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読書
調子のいいときの読書は不思議だ。
からだの感触も音も聞こえるのに心だけはそこにいない。
文字を見て頭が意味をとらえて“読んでいる”はずなのに文字じゃなくて世界が見える。
声も聞こえる。
歩いたことのない道も歩ける。
たまに、読書をしていて思うことがある。
世界はRe:CREATORSのようにこの世界と物語の世界が繋がっていて読書している間は精神体みたいな状態で別の世界と繋がってその場にいるんじゃないだろうか。
当然、そんなことはありえないしその感覚も脳が作った幻だろう。
わかっているつもりではあるがわかってたまるか。
非現実的なことを夢想して何が悪い。
むしろ、それが人の原動力だ。
そんな世界が見たくて書くのだ。
正直に言うとそんな話もどうでもよくて、そういう読書をした後は足音も車のエンジン音も見慣れた町並みも曇り空もいつもよりもきれいに見えることだけは間違いない。




