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あらすじ:ハーピー族とクロウ族の戦いは最終局面を迎えていた。そして話は遡る。
そして話戻る。
俺の目の前にはボロボロになったアナがいる。
アナはボロボロの姿のまま、お嬢様を助けてくれと何度も言っていた。
理由はわからないが、ケガするほどの何かがあり、メートがピンチだったこと。それだけはわかる。
『招待:アナ』
俺はアナを『プレイス』へと迎え入れた。半ば気を失っている、兎に角酷い怪我だ……。ポーション? いやもう少しいいものがいい……。ハイポーションでどうだ! さぁイメージしたぞ、一個じゃ足りないよな、数は十個。瓶のアレだ!
手の中にハイポーションが創られる。効果に問題はないはず、飲ませればいいのか? どうやって?
アナの体を起こし、瓶を口にもっていく、流し込もうとするがうまく入っていかない。あぁ! もうどうしたら! 俺は咄嗟だったし、他に方法も思いつかなかった為か、衝動的に動いていた。
俺はハイポーションを自分の口に含んで、そのままアナの口に流し込んだ。
「うぐぅ……」
アナが苦しそうに呻く。ただ明らかに外傷の一部分が治療されているのがわかる。よし、これしかないな! そのあとも何度か口移しでハイポーションを流し込んでいく。二瓶分ほど流し込んだあたりで、アナの意識が戻ってくる。
「ここは……アメミヤ……?」
「あぁ、アメミヤだ何があったんだ?」
「あぁ……お嬢様を何とか助けてほしい……。ん? 私のケガは……?!」
「あ、それなら俺が治したよ。緊急だったので少々力業だったのだが、まぁ勘弁してくれ」
「ちから…わざ…? はっ!!」
いくらか落ち着いたのだろうか、怪我の治ったことを告げると、アナは慌てて俺から離れようとする。心なしか顔が赤い気がする。もしかしたらまだどこか痛めているのだろうか。
「おい、そんな急に動いたらいくらなんでもまだ痛むと思うぞ?」
俺は心配そうに急に離れたアナを見て言う。
「いや! 大丈夫だ! うん! おかげで助かった! それよりお嬢様だ! お嬢様。アマミヤならもしかしたら助けられるのではないかと思ってだ。いや助けてほしい」




