「《U》については、捜一は無視をきめこむつもりらしい。鑑識ではなにも出なかったからな」

 そうなるだろう。世良の予想どおりだ。

 桐野にしても、やつの顔を見たわけではない。世良の耳だけが《U》の痕跡を証明するものだ。刑事部がそれだけで動くには、メリットが薄い。《U》は殺し屋でありながら、公安案件でもあるからだ。

「じゃあ、おまえはストーカー殺人に加わったのか?」

「いや、自由行動だ」

「自由?」

 一聴すると冗談のようだが、この男の場合はそうではない。警察広しといえど、好きなように動くことを認められた刑事は、あとにもさきにもこの男だけだろう。

「で、あの紙、なんの心当たりがあるんだ?」

「あれは捜査には関係ない」

 書いた人物の見当はついている。が、それを追求するつもりはなかった。

「そうか……あれについては、忘れる。だがおまえは、ほかにも手掛かりを持ってるだろ」

「どうしてそう思う」

「刑事の勘だよ」

「これだ」

 世良は、沢口茜からあずかったCDをかかげた。

「ストーカーにあってた女性の持ち物だな?」

「ああ。兄の遺品だ」

「その兄が、国家安全部とつながってるんだったな」

 つながっているかどうかはまだ謎だが、兄が持っているであろうなにかをさがしているのはまちがいない。

「それをどうする?」

「専門家に分析を頼む」

「うちか?」

「いや、奥村だ」

「科警研の?」

 正確には、元科警研だ。いまは『音響科学研究所』というところにいる。

「これから行くのか?」

「そのつもりだ」

「なら、おれも行く」

 言葉にこそ出さないが、桐野は《U》による再襲撃を心配しているのかもしれない。峰岸が来るのを待ってから、事務所を出た。

 いつもは峰岸の運転で外出するのだが、桐野が運転して奥村のもとに向かった。

 音響科学研究所は、国立市の郊外にある。峰岸の運転ではよく訪れているので、世良の感覚ではそれほど遠くはないのだが、慣れていない桐野は、かなりの長距離だと感じたようだ。

 研究所のなかに入ると、奥村をたずねた。

「調べるのは、それですか?」

 峰岸が持っているであろうとCDが眼についたようだ。

「音楽CD?」

「そうです」

「犯罪の捜査ですか? たしか、同期でしたよね」

 どうやら、桐野を見て言ったようだ。

「捜一の桐野です」

「奥村です」

 おたがいが、とってつけたような挨拶を交わしていた。

「科捜研へは?」

「いえ」

「わけありですか?」

 そうといえば、そうだ。返事に窮していると、峰岸が仲介してくれた。

「先生、お願いします」

 もとは、ここでアルバイトをしていたという過去がある。峰岸のスキルを活かすには、世良のもとだと判断した奥村が引き合わてくれたのだ。

「わかりました。どういう鑑定をすればいいんですか?」

「説明は難しいが……どこかに違和感があります」

「曲を聴いて?」

「はい」

「……とにかく、分析してみます」

「どれぐらいかかりますか?」

「詳しくやるなら数日かかりますが、簡易的になら一時間ほどでしょうか」

「お願いします」

「違和感の正体をつきとめればいいんですね?」

「そうです」

 三人で待つことにした。簡易鑑定でなにもわからなければ、いったんCDをあずけて、後日、結果を聞きにくることになるだろう。

「……こういうことかな?」

 まだ三十分しか経っていなかったが、奥村が報告にきた。

「音階の問題だと思う」

「音階ですか?」

「音階が普通とはちがうんだ」

 世良の聴力は超人的だが、音楽の才能はない。専門的なことはよくわからなかった。

「純正律と平均律のちがいはわかりますか?」

 世良は首を横に振った。なんのことやら、まったく知らない知識だ。

「大雑把に説明すると、純正律はむかし使われていた音律です」

「和音の美しさを追求した音律なんですよ」

 峰岸が補足を入れた。

「ですが、純正律には矛盾がある。まあ、難しいことは省きますが」

「変調できないとか、いろいろあるんですよ」

 奥村と峰岸が交互に説明してくれるが、二人も音楽の専門家ではないから、うまい解説とはいえない。

「平均律というのは、その矛盾を取り除いたものです。1オクターブを均等に12で割ったものと考えてください」

「12というのは、ピアノの鍵盤を思い浮かべるとわかりやすいです。ドからシまで、シャープやフラット合わせると12のキーがあるでしょ」

 世良は、眼の見えたころにピアノを真剣に眺めたことなどないから、その峰岸の助言は役に立たなかった。

 とにかく1オクターブ内には、12の音があって、むかしの音律だと和音が美しいが、矛盾が(そこのところが、よくわからないのだが)あるのだという。その矛盾をなくしたのが、現在使用されている平均律である──そのようなことでいいのだろうか。

