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28 ルグリア大橋の攻防


 ルグリア城の中を走り抜け、街の外へと出る。

 正面の平野、そしてその奥。大橋に聳える大門は人族、そして魔人族の兵士達でごった返していた。


「補給を怠るなよ!!! 魔族であろうが、今は味方!! けして優先順位をつけるでないぞ!!!」


 サテラの部下――声と体の大きいダリウス が声を上げ、指示を出しているのが聞こえる。

 そして、さらにその奥。大橋の向こう側……俺の視力が、うごめく黒い影たちを捉えた。


「魔神の影……なんだ、あの数……!?」


 武装した黒装束たちを背後に従え、魔神の影が不気味に揺らめいている。

 とんでもない数だ。しかも、アレが俺たちの知っているそれと同じなのであれば、霧散させたとしても即座に補充される。


「おぉ! サテラ殿!」


「ダリウス殿。遅れました。状況を。手短にお願いします」


「はっ! 敵は魔神教と推定される所属不明の軍。数は1200! これは先遣隊かと思われます! そのほかに、例の影が数百! こちらはハッキリと数を確認できておりませぬ! 今は大橋の対岸、大門にて食い止めております! 担当は我が軍の第一軍!」


「適任ですね。いい采配です。……レイジ殿」


「はい」


「あの影。あなた方なら何とかできますか?」


「……それが、あの影の相手は、俺とアリスではできないんです。魔力の相性が悪くて……」


 魔力を込めた攻撃でなければ通用せず、俺とアリスの魔力は奴らに吸収されてしまう。

 故に、あの影達の相手が出来るのは……、


「その役目は僕に。……数百だろうと数千だろうと、必ずなんとかしてみせる」


「アレックス。頼む」


 アレックスだけだ。


「任されよう」


「……では、影の相手はアレックス様に。その他、一般兵である黒装束たち。数が1200。我々の扱える兵が、魔族軍を含め600ほど。約2倍の兵力差ですが、防衛に徹すればこの程度の数の不利はなんとかなるでしょう。幸い、大橋はそれほどの大軍が通れるほどの幅はありませんし、防衛戦は我々の得手とするところです。……なので、レイジ殿達には」


「あの中にいるであろう、ガザルドのコピー……その確保ですね」


「ええ。お願いできますか?」


「任せてください。俺とアリス、そしてガーネットでなんとかやってみます」


「お願いいたします。――聞きましたね! これより我らは大橋の防衛に専念します! 戦略目的は、敵を一歩も背後に通さぬこと! ヘイムガルド軍の意地を見せなさい!」


 ――おおォ! と声が上がる。軍を指揮するサテラの声には、なにがしかの魔力が篭っているのだろう。その声を聞いていると、心の底から、何かが上ってくるような高揚感を感じる。


『レイジ』


「ん」


『たぶん、ガザルドのコピーは、殺すと、その中に飼ってる魔神が外に出てくる。そうなれば』


「ああ。あの時の二の舞だな。……殺さずに確保。やってみせる」


『ん。わたしも手伝うよ』


 そういって、アリスが俺の影から這い出てきた。


「さんきゅ。……よし、ガーネットも、行こう!」


「イエス、マスター。久々の私の活躍。その目にしかと刻んでくださいまし」


「アレックス! 影は頼んだ!」


「ああ、任せて!」


 言って、俺たちは再び駆け出した。人でごった返す戦場に向かって。



――――――


 

