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いい話にはちょっとした裏っていうのがありますが、今回はどうでしょう?

 

「何でもとは言ったけど、できること、できないことはもちろんあるよ。ただ、それは僕の世界と君との関係が濃くなっていけば変わるからさ」


 流石にどうやら、何でもって言ったよね? とはうまくいかないようだ。まぁそりゃね、長く生きてますんでそこそこ予想はついてましたよ。 


「まぁ有体にいうとレベル上げっていうやつね。それをすると、より快適にはなる様になっているからね。もちろんしないでも生きていけるし、なにも問題ない(ニヤッ)」


 あぁあるんだなぁ……レベル上げ。ただしないでもいいというのだから、するかしないかは後々考えれば問題ないよね。まぁ、そこまで楽ないい話っていうのは、なかなかそうそう転がってないよなぁ……。


「そんなに残念そうな顔をしないで欲しいな~w はめたつもりはないよボクとしてはね。一応、君の願いは今のままでも叶うんだから、嘘じゃないだろ?」


 まぁ確かに嘘ではない……な。


「そのままでいいけど、折角の異世界じゃないか。色々あるよ~? だからさ、面白くしたいならそれなりに関わってほしいってだけなんだよ。なんとなくだけどさ、昔の君はそうだったんじゃない? 楽しいよ、ボクの世界は努力は無駄にならないよ? もう君をいじめていた『最悪の結果』はないんだからさ。折角だからさ……ねっ(ウィンク)」


 少年神が可愛げもなくウィンクをしてくるのを少しずらしてかわしてみる。それを見てケラケラと楽しそうに笑っている。

 ただ正直、余計なお世話でもある……。確かに少年神の言う通り、中二病全開で俺は楽しんでたよ。異世界いけないかなぁとかよくぼやいてたよ。でもな~あの頃はあの頃だったからなんだよな。今俺いくつだと思ってるんだよ。全く……。


 まぁいい、嘘じゃない、騙しではない。良い良い生活を求めるのであれば、それなりにやれっていうことなのだから。結果が出るなら悪いことじゃない。何をやっても悪循環しかなかった、今までに比べればきっと問題は少ないさ。


「理解が早くて助かるよ。早速気が変わらないうちにだよね? では……良い世界が君と共にあらんことを……」


 少年神が俺の気が変わらないうちにとでも思ったのだろうか、急いで転生を始める。薄れ行く意識の中で俺は、『はいはい……』と子供神に手を振って挨拶を終える。

 幾つかの瞬きが繰り返される。元の体ではない何かに代わっていく肉体。還られていく思考回路。何度目かの強い光が瞬いた後、俺は見知らぬ場所にいた。


「さて……ここは何処だろうか……」


 目の前にあるのは草原。草原の真ん中には巨石群の遺跡で見るような、ストーンサークルがある。 言うなら俺はその真ん中にいる。


 ここにそのまま突っ立っているのはあまり得策じゃないように思える。服装はスエットにトレーナー、あとフリースの上。それと眼鏡。こんな格好の中年……。うん、絶対ここでぼーっとしないほうがいいな。明らかに異質だろ? 職質待ったなしだろ?


 さりとて何処が良いのやら……っと。ふと空を見た……ちょっと考えて頭をかく。頭をかくのは考え事をするときのちょっとした癖だ。


「面倒だからあそこでいいか……」


 色々考えたが、考えることが面倒になった俺は、とりあえず少年神からもらった『プレイス』を空へ浮かして住むことにする。


 こうして俺の異世界生活(自称自堕落な)が始まった。



人は悩むと空を見ます。ね? いい空でしょ? 

ね? わかるでしょ?



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