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空を優雅に浮かんでいます。
どうやら変わったお客さんが来たようです。
「うーん……困ったな…」
何を困っているのかというと、話は数日前まで遡ることになる。
衣住食というのは大事だ。
衣食足りて礼を知るとうことばもあるくらいだからね。
衣……着たきり雀
住……『プレイス』マジ最高
食……なんか適当に出てくる。
礼を知っているかどうかは知らないが、死ぬことは流石にないように思える。
さて住だが、俺は今、空に浮かんでいる。
正確には例の『プレイス』を空に設定したのだがな。
理由は単純に色々考えていたら面倒になったからなんだが。
この世界……あ、名前聞くの忘れてたよ。まぁいいか空を漂っているだけだからね。
今は結構な高さにいる。天空の城よろしく、城の形にしてやろうかと思ったけど、それはそれでどうかと思ったので、普通に雲の形にしておいている。
『プレイス』の中は少年神の言う通り快適そのものだった。
なんか知らないがメシの類も出るし、トイレや風呂、ネット環境もばっちりだ。どうやってネット回線をつないでいるのか非常に気にかかるところだが、どうもwifi的な何かのようだ。ただ時折ネットがつながらなくなったり、趣味の範囲を超えて何か調べようとすると調べられなくなったりもするので、大人の事情とかいうやつなのかもしれない。
あぁそうそう、高度が高いので外はかなり寒いみたいだぞ、今のところ『プレイス』の外に出る気はないので問題ないが。
結果、日がな一日中、空を浮きながらプカプカ浮きながら、出てくる飯を食ってネットをして、寝て……。それを繰り返していたわけだ。優雅なニートだなw
さて、今おかれている環境はこれで、ご理解いただけたと思う。そこで本題だ、何を今俺が困っているのかというと。いま俺の目と鼻の先にいてにっこり笑っている、現地の種族の子に困っている。
空をびプカプカ浮かびどこかの高い山脈の側にさしかかってきたとき。俺の『プレイス』にこの世界で初めての客? みたいなものが来た。
恐らくこの世界では何というか知らないが、ハーピーと呼ばれるモノではないだろうか。俺は幅広いオタクだったのでこの手のモノには造詣が深い。
ハーピー、禿鷲の羽根、鷲の爪を持つ。食欲が旺盛。老婆の顔を持つというゼウスの手下だったかな……。ただ目の前にいらっしゃる方は、童顔で可愛い顔立ち。服は特に着ておらず、大事な部分は羽毛で見えない仕様になっているようだ。羽毛いい仕事しているな。ボディーは童顔のくせに成熟していらっさるようで、なかなか俺の下半身へはずっきゅんどっきゅんではある。
うむ、鼻血でそう。
さて話を戻して、この空飛ぶエロイ生き物が、先ほどから俺の『プレイス』にへばりついて、見えない壁をどんどん叩いている。あれだなぁ……子供がものすごい勢いでドアとか窓とか叩いているあの感じだな。
あまりに叩いてくるので、気になったものだから、つい窓のようなものを作り、外を覗き込んだのがいけなかった。
思いっきし目が合って興味を持たれてしまったようだ。
ただねぇ……何言ってるのかわかんないんだよねぇ……。
ハーピーは伝承のよりも、某アニメに出てきたような鳥あたま系の可愛いのが好きです。