 それからしばらく、俺たちは魔族と人族、そして黒装束と魔神の影が入り乱れる混沌の戦場に居た。

 以前会敵した時から分かってはいたが、黒装束達の戦闘能力自体は、それほど高くはない。

 だが……


「アリス! ガーネット! 居たか!?」


 短剣を手に踊りかかってくる黒装束を地面に投げ倒しながら声を上げる。

 腕を取られ、地面に頭から叩きつけられた黒装束が昏倒し、体から力が抜けたのを確認して、そのフードを取り去る。

 ……違う。ガザルドではない。


「いいえ、マスター。未だ発見できておりません」


 手近な黒装束を銃床で殴りつけ昏倒させ、やはりフードを取り去って確認しながらガーネットが答える。

 アリスからもふるふると首を横に振るジェスチャーが返ってきた。


 ……幾人の黒装束を無力化しただろうか。


 初めの頃は数を数えていたが、それももうやめていた。

 そして、その中に未だガザルドコピーの姿は発見できていない。


 遠目に黄金の光が輝いて、黒い影が何十匹も一緒くたにして霧散するのを見る。


 ……アレックスはまだまだ余裕そうだ。


「くそ……軍の人たちもなるべく殺さないように無力化してくれてはいるけど……っ!」


 お次は黒い直刀を持った黒装束がそれを振りかぶりながら俺の背後から迫る。

 振り返らずに後ろ蹴りをその鳩尾に叩き込んで、悶絶している首筋に当て身を入れて気絶させた。……こいつも違う。


「わたしたちはこんな奴らがいくら来ても何ともならないけど、普通の兵達は殺さずに無力化は難しいかも。そこまでの力量差はないし、なにより……」


 アリスが俺と同じように一瞥すらせず黒装束を無力化しながら、主戦場である大橋を見た。

 怒号が上がり、剣戟が響き渡っている。

 血飛沫が舞い、今も少なくない人が怪我をし、そして死んでゆく。

 天に昇る魂の輝きで、否応なしに俺はそれを理解する。


「あぁ……俺たちみたいに無傷ってわけにはいかないしな……。くそ……」


 時間が過ぎれば過ぎるほど、被害は大きく、取り返しのつかないものになってゆく。

 そして、即ちそれは黒装束達の目的にほんの少しでも近づいてゆくのと同義だ。


 奴らの目的は魔族の殲滅。はなから手当たり次第殺す気で来ている向こうと違って、俺たちには奴らの殺害に対して制約がある。


 ……ジリ貧だ。


「魔神の影達が居る以上、それを操るガザルドコピーがいるのは間違いない。それもあの影の数だ。一人や二人って事はないんだろう」


「……マスター、或いは」


「多分同じことを考えてるよ、ガーネット。……奴はこの戦場に居ない。ある程度離れたところにいる可能性が高い」


 それ以外、考えられない。

 で、あれば……。


「ん。探しに行こう、レイジ」


「イエス、マスター。お供いたします」


 そのためにはまず、周囲を囲む黒装束たちを突破しなければならない。

 味方が俺たちに鎧袖一触されている間にも、奴らは俺たちを恐れることなくその包囲を狭めてきている。

 ことさら包囲の厚い場所。俺たちから見て北の方角。そちらには鬱蒼とした林がある。

 ガザルドがいるのなら、そこだろうとアタリをつけて魔力を通して地面を蹴る。


「正面突破だ! 行くぞ、二人とも!」


 動いた瞬間、黒装束たちが身構える。が、遅すぎる。

 走る俺の脇を弾丸が抜けていく。真っ直ぐに俺の正面の黒装束の肩に突き刺さり、たたらを踏んだ黒装束を蹴り飛ばした。

 振るわれる凶刃を紙一重で躱していく。軌道は読める。黒刃は見える。それならば、躱すことなど造作もない。


「――っふ……!」


 息を吐きながら、大きく体を捻る。

 勢いをつけた回し蹴りが、黒装束の集団を数人まとめて吹き飛ばす。


 俺の頭上を飛び越えてアリスが群れの中に降り立つ。

 くるり、とドレスの裾が翻り、何をされたのか理解すら及ばぬまま周囲の黒装束たちが崩れ落ちた。

 アリスは回転しながらものすごい速度で当身を当てただけだ。俺の目ですら追うのでやっと。軽く人体の急所に触れただけに見えるその攻撃も、綿密な魔力操作が行われている。

