第11話 現代の狼男②
魔理沙は狼を箒の後ろに乗せ、博麗神社を目指し暗闇の中を飛んで行った。狼は狭い場所から落ちないようにしがみついていた。
しばらくして、魔理沙と狼は博麗神社へ到着した。あたりはまだ真っ暗であったが、何故か神社の奥の部屋には明かりが灯っていた。魔理沙は霊夢がこんな時間まで起きてるのか不思議に思いながらも、部屋へ歩み寄った。すると、中から話し声が聞こえた。しかし、霊夢の声しか聞こえてこなかった。
「霊夢!起きてるんだな、ちょっとお邪魔するよ。」
「魔理沙!?」
魔理沙が襖を開けると、部屋には魔理沙を見て驚いた顔をしている霊夢と狼1頭が座っていた。
「なんでお前んとこに狼なんているんだ?」
「ちょっとややこしい事情があるのよ。」
「ええと、もしかしてだけど、その狼は人間だったりするか?」
「えっ、なんであんたにわかるのよ。」
「いや、私もその件でね。」
魔理沙はそう言うと後ろの狼を連れて部屋に入った。魔理沙は霊夢にことの経緯を話した。どうやら、霊夢も同じようであった。霊夢の場合は神社の近くの森でその狼を見つけたらしい。
「じゃあ、とりあえず狼達…この人達にはここにいてもらおう。魔理沙もしばらくはここにいてちょうだい。」
「はぁ、なんで厄介な事って、こう、立て続けに起こるんだよぉ。」
魔理沙は霊夢と狼2匹とともに神社にいることになった。
魔理沙は霊夢にならどうにかできるのではと思い、霊夢に尋ねてみた。
「霊夢、狼を人間に戻したりできないのか?」
「それがね、人間が姿を変えられてるわけではないみたいなの。」
「どういうことだ?」
霊夢は少し困ったような表情をして答えた。
「この狼は、人間ではなく妖怪なのよ。すでに人間
じゃないの。本人は人間だと言ってるけれど今はもう人間じゃない。妖怪が自分は人間であると言ってるのと同じようなことなの。」
「じゃあ、人間が妖怪にされたってことか?もし、そんなことが起きてるなら大変なことだぞ。」
「まずは何が起きてるかを調べないとね。本人から聞き出すのが一番早いんだけど、狼とじゃ会話はできないし、詳しいことはわからないわね。」
「じゃあ、さとりのところにでも連れてくか?あいつなら心読めるから何かわかるかも。」
「妖怪に頼る事はあんまりしたくないんだけどね…でも、それぐらいしかないのかなぁ。」
「じゃぁ、夜が明けたらそうするってことで、そろそろ休ませてくれ。昨日からほとんど寝てないんだぜ。さすがの私もかなり疲れてるんだよ。」
「しょうがないなぁ、じゃあ、私がこの狼達のことは見とくわ。」
「サンキュー、んじゃ。」
魔理沙は部屋の奥にいき、横になった。
霊夢は疲れた様子でぐったりしてる狼をぼーっと見ていた。
こうしているうちに、朝日が昇りはじめた。
そのとき、眠っている、二匹の狼が人の姿に変わった。一匹は男に、もう一匹は女に変わった。服を着ており、服装は幻想郷では見ないようなものであった。
「え!なんでいきなり人間に戻ったの!」
霊夢は驚き、急いで魔理沙を起こした。
「魔理沙、起きて!狼が人間に戻ったわ。」
「ん〜、何がどうしたって?」
魔理沙は眠たそうに起き上がった。魔理沙のぼんやりとした視界には、見知らぬ人が2人、寝転がっている光景がうつっていた。
「な!霊夢、人間に戻したのか?」
「ううん、さっき勝手に人間になったの。」
魔理沙はしばらく寝ている二人を見つめた。
「それにしても、この二人、人里の人ではなさそうだな。もしかしたら結界の外から来たのかな?」
「この服装からしてそう考えるしかなさそうだけど、なんで狼になってる状態で来たんだろう。とりあえず、この二人を起こして色々聞いてみよう。」
霊夢と魔理沙は二人を起こした。二人は自分が元の姿に戻ったいるのを見て驚きながらも喜びの顔を見せていた。
なぜ狼になったのかを尋ねてみたが、二人はわからないようだった。
二人とも昨日の夜、眠りについた後、しばらくして目が覚め、そのときには自分の姿が狼になっていたそうだ。
狼としての本能か、鳴き声を出さずにはいられないようで、周りの人にバレないようにするため、自分の家を出て、近くの山へ急いで逃げた。そうして、山の中を走っているうちに、幻想郷にたどり着いていたそうだ。
「お疲れでしょうし、しばらくここで休んでいてください。帰るにしても時間がかかりますし、その前に狼になった原因を私達が、さがしますので。」
霊夢は二人にそう言うと、二人に座卓の周りに座ってもらった。そして、お茶を淹れて二人に出した後、魔理沙に話しかけた。
「魔理沙、私はこの二人のことをもう少し見ておくから、魔理沙は念のために人里の様子を見てきてちょうだい。」
「わかった。じゃあ、行ってくる。」
魔理沙は人里へ向かった。




