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前回のあらすじ:アナに連れられて、メートの閉じ込められている篭のところまで向かった。

 

「ここだアメミヤ」


 ようやく到着した洞を指さしてアナが言って、周囲を一応伺う。万が一、そのクロウ族とかいうのが居たら事だからな。恐らく俺は怪我はしないだろうけど、戦闘となったらどうしていいかわからないし。いざとなったら体当たりくらいしか思いつかない。


 洞の奥に篭はあり、まるで全てを拒むような何かの力を感じる。これ結界じゃないかな? なんだろう、別段そっちの専門家じゃないんだが何となくわかる。多分これ結界だな。


「できそうか?」

「ん~多分な、何かあるといけないから、一応下がっておいてくれないかな」


 何となくだが、この結界をどうにかできそうな気がする。多分だけど、この程度のものなら障子紙を破るより楽な気がする。ただ、後ろにいるアナに何かあるといけないから、アナには離れてもらっておいた。アナはソレにおとなしく応じて、だいぶ離れてくれている。なんか怪我を治してからアナの様子が、おとなしいな。前はもうちょい突っかかってくるような感じだったのにな。


いかんいかん、今は目の前のことに集中集中。


 籠に触れると中に誰かいるのがわかる、多分これがメートだ。トントンと篭を叩いてみるが、別に爆発とかしそうではないし罠っぽいものも見当たらない。篭の正面に手を置く、結界の周りにを覆うものを、感じ取るようにしてから、篭そのものに話しかけてみた。


『なぁ……この中にメートっていうのがいるはずなんだけどさ、外に出してくれないかな?』


 端から見ていたら変な奴にしか見えない気もするが、語りかけた俺に、篭がいいよっという感じでふるえた。しばらくすると篭そのものがなくなっていて、そこには気持ちよさそうに眠っているメートが現れた。


「お嬢様!!!」


 それを見ていたアナが文字通りすっ飛んできて大事に抱える。眠ったままのメートに軽く触れる。命には別状はないみたいだ。メートの髪の毛に軽く触れる、えへへという顔をして笑っているが、起きる気配はない。うん、やっぱりこいつは寝ているな。


「命に別状はなさそうだぞアナ……あ、アナとか呼び捨てにしてごめん」

「あ、ありがとう! ん? あぁ……アナで別に構わない。なんだ……そのアメミヤには命を救ってもらったりもしたしな……」


 俺はつい、嬉しさも入っていたのか、アナのことを普通に呼び捨てにしてしまい、慌ててそれを謝る。アナは、メートが無事だったのがよほど嬉しかったのか、まだ頬が赤いまま呼び捨てでいいと言っている。


 傷が治ったばかりのアナにメートを運ばせるのも何だろうと思い。俺がメートをおんぶして連れていく。途中で『プレイス』で移動すればいいと気づくまでおんぶしていたのだが、そこからは『プレイス』の大きさを限定して、三人でハーピー族の巣へと戻っていった。


 メートが無事に助けされていることを知った長は、大変喜んでいた。人族である俺が絡んでいるのは少々思うところはあったようだが、アナが長に一生懸命説明をして納得してもらったようだ。宴をといわれたのだが、正直言って、俺はそういうのが苦手なのだ。アナには、メートにまた遊びに来るように行ってくれと言って、褒美なども含めて全て辞退してダッシュで空へと逃げた。

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