第12話 神子の合流
魔理沙は人里に着いた。
日が昇ってからそんなに時間は経っておらず、家の周り外を歩いてる人もまだ少なかった。
魔理沙は人里の歩いてみたが、異常は見当たらなかった。
「特に、何もないようだな。とりあえず、霊夢のところに戻るかぁ」
魔理沙がそう言って後ろを向くと、目の前にはある人物がいた。
それは豊聡耳神子であった。
「こんな朝早くに人里にいるとは珍しいですね」
「うわ! びっくりするなぁ。いきなり背後に立つなよぉ〜。それより、 なんで神子がここにいるんだ?」
「人里の様子を見に来たんですよ。その様子だと、あなたもしょう。」
「まあ、そんな感じだけど……特に人里には異常はなかったぜ。」
「人里にはですね。」
「ん?」
「今何が起こっているかぐらい、あなたの心を読めばわかります。話したいことがあるので、一緒に来てください。」
神子はそう言うと、魔理沙の身体に手を触れた。
魔理沙の目の前には人里ではなく神霊廟があった。
神子の能力で瞬間移動したのだろう。
「じゃあ、魔理沙さん、こちらへ」
「へいへい」
魔理沙はとりあえずは神子の言う通りにすることにした。
神霊廟は全体的に中華風で華やかでかなりの広さがある。場所としては、幻想郷とは違うところにあるそうだ。
ある部屋に案内され、魔理沙はテーブルの周りの椅子に座った。
「それで、話はなんなんだ?」
「その話は皆が集まってからの方が良いでしょう。私は霊夢さんたちを呼んできますから、しばらく待っていてください。」
そう言うと、神子は魔理沙の目の前から消えた。
魔理沙は部屋に一人残された。
その頃、博麗神社では、霊夢は考え事をしながら神社の前で掃き掃除をしていた。
魔理沙が人里に向かった後、霊夢は狼から人の姿になった二人に、簡単にこの世界のことを話し、この神社の中で大人しくしてもらうようにと頼んだ。
そして、人間に戻った二人を霊夢は詳しく見た。二人はたしかに見た目は人間に戻っているが、妖怪であるようだった。霊夢は、二人が狼から人の姿になったときは、丁度日が昇ったときだったので、月は関係なく、夜に狼の姿になるのではないかと思った。
「はぁ、どうしようかなぁ。二人は多分また狼になるだろうし、外の世界には帰せないのね……」
箒を適当にふりながらそう考えていると、目の前にいきなり神子があらわれた。
「おはようございます。朝はやくから掃除とは感心ですね。」
「うわっ! いきなり目の前にあらわれないでよ」
「これは失礼しました、とりあえず、霊夢さんと神社の中にいる二人に神霊廟に来てもらいたいのです。」
「ええとね、あの二人は私が神社で見ておかないといけないから……て、なんで中に二人いるなんてわかるの?」
「魔理沙さんに会いましたから。魔理沙さんも既に神霊廟で待っています。その二人は神霊廟で面倒を見ましょう。これ以上増えるのは貴方としても良くないでしょう」
「……わかったわ」
霊夢はそう言うと、神社の中にいる二人に説明し、霊夢たちは神子に連れられ神霊廟に移動した。
神子は弟子に連れてきた二人を部屋に案内させ、霊夢を連れて魔理沙の待つ部屋は歩いて行った。
神子と霊夢が部屋に入ると、魔理沙は部屋の端にある引き出しを漁っていた。
「あっ……じゃあ、早速話を聞かせてくれよ」
「この部屋にはなにもありませんよ」
神子は特に気にすることもなく、霊夢と魔理沙とともにテーブルの周りの椅子に座った。
「貴方たちを呼んだのは、あの狼男みたいな者のことについてです。夜明けにですね、布都が人里からはかなり離れたところを散歩していたときに、人間が歩いてるのを見かけたんです。そんな場所にいる時点でおかしいのですが、服装含めて色々おかしいとのことで布都がその人を神霊廟に連れてきたんです」
「もしかして、そいつもあの二人と同じなのか?」
「はい。そして、わたしはその人の心をみました。どうやら、その夜に狼になったようで、その夜も狼になるまでは外の世界にいたようです」
「あの二人と同じね」
「これは異常事態です。私の考えではこの人たちは外の世界で何者かに妖怪にされています。その者が幻想郷に入ってきたとしたらどうなるか」
「幻想郷での妖怪と人のバランスが崩れ、幻想郷が維持できなくなる」
「そう、私達はこの原因を突き止める必要があるんです。そして、わざわざ貴方達をここに呼んだのは、妖怪に知られないようにするためです。人を妖怪化できる者がいるとなれば、その者を向かいいれ、妖怪どもが一気に暴れ出す可能性があります。ですから、このことは他言無用でお願いします」
「わかったぜ」
「それにあたって、一つ聞いておきたいことがあります。ここ2,3日の間で何か変わったことはありませんでしたか? 結界が歪んだとか、外の世界から妖怪か人が来たとか……」
「あるわ。昨日の明け方に魔法使いが幻想郷にやって来たわ。名前はメアリーって言うんだけど……」
霊夢はメアリーのことを神子に説明した。
「なるほど、昨日にそんなことが……メアリーさんに記憶がないと言うのもかなり気になります。では、メアリーさんをここに呼んでもらえませんか? 紅魔館にいるのでは、私が行っても警戒されるでしょうし」
霊夢と魔理沙は承諾した。
「じゃあ、一旦話が終わったところで、何か朝食を用意してくれないか? 私達、昨日から動き回ってるうえに、まだ朝ご飯食べてないんだよぉ」
「ああ、それでしたら貴方達の分も作らせてますので安心してください」
「やったぜ」
出てきた朝食は質素なものではあったが美味しく、霊夢と魔理沙は味わって食べた後、神子に紅魔館の近くまで連れていってもらった。




