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男は悩んでいるようです。
俺は動きたくない。
一ミリだって動きたくない。
深夜に明日からの職場の事を考えていたら、
緊張が酷くなって汗がすごい。
俺はダメな人間だ……。
四五にもなってこの有様だ……情けなくなってきて、更に寝ようとしても寝れない。
「おなか痛くなりそうだ」
別に腹痛持ちじゃない。PPPとかじゃない。
何か理由をつけて明日の仕事初めを延期したいのだ。
どうにかして休みたい。
いっそどこか誰の手も届かない世界へ行ってしまいたい。
だが現実はそんなに甘くない。
そんなことは百も承知だよ。
俺の人生は生まれてこの方、まさに下り坂一直線だった。
たまに何の嫌がらせか、一回でも上向きでもすれば、 後は……絶頂から奈落へと垂直落下だ。
しかし本当にあれだ、振り返っても本当にいいことなんてありはしない。
頭のおかしい両親。
父親は躾と言って幼い俺を容赦なく物で叩いていた。
『白は白黒は黒そこには身分だのなんだのはない!』
一見するといいことを言っているようだが、それを盾にどつかれる。
どつかれる子供はたまってものじゃない。
ある程度大きくなり社会人デビューした。
初任給は当たり前のように九九%両親にもっていかれた。
理由は実家で暮らしているから。その割合で持って行っておいて何を言うのだろう。
自立したいところの事から思うようになっていた。
母親は子供を育てる気がなかった。
最終的には他所の男のところに転がり込んで、家族を捨てた。
家を守れだの何だのと言っていた側からコレだ。
今はどこで何をしているのか知らないが、正直顔も見たくない。
自分の趣味を優先し、兎に角家の事は二の次、三の次だった。
金もなく飢えかけていた俺の事を見かねた小学校からの友人がちゃんと戻すことを条件に、
引き出し可能なキャッシュカードを貸してくれた。
今思えばさすがにそれは断るべきだったんだろうな……とは思う。
母親はその時は、猫なで声をだし、キャッシュカードを言葉巧みに俺から奪い、限度額いっぱい引き下ろして好きに使っていた。
友人のカードは姉から渡されていたカードだったらしく、残高マイナスになっていた事から、
問い詰められ、俺は友人から呼ばれた。
あの時は顔面蒼白になった。
そのことを母親に問いただしたときが酷かった。
「別に返せばいいのでしょ?」
そうではない、俺を信用した友人はそれがされていなかったために、こうなっているんだ。
俺は母親を強く叱った。何の反省もなく開き直っている、
その生き物に嫌悪感を覚えたが、もう遅かった。
俺と友人の関係はそこで終わった。
俺が折れてしまった……。
前の話で話で分かると思うが、給料日の日に出さえ、まともに金が手に入らなかった俺には、
返せる気がしなかった。友人の二択に俺を裏切った。
縁を切るか、返すか……縁を切れば金は要らない。
どうしていいかわからなかった、だから縁を切った……。
俺も結局は下種だった。
恋愛のほうは二人ほどと付き合っているが、どちらも結局浮気された。
俺にも理由はあると思う。彼女らだけを責める気はない。
ただ二回とも正直尋常じゃないなと思った。
俺は彼女ができるとどういうわけか、仕事がダメになる。
ダメになれば金が無くなる。金がなければ色々ダメになる。
ダメになっているといけないと思い、仕事をし出すと更に彼女との仲が悪くなる。
未来の見えない俺は結果、浮気される。
色々ありすぎた、体も正直ボロボロだ。
もう動きたくないんだ……。
人生はどん底、やる気がしない。
いつも最悪の結果が待っている。
だが、自殺はできない。ヘタレだから。
だから待っていた、世界が俺を弾きだしてくれることを……。
そしてそれが起こったんだ。
文字通り俺はあの日、突然の隕石落下という事故で、この世界から弾き出されることになった……。
作品をご覧になって頂きありがとうございます。
この作品はマイペースで仕上げてい行きたいと思っています。
ですのでごゆっくりお付き合いいただければ幸いです。
この先が見たい、まぁ頑張れ、お前これはここをこうしたほうがいい等、
色々ありましたら感想欄に下さい。
あと、是非この後のアンケートと評価もよろしくお願いします。