「それで?」

 これ以上のことは理解できそうもなかったので、話を進めることにした。

「この演奏で使われているピアノの調律がおかしいんです。Fの音だけが、平均律ではなく、純正律のFになっています」

「Fというのは……」

「ドレミでいうと、ファですね」

「単純な疑問なんだが、その音のちがいは、素人ではわからないものなのか?」

 桐野からの質問だった。

「普通に演奏したら、わかります。まちがえたと思うでしょうね」

「素人でもそうなら、プロが聴いたらすぐにわかるだろう?」

「そうでしょうね」

「あのCDは、ちゃんと売られてるものなんだろ?」

「欧州での限定発売らしいですけど」

 その補足は峰岸だった。

「それなのに、こんな専門機関で調べなきゃわからないものなのか?」

「演奏法が特殊なんですよ。Fの音を出すときに、べつの音と重ねてるんです」

「それで正常に聞こえるというのか?」

「そういうことになります。普通ではありえないテクニックだと思います」

 そこで、沈黙がおとずれた。

 重要な疑問について考えなければならないだろう。ファの音だけ音律がちがうというのは、本人がわざとやっていたのか、それとも突発的にそういうピアノで演奏することになったのか……。

 後者とは考えづらい。

 ならば、本人が自らの意思でやった。

 では、なぜ?

「その音は、Fなんですね?」

「そうです」

 そのことを確認した。

「世良、それがなにか重要なものなのか? 音程がちがっていることが、中国にとって興味を惹くこととも思えないんだが」

 桐野の言うとおりだった。

「なにかの暗号になっているかもしれない」

 そう言ってはみたものの、音がちがうだけで、なにかの情報をあらわしているというのは飛躍しすぎだ。

 とにかく奥村にはもう少し解析してもらうことにして、世良は研究所を出て、沢口茜に会いに行った。

 茜は、音楽教室から自宅に帰ってきたところだった。侵入者があった家に帰るのは気持ちのいいものではないだろうが、すぐに引っ越せるものではない。

 いまは世良と峰岸だけでなく、桐野もいるので、外で話をすることにした。車でファミレスに移動した。奇しくも、国家安全部の女と話したファミレスと、ちがう店ではあるが、同じチェーン店だった。

「え!?」

 奥村の研究所でわかった事実を伝えたら、とても驚いた声が聞こえた。うまく説明できるか心配だったが、意味は通じたようだ。

「気がつきましたか?」

「いえ……まったく」

 さまようような色も声からは感じた。かりにも音楽家なのに、音律のズレに気がつかなかった自身への失望だろう。

「ピアノのチューニングは、調律というんですよね? 調律は、だれがやったものかわかりますか?」

 日本での演奏ではないから、さすがに妹でもわからないことかもしれない。

「兄自身だと思います」

「プロのピアニストは、自分でやるものなんですか?」

「いえ、プロであれば、正式な調律師に頼むのが普通です」

「外国でも?」

「どうでしょう……たぶん、日本と同じだと思いますけど」

「お兄さんは、どうして自分でやっていたんですか?」

「兄は特別です。完璧主義なところがあるので」

 音楽家独特の個性としか表現できないようだった。べつの言い方をすれば、それが兄のスタイルなのだ。

「調律師というのは、どういった人がやるのですか?」

 もし他人が調律していた場合、その人物が故意に音をはずした可能性がある。

「それは、いろいろな人がいるとしか……」

 ピアニストをめざしていたが、挫折して調律師になったり、最初からそれをめざす人だっている。演奏家とは関係なく、耳がいいのでなった人もいるでしょう──彼女は、いくつかの例をあげた。

