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      21.7日午後6時


「で、どうするというのかね?」

 身体の自由を奪われているであろう新崎が、余裕に満ちた声を出した。

 武器もとりあげてある。捜査本部の方針を確かめるために、桐野が連絡を終えたばかりだった。

「一課長は、およびごしだ。そのまま待機しろだってよ」

 もちろん桐野は新崎に答えたのではなく、世良に報告したのだ。しかしそれを聞くまでもなく、世良の耳には電話のむこうの声も届いていた。

「刑事部長に話を通すつもりだろうが、それでも判断できるかどうか……」

 桐野は、なかばあきれたように愚痴をこぼした。

 公安部のどのあたりまで、からんでいるのことなのか。これまでのことを考慮すると、警視庁だけではなく、警察庁の警備局も関係している可能性が強い。そうなれば、刑事部長どころか警視総監でも判断できないだろう。だとすると結局、公安勢力の言いなりになってしまうことになる。

「ここで私を解放すれば、あなたたちのキャリアに傷がつくことはない」

 あなたたち──と言いはしたが、いまの言葉は桐野に向けたものだ。探偵である世良と、その世良に雇われている峰岸には通じない脅しだ。

「あいにく、おれは出世に縁がないんだ」

「だが、職をなくすことはない」

「恫喝か? おれは刑事部だ。公安の論理は、おれには意味がない」

「刑事部にも影響はあるのだよ」

「上が汚染されていれば、たしかにそうなんだろうよ」

「汚染とは、言葉が悪いな」

 上層部の関与を認めたようなものだ。

「あんたは、勘違いしてる。刑事部の人間は、犯人を検挙することがすべてだ。犯人さえあげれば、警視総監でもおれをクビにすることはできない」

「それこそが勘違いだ。警察機構は、そのようにはできていない」

 新崎は、せせら笑った。

「できてるんだよ。どんな圧力も、ホシをあげることにはかなわないのさ。腐った権力に潰されるとしたら、それは犯人まで迫れなかったのが原因だ」

「おもしろい力の論理だな」

「事実だ。おれだけじゃ当然ムリだが、こっちには眼の見えないバケモノがついてるんでな」

 新崎が押し黙った。どのような表情をしているのだろう。

「殺人容疑で、本庁のほうに来てもらう。いいな」

 ヘタな恫喝が、逆に桐野の闘争心に火をつけたのだ。新崎という男は、桐野のそういう性格まで情報を得ていなかったようだ。

「刑事部長はいいのか?」

 一応、言っておいたが、そんなことを気にするような男でないことは、世良が一番よくわかっている。

「どうでもいい。おれは忖度に興味はない。容疑がある人間は、調べ上げるだけだ」

「だが本庁に連行したら、それこそ妨害されるんじゃないか?」

「その逆だ。公安だろうが警備局だろうが、捜査一課から容疑者を奪っていったら、それこそ刑事部すべてを敵にまわすことになる。刑事案件だけが警察の仕事じゃないが、おれらを怒らせたら、それこそ警察はたちゆかなくなる」

 すごい自信だった。もちろん、それは桐野が口にするから成立することだ。普通の刑事が主張したとしても、それはただのたわ言にしかならない。

 捜一の顔と呼ばれる男の威厳だった。

「どうする? 応援を呼ぶのか?」

「いや、説明が面倒だ。おまえの車を使わせてくれ」

 そして峰岸に言った。

「すまん、峰岸君」

「いいですよ。とってきます」

 峰岸が駐車場へ向かった。

「とりあえず、さっきおれに銃口を向けたな」

 桐野は、現在の時刻を読み上げた。

「銃刀法違反および、公務執行妨害の現行犯で逮捕する」

「銃の携帯は許可されている。それに私も公務員なんだが」

「あんたはおれに、身分証を提示していない」

 WHОの研究員として活動している以上、公安としての身分を明かすことなどできるわけがない。おそらく、警察手帳も所持していないだろう。

 この公務執行妨害は、有効だ。

 ちなみに、世界保健機構の職員は国連職員と同じはずなので、国際公務員ということになる。公務員と名がついていても、国家・地方公務員とはちがって、公務執行妨害罪を行使できる身分ではない。

 カチャ、という音がした。桐野が、新崎に手錠をかけたのだ。

 賢明な判断だった。自分たちだけで連行するのなら、手錠で拘束していたほうがいい。そのための逮捕なのだ。

 五分後、事務所を出た。

 峰岸の運転で、警視庁へ向かった。

 手錠をかけてからは、新崎は無言だった。表情を読むことができないので、あきらめたということなのか、それともいまは静観しているだけなのか、判断はできない。

 出発してから数分、世良は不穏な空気を感じとっていた。

「後ろには、どんな車がついてる?」

「ん? ワゴン車だ。この車みたいな」

 桐野が答えた。

「どうした?」

「つけられてる」

 都内の道路なら、背後に車がいるのは至極普通のことだ。だがエンジン音が自然ではない。この車と同じすぎるのだ。回転数がピッタリと一致する。そうするように意識していなければ、車間距離がつねに一定になることはない。とくに信号待ちから発進するときと、停車するときには、ばらつきがでるものだ。