 必要最低限の衝撃で意識だけを飛ばす必殺の一撃。武器すら必要とせず、コンマ数秒のその動作だけで黒装束達が次々と無力化されてゆく。


 ガーネットが銃床で頭部を殴りつけ、俺が蹴りや拳で無理やり意識を刈り取っていくのとは対極。

 めちゃめちゃスマートに敵を打倒していくアリスに舌を巻く。


「どうやってるんだ、あれ。今度教えてもらおう……」


「ん、教えてもいいけどモノになるまでに数百人殺すことになるけど大丈夫?」


 遠くからアリスの声が届く。

 ……聞こえてたのか。


「なんか、こう、魔物とかで練習できないのか」


「んー……人間と魔物じゃ急所の位置が違うから……どうかな。できるかも?」


「じゃあそれ、でっ! と!」


 振るわれる短剣を腕ごと絡めとって投げ飛ばす。

 勢いよく放られた人体を受け止めることかなわず、一つの集団が将棋倒しのように倒れた。


 包囲に穴が開く。

 

「『装填ローディング』。――マスター。殿は私が。今のうちに抜けてください」


「任せる! それなりでいいからな! 無理するなよ!」


「承りました。それなりに時間を稼いだら、アレックス様達に合流いたします」


「頼んだ!」


 振り返り両手にハンドガンを構え、腕を交差させるスタイルをとるガーネットの脇を走り抜ける。

 アレックスやアリスの前ではどうしても霞んでしまうが、彼女もかなり強い。

 おそらくだが、セシリアやレイリィ辺りとはいい勝負をするのではないだろうか。

 つまり、あの黒装束達が何人束になろうが、ガーネットの相手にはならない。

 安心して彼女に後を任せられる。


「ここから先は通しません。マスターの命令オーダーは絶対。無理に通るというのなら腕の一本や二本はお覚悟を」


 静かに告げるガーネットの声を背後に、俺とアリスは林に入っていく。

 『遠見』を放って周囲を探る。

 魔物が何匹か。普通の獣が群れで動いているが、関係ない。……――居た。数人の人間が固まって動いている。全て同一の魔力反応(・・・・・・・・・)。間違いない。ガザルドだ。


「いた! アリス! ここから1キロ先! 方角は北西!」


「ん。私も見つけた。跳ぶよ、レイジ」


「ああ!」


 答えると同時。俺とアリスが地面にクレーターを残し、魔力を爆発させる。

 木々の天井を抜けて空に躍り出た。


 "空"を蹴って、方向を定め、再び魔力を込めた跳躍で、一気に目的地に文字通り跳んで行く。

 何かの気配を察知したのか、俺たちの視線の先、黒いフードで顔を覆った人間たちが、こちらを見上げた。


「――!」


 何事かを叫び、魔法を発動する気配。


「させるか!」


 空中で身を捻り、拾っておいた石を投擲する。

 石は、真っ直ぐに魔法を使おうとしていた人影に飛んで行き、その肩を砕いた。

 

 衝撃でもんどりうって倒れる黒装束の脇に、轟音を立てて着地する。

 即座に振り返り、やはり魔法を詠唱していた男の顎に掌底を当てる。昏倒。――これで二人。


「おま、えらっ!」


 人の神経を逆なでするようなねばつく声色。

 間違いない、ガザルドだ。周囲の人間は8人。昏倒した人間を除けば6人。――いや、アリスが瞬く間に3人昏倒させた。残り3人。


「くそ、お前ら、なんで魔族に味方なんてしやがるっ!? あァ!? てめぇらにこの国の事情は関係ねェはずだろ!」


「残念だけどな」


 一人昏倒させ、振り返る。

 接敵から10秒。残りは声を上げたガザルドのみだ。


「――ミリィは俺の大切な仲間だ。その仲間が守るべきと決めた国を滅茶苦茶にされるのは……癇に障るんだ」


「癇に障る……だと……!!」


「ああ。それに……お前がテニアやアリスにしたこと、忘れたとは言わせないぞ」


 踏み込む。

 ガザルドは反応すら出来ない。

 その鳩尾に優しく(・・・)拳を当ててその意識を刈り取った。

 『遠見』を放つ。……これで全てか? この場に来ていたガザルドは8人……?