「ちなみに、日本では国家資格が必要なんですよ」

 それには意外な思いにさせられた。

「……なんだか、恥ずかしいです」

 声のトーンが落ちて、彼女は言った。

「だからわたしは、プロになれなかたんですね……」

 彼女も立派なプロだとは思うが、彼女の語るプロとは、兄のようなピアニストなのだろう。

 慰めの言葉を伝えたいところだが、門外漢の世良が口を出すべきことではなかった。

「あの、ピアノの音律がちがっていたことは、兄の事故と関係があるんですか?」

「それはまだわかりません。ですが、そこに秘密があって、何者かがさがしているのかもしれない」

 茜はわけがわからない、という表情になっているだろう。茜には、国家安全部の話はしていない。

「あのCDをさがしていたんですか?」

 その可能性がある。が、国家安全部の女は、それがCDであることはわかっていないのかもしれない。

「そうかもしれません」

「でも、見られてると思ったのは、ストーカーだったんですよね?」

「部屋に侵入したのはダイニングバーの店員ですが、ほかにもなにかがあるかもしれません」

 世良は、そのなにかを知っていたが、やはり国家全部の話をするべきではないと判断していた。

「!」

 世良はそこで、ある気配を察知した。

「どうした?」

「あっちにだれかいるか?」

 世良はなにげない仕草で、指を向けた。

「店内ということか?」

「外かもしれない」

 桐野も素人ではないから、その人物に勘づかれることなく、様子をうかがえるはずだ。

「席に座ってる客はいる」

「女か?」

 国家安全部の女かもしれない。

「いや、男だ」

「どんな様子だ?」

「普通にコーヒーを飲んでる」

 ただの気のせいかもしれない……。

「どうする? 声をかけてみるか?」

「店のなかでは、まずいだろう?」

 職質をかけるなら、ここを出てからだ。この店に迷惑をかけることになる。

 世良たちは話を切り上げ、会計をすませた。桐野以外は、車に乗って待機した。さっきの客が出てきたら、桐野が声をかける。

 車からは、ファミレスの入り口が見て取れるらしい。男が出てくれば、峰岸が教えてくれるはずだ。

「来ました」

 耳を澄ませた。

 桐野が近づいていく足音がする。

「話をきかせてもらえませんか?」

「なんでしょう?」

 男の声は、平然としているように聞こえた。しかしさすがに車外のかすかなしゃべり声だから、正確な感情までは読み解けない。

「この店には、どんな用事で?」

「え? 食事してただけですよ」

「コーヒーを飲んでいましたよね?」

「それが?」

「ずっと見ていたわけではないのですが、飲み物だけでしたよね?」

 食事をしただけだ、という話の矛盾をついたのだ。

「そんなの勝手だろ?」

「そのとおりです」

 世良は、車外に出た。客と桐野に近づく。ただし、いまはじめて店に入るような素振りをした。

 さらに、普段は義眼が入っているので瞼をあけたままにしていることが多いが、わざと眼をとじたままにした。杖こそついていないが、眼の不自由な人間だとわかるように歩いた。

「もう行っていいですか?」

「お住まいは、この近くですか?」

 桐野が世良の思惑を感じ取ってくれたようで、話を引き延ばした。世良は、二人のすぐ近くを通過して、店の入り口に向かった。一度行けば、位置はわかる。

 聴覚を集中させた。

 職質をうけた男性の呼吸が荒くなった。

 世良は足を止め、桐野と男性客が立っている方向を向いた。

「おれを見ていたか?」

「いや、見ていない」

 桐野が答えた。

「な、なんなんですか!?」

「見なかったというより、見ないようにしていたな?」

 桐野が追及した。

「眼の不自由な人が近くを通っているのに、そちらを見なかった」

「あんたと話をしてたからだ! 警察から声をかけられたら、それどころじゃなくなるって!」

「いいや、あなたはわざと見ないようにしていたんだ。世良のことを知っていたからだ。眼が見えなくても、見えているのとかわらないということを」

「な、なに言ってんだよ!」

「どうして世良を監視していた?」

「監視じゃない……」

 ボソッと、男が言った。

「なに?」

「守ってたんだ……」

「守る? だれからだ?」

「世界からだよ」

 豹変したように、男は答えた。

「おまえは、何者だ?」

 桐野が問いただした。

「私は研究者だ」

「なんの研究をしている?」

「そこは重要じゃない。私の所属は、WHOだ」

「WHO?」

 世界保健機関?

 普通に考えればそうだが、なぜWHOが?

「ある組織の意向で動いている……」

「どこだ?」

「バチカンだよ」

 話が突飛すぎて、ついていけなかった。


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