 つまり後ろの車は、同じ距離をたもって尾行していることになる。

「運転してるのは、白人だ。CIAか?」

 さすがに、その答えはもっていない。

 桐野もそれを悟ったらしく、質問の矛先を新崎に向けた。

「どこの勢力だ?」

「私にもわからんね。この件は、いろいろな国……いろいろな組織が介入している。どこがどう動くのかは未知数だ」

 新崎の言葉は、真理をついているのだろう。

「アメリカの組織なら、いまの時点では尾行だけのはずだ。しかし……」

「しかし、なんだ?」

 新崎の発言は、世良が引き継いだ。

「ロシアなら、確実に襲ってくる──そうだな?」

「ロシアの介入を知っているのか?」

 新崎の声には、驚きがまじっていた。

「すでに襲われてる」

「どうやって生き残った!?」

 その質問には、答えなかった。

「あくまでも最悪の想定だった……あの女!」

 舌打ちのように言葉をもらした。あの女とは、二重スパイのことだろう。

「私たちは殺される」

「そんなことはさせない!」

 桐野が反論した。

「もう最後になるから、教えてやる。あの女のコードネームは、《サン》」

 これまで二重スパイの女は、名前らしきものは語っていなかった。

「あくまでも私たちに名乗ったものなので、ほかではべつのコードなのかもしれない」

「で、その《サン》は、結局なにがしたいんだ?」

 桐野がさきをうながした。

「そんなことは、どうでもいいんだ……いいか、これだけは覚えておけ」

 これまでよりは乱暴な言葉づかいになっていた。

「《サン》は、数字を意味する。日本語と同じ『三』だ」

 そのとき、車が左折した。

「峰岸君、なぜ曲がった?」

 表現は難しいが、世良には不自然な運転に思えたのだ。

「だって……工事してましたから」

「直進はできなかった。道路工事だ」

 桐野も、峰岸の言葉に補足した。

 それからすぐに、また左折した。

「また工事だ」

 不安がよぎる。日本の道路に工事はつきものだが、この状況では疑ってかかるべきだろう。

「誘導されてるのかもしれない」

「なんだって?」

「どこに向かってる?」

「一応、警視庁に向かってるつもりですけど……」

 今度は、右折した。

「工事が多すぎますね……」

 運転している峰岸も、そのことが不審に思えてきたようだ。

「どうする? 無視してべつの方向に行くか? それとも停まるか?」

「どうしたって、われわれは助からない!」

 世良が判断するまえに、新崎が嘆いた。すでに未来をあきらめている。

「このまま行こう」

 世良は決断した。

「罠かもしれないんだろ?」

「やつらがSVRの手配した人間なら、この国で荒事をすることも恐れない。だったら、やつらのやりやすい場所のほうが、ほかに被害はないだろう」

 世良は言った。だが、新崎のように絶望しているわけではない。

「あれは、SVRじゃない……FSBのほうだ」

「FSB──ロシア連邦保安庁は、国内の機関だったはずだ」

 新崎の言葉に、世良は異を唱えた。

「SVRのほうがマシだ。FSBは、傭兵部隊を飼ってるのさ」

「傭兵……軍事会社の?」

「そうだ。噂ぐらいは聞いたことがあるだろう」

 大統領の意向で動く軍事会社があるという。これまでの紛争で、かなりの残虐行為をしているという。最悪の評判だ。

「どうするんですか? このまま行っちゃいますよ?」

「そうしてくれ」

 ロシアのどこであろうと、危機が迫っているのは同じだ。

 これまでよりも、しっかりとアクセルが踏み込まれた。

「もしこの男の言うとおりなら、これまでの工事現場もフェイクってことだよな? そのFSBとやらが巨大な組織だったとしても、この東京でそんな人員が用意できるのか?」

 いまのなかには、本当の工事もふくまれているかもしれない。が、やつらはそれすら利用して自分たちを誘導している。

「ロシアだけではムリだ」

「ほかの国の諜報部も関与しているということか?」

 世良は、うなずいた。

「それに、外国勢だけじゃない」

「これにも、公安が? だが、この新崎さんも公安の人間なんだろ? 仲間を危険にさらすのか?」

 新崎さん──という部分に皮肉めいた響きがあった。

「公安のなかも、ごちゃごちゃになっている……そうですよね?」

 新崎に同意を求めたが、声としての返事はなかった。表情で答えたのだろうか。

「ここも曲がりますよ」

 そう言い終わるまえに左折していた。

「王海さん……なんかそれらしい建設現場があります」

「行き止まり?」

「いえ、細い路地は続いています。停まりますか?」