「レイジ。こいつらは私が魔法で縛っておくね。船で黒装束が使った自爆技、こいつが使えないとも限らない」


「ん、頼む」


「ん、ご褒美はちゅーで」


「……ガーネットみたいなこと言わないで?」


「『影よ、戒める鎖、縛する影』――『影鎖シャドウチェーン』」


 俺の突っ込みを無視して詠唱を完成させるアリス。

 アリスの足元の影から幾本もの影の鎖が現れ、昏倒しているガザルド達の手足、そして口元をきつく縛り上げて雁字搦めにした。……痛そうだ。


「……ひとまずこれで、影はどうにかなったか? 様子見に行ってみよう」


「ん。了解」


 そうして俺たちは鎖を引き、ガザルドをずりずりと地面に引きずりながら林を後にした。



――――――



 ルグリア城、奥の院。

 王族……ファランティスの血族。それも女性しか入ることのできない城の奥の奥にあるその空間。

 

……1年前までは、ここが私の居場所だった。


 お城の中を自由に歩き回ることは出来たけど、お城から外に出たことは、あまりない。

 それを退屈だとか、つまらないと思ったことはない。お城には、私にとてもよくしてくれる人たちがたくさんいたし、お父様も、お母様もいた。


 だから、久々に戻ってきたこの場所が、こんなに寒々しい場所だったことに驚いた。

 ううん……ちがう。きっと、この場所を見る、私の見る目のほうが変わったんだ。


「それでは、ミリアルド様! 私は入り口の警護に当たらせていただきます!」


「ん、ご苦労様なの。……えぇっと……」


 ……初めて見る兵士の人だった。

 名前が、わからない。

 兵士の人は、困ったように笑って首を振る。


「私の名前など憶えていただかなくても結構でございます」


「ううん。お名前、教えてほしいの」


「……それでは……イズンと申します。このような名乗りで、申し訳ございません」


 兵士の人……イズンさんが何を謝っているのか、よくわからなかったけど、ううん、と私は首を振る。


「ありがとうなの、イズンさん」


「……もったいなきお言葉に御座います。……それでは! 失礼いたします!」


 そういって笑みを浮かべると、正式な礼をして、イズンさんは去っていった。

 ふぅ、と息をついて、椅子に座る。

 ……いつもお母様が本を読んでくれていた長椅子。

 今、隣にお母様はいない。お父様も、お兄ちゃんもいない。いるのは……。


「……」


 居心地が悪そうにもじもじと足をこすり合わせるテニアちゃんだけだ。


「あのさ、ミリィ」


「なあに? テニアちゃん」


「さっきの……話、なんだけどさ」


 さっきの話。……というと、爺やがお兄ちゃんに話していたことだろう。

 ……ミリアルドが、テニアちゃんのコピーで、人工的に作られた命だという話だ。


「……その、なんて言ったらいいか……」


「?」


 どうしてそんなに申し訳なさそうな顔をするのだろう。


「……ごめん」


 そうして、しばらくもじもじとしていたテニアちゃんが、がばっと頭を下げた。

 ……こまる。なんで私は謝られているのか。


「……どうして謝るの??」


「どうしてって……その……なんていうか、あたしが生まれたせい? で、ミリィが変なことに巻き込まれたっていうか……ん? いや、あたしがいなければミリィはそもそも生まれてない?」