 車のスピードが歩く速度ほどに落ちた。

「工事はしている?」

「してませんね。しかも、入り口があいてます」

 まるで、そこに入れといわんばかりだ。

「どうしますか?」

「そこに入って」

 考える時間は、一秒もなかった。

「おい、正気か!?」

 新崎が声を荒げて抗議した。

「自殺行為だ! 道にもどれ!」

 しかし車は右折して、すぐに速度がなくなった。

「だが、どうする? 相手が殺す気なら、こっちにも武器がいる。さっき押収した拳銃と、おれが持っていた警棒しかない」

「もう一つある」

 世良は、それまで隠し持っていた拳銃を取り出していた。

「それは?」

「ちょっとな」

《かかし》から借りているものだ。新崎とのやりとりでも温存していた。これは、最後の奥の手だ。

 全員が車から降りた。桐野の先導で、建設現場に入った。桐野と峰岸の話から想像すると、病院か学校のような建物だと思われる。

 足場が組まれていて、完成まではまだかなりの月日がかかるだろうということだった。二階までは上ることもできそうだが、三階は骨組みの状態だという。

「隠れる場所をさがす」

「峰岸君と新崎さんは奥に」

「世良?」

「おれは隠れない」

 最初からそのつもりだ。だからこそ、この罠にのった。

「おい!」

「決着をつける」

 桐野が、ため息を吐いた。

「私に銃を返せ!」

「悪いが、おれが使わせてもらう」

 新崎の願い出を桐野が拒絶した。

「二人は隠れて。もしすきがあれば、逃げ出してかまわない」

「くそ!」

 新崎の走り出す音がした。

「峰岸君も」

「二階に行ってます。無茶しないでくださいね、王海さん!」

「ああ」

 峰岸も隠れるために移動をはじめた。

「おまえも姿を隠してくれ」

 桐野に言った。

「一人だけで、どうやって対処するつもりだ?」

「必要なときにバックアップしてくれるだけでいい」

 できれば、その必要がないことを願う。

「大丈夫なのか?」

「もう陽は沈むころだろう?」

「そうだな……」

 太陽の熱は感じないから、この内部に陽はさしていない。

「正確には、六時十八分だ。外はまだ明るいが、このなかは暗い。まさか……そこをつくつもりか?」

 この時刻では、まだ敵も暗闇対策の装備は用意していないだろう。

「これからおれは、リミッターをはずす」

「……おまえが本気になるというのか?」

 桐野の言葉には、畏怖がこもっていた。

 ただ逃げるだけなら、方法はいくらでもあった。桐野や新崎はまだしも、峰岸まで危険にさらすことはなかった。しかし、世良に負けるつもりはない。

 宣言しよう。

 だれも死ぬことなく、事態を収拾する。

「来る」

 こちらを追いつめたと信じている敵が、この地に足を踏み入れた。

 五人。

 自動式拳銃のスライドがひかれた。三人が拳銃。おそらく一人が重火器を所持している。ベルトで肩から吊っているようだが、ストラップが銃身にカチャカチャと当たっている。

 もう一人は、見張りとして待機するようだ。前進する足音が一つたりない。

 桐野は、すでに身を隠している。世良の右斜め後方5メートルの位置だ。すくなくとも、そこにはなんらかの物資が積まれていることになる。

 世良は、《かかし》から預かったままの拳銃を地面に向けて発砲した。

 鼓膜を痛めつけるような轟音が、空間を満たした。

 それでダメになるような、やわな耳はしていない。

 音は広がり、さまざまなものに反響する。

 強風が世良の脳内に風景を浮かび上がらせるのと、同じ原理だ。

 ここは、世良のフィールドに変わった。

「!」

 突然の発砲に驚いたであろう刺客たちは、歩みを止めている。世良は動いた。この一階には、資材が置かれているのが三箇所。

 桐野が隠れている場所と、入り口を正面に見て、左の壁側。後方中央にも積まれている。上への階段は、そのすぐ右隣のはずだ。

 空間のちょうど中央部天井は空いていて、小型の簡易エレベーターのようなものが設置されているはずだ。

 刺客たちが、前進を再開した。

 世良は入口わきの資材に身をひそめた。

 敵が入ってくる。やはり、視界は暗いようだ。すり足のように慎重だ。

 一人、二人が通過し、三人……。

 最後の四人目が通過した直後、世良は側面から忍び寄り、右腕を振って後頭部を打撃した。

 足音からおおよその身長をさぐりだし、ロシア人と仮定して民族的特徴を加味して高めに想定した。

 拳は握らず、掌底を当てた。

 手ごたえが、予測の正しさを告げていた。

 敵が崩れた。不意の一撃をくらえば、たとえ屈強な大男でもこうなる。