「???」


 なおのことわからない。

 テニアちゃんがいなかったら私が生まれていないのなら、私がテニアちゃんに感謝することこそあれ、謝られるようなことは何もない。


 ……むしろ、私がテニアちゃんに謝らなければならないのではないだろうか。

 きっと、私がいまいる立場。過去に父や母から受けた愛情。お城の人たちからもらったたくさんのもの。それは本来テニアちゃんに向けられるものだったのではないだろうか。

 ……だとするなら、私は、テニアちゃんが本来持つべきものを横から奪った泥棒だ。


「……ううん。ミリィのほうこそ、ごめんなさいなの」


「……え? いや、なんで??」


「……だって、ミリィがいなければ――」


「いや、ちょっとまった! いやいや、それは違――」


 言いかけて、テニアちゃんは言葉を詰まらせた。

 私も、同じように体をこわばらせる。


 ……悲鳴が聞こえた。


 部屋の外。廊下の向こう側。


「……ミリィ」


「うん」


 ……さっきの兵士さん。イズンさんの声だった。

 ずるずると、何かを引きずるような嫌な音が、扉のすぐ向こう側、廊下から聞こえる。

 そして、しばらくの後、扉が開かれた。


「――ガザルド様」


 テニアちゃんの声が震える。

 扉を開けて現れたのは、数人の黒いフードを被った人を背後に連れたガザルド――私の叔父だという人だった。


「ク。護衛もなしか、おい? ハハ。数人()をおとりにして正解だったな」


「……」


 ガザルドの背後の黒装束達が武器を抜く。

 剣、手斧、短剣。……黒い刃が輝く。


 私は立ち上がる。


「み、ミリィ……?」


「ハ。おとなしくついてくりゃ、手荒な真似はしねぇよ。そっちのフェステニアにもな」


 何が面白いのか、口の端をゆがめて笑うガザルド。


「一つ、聞かせてほしいの」


「ァん?」


「……どうして、魔王になりたいの」


「――それが俺の正当な権利だからだ。兄は……ルドガーは出来損ないだった。魔法も、剣も、俺のほうがよっぽど出来た。……なのに、俺より少し早く生まれた。たったそれだけであいつが魔王に選ばれやがった。それに、あいつは妾の子だ。正妻の子である俺が魔王になるのは当然だろ? 俺は当たり前の権利を当たり前に行使しようとしてるだけだぜ」


「……ううん、そうじゃない。魔王になって、どうするの?」


「……どうもしやしねぇ。どうする必要もねぇ。俺が、魔王だ。ただそれだけだ。間違ってるものを正すんだよ」


「……そう。じゃあ……貴方を魔王には出来ないなの。ううん。どんな理由でも、貴方は魔王にはなれない。……そんなものは、魔王じゃない」


 お父様は言っていた。

 王たるもの、誰よりも傷つき、けれど誰をも傷つけてはならないのだと。


 今ならわかる。きっとお父様には……『ヘイワ』の意味が分かっていたんだ。

 

 だって、お父様の背中は……私の大好きなあの人に、そっくりだったから。


「――ガキが、黙って聞いてりゃ、調子に乗りやがって……模造品の分際で――」


「私は確かに、造られた命なのかもしれない。でも、それはお父様が、お母様が……魔王であれと、私に願った結果。――それに、私に向けられたお父様やお母様の愛情は、絶対につくられたものじゃない。本物だった。だから……」


 盾を構える。

 私だって、この一年、漫然とお兄ちゃんたちと旅をしてきたわけじゃない。

 今は、まだ護られるだけの私だけど……私は。


「……貴方にはついていかない。貴方を魔王にもさせない。……私が、魔王になる。そして、この国を『ヘイワ』にする」


 私もいつか。お兄ちゃんみたいに、誰かを護れる私になる。


 だから、私は魔王になろう。


 いつか、『ヘイワ』な世界で、お兄ちゃんやお姉ちゃんと……大切な人をきっと護れる魔王になろう。


「――やれ。生きてればそれでいい。四肢ぶった切ったって問題ねぇ」


 ガザルドが、背後の黒装束に命令する。

 武器を構え、10人の黒装束達が私に躍りかかった。

申し訳ありません、少し遅れてしまいました。

本日はここまでになります。


次回も明日の21時更新になります。



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