 世良は止まらない。

 仲間の倒れた音を聞きつけた1メートル前にいた敵が、振り返った。靴底が摩擦したのでまちがいない。

 もう一撃、顎を狙った。

「う!」

 倒すまでにはいたらない。身体を密着させ、投げ飛ばした。警官時代は、全国警察柔道選手権大会の警視庁代表になったこともある。

 コンクリートに背中を打ちつけて、敵は呼吸もできなくなった。とどめに、頭を地面に激突させた。死ぬことはないだろう。

 すぐに起き上がって、三人目に対処する。

 さすがに敵も襲撃を理解した。ここからは簡単にはいかない。

「KTО ОH!?」

 ロシア語の響きが飛び交った。

 世良は、最初にいた物資に隠れた。もう暗闇にも眼が慣れたころだろう。

 そのとき、銃声が轟いた。敵ではない。桐野が援護してくれたのだ。

 侵入者たちは、いまの銃声で混乱している。桐野が隠れている方向に応射した。

 銃声が八発連続した。

 桐野が隠れている障害物の材質まではわからないが、おそらく大丈夫だろう。すべて拳銃からの発砲だったからだ。

 倒した二人は拳銃を所持していたはずなので、重火器をたずさえた一人はまだ残っている。なんとしても発砲されるまえに倒したい。

 世良は、拳銃を撃った人物の背後にまわりこんでいた。あれだけ音をたてれば、捕捉は容易だ。

 桐野のいる方向ばかりに気をとられているから、最初の敵と同様の方法で、意識を奪った。

 気配がこちらに向いたのは、その瞬間だった。重火器の敵は、耳をすましてこちらの動向を予測していたのだ。

 暗闇でも、世良の姿はとらえられている。

 迷っている場合ではなかった。

 一旦はしまっていた拳銃を抜くと、引き金に指をかけた。

「これは、カシだ」

「!」

 よく知っている声に、世良は戦慄した。

 声と同時に、重火器の刺客は倒れている。瞬間的に意識を飛ばされたのだ。

 この場に入り込んでいたというのに、存在をまったく察知できなかった。そんなことのできる人物は、一人しかいない。

「おれがいなければ、おまえは死んでいた。いや、おまえのほうが速かったかもしれん……その場合、救ったのは神様ってことになる」

「……」

 世良がさきに撃つことができたとすれば、それはただ運がよかっただけだ──という意味を込めているらしい。

「どうする? おれに感謝するか? それとも神様か?」

「おまえに感謝などしない」

 世良は、強気に言い放った。

「まあ、それもいい」

「どうして、ここがわかった?」

「いろいろとな。おっと、そこに隠れてるやつ、動くな」

 桐野を牽制したのだ。

「たぶん、あの刑事だな?」

 桐野から返事はなかった。

狸穴まみあなのことは知っていた。だから、動きを注視していたのさ」

 その男──《U》は、話を進めた。

「ロシア大使館に、こいつらがいたとは思えない」

 世良は反論した。新崎の発言をそのままうけとめれば、彼らはFSBと関係の深い軍事会社の人間だ。もっと俗的に呼べば、傭兵ということになる。

 大使館にFSBやSVRの人間がいたとしても、傭兵をおくことはしないだろう。とくに、これからなにかをしようという人間との接触しないはずだ。どこかのホテルに部屋をとり、そこで囲う。セーフハウスも使わないだろう。

「そういう人間の集まる場所を知っていたんでな」

《U》は、そう説明した。腑に落ちない。ほかに協力者がいなければ、やつにその動きがわかるとも思えない。それこそ、諜報畑の人間が。

 しかし、すでに《店員》のいないいま、そんな役目の仲間がいるだろうか?

「……どこへ行く?」

 やつの気配が、陽炎のように薄くなっていく。

「安心しろ。表のもう一人も、始末した」

「殺したのか?」

「運が悪ければ」

 さらに薄く……。

「まて!」

 世良は呼び止めた。

「おまえはこれから、どう動く?」

「おれのやるべきことを」

「それはなんだ?」

「おまえのやるべきことの、真逆だろうな」

「どういう意味だ?」

「それは知らないほうがいい」

 消えた。おそらくここが明るい外で、眼が見えていたとしても、やつの姿はわからない。

 世良がリミッターをはずしたのと同じように、やつもまた、本気を出している。

 ここで《U》とやりあえば……。

 恐ろしい想像だった。

「もう行ったのか?」

 桐野が出てきたようだ。

「王海さん」

 峰岸も上の階から様子を見に来たらしい。

「ああ、もう大丈夫だ」


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