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中二病姫

作者: みつばの王様

初めてなので、生暖かい目で見ていただけるとありがたいです。

 昔々、あるところに長く腰まで伸びた金髪は、太陽の光を編み込んだかのように美しく、その薄紫の瞳は満点の星空が浮かぶ夜空のように澄み、肌は白磁のように滑らかでシミひとつない、大陸にその人ありと言われた美姫がおりました


 その名をアズレーン姫


 姫をひと目見ようと、名の知れた大商人、貴族の子弟、あるいは、一国の王子などが、連日、老若問わず城に押しかけていました。


 しかし、姫にあった男達が口を揃えて言うことは、「あんなに、美しい姫は見たことが無い、己の全てを投げ打ってでも手に入れたいものだ……あれ(・・)さえなければ」と


 ……そう姫は!


「そうか、貴様が私と契約し、闇の力を得たいと言う痴れ者か」


「いえ、私はバン辺境伯家、嫡子バン・トムソンです。それに今日は婚約のお願いを……」


「よいか、深淵を覗くとき、逆に深淵もお前を見ているのだ! その覚悟がお前にはあるのか? 」


「ーー急用を思い出してしまいました! ではごきげんよう」



 ーー中二病だったのです。


 この困った性格から、大抵の男は音を上げて城から逃げていくため、この美しい姫には婚約者が出来なかったのです


 そこで、可愛い娘を溺愛する国王は、3人の王子を城に呼び出しました


 一人目は、軍事国家の将軍も兼任する、短く揃えた黒髪に、意志の強そうな金色の瞳が鋭く光る軍服がよく似合う若者だ。名前をレオン・グラハート第二王子という



 二人目は、ゴルド・ポッチャリン。商業国家連合の議長の一人息子で、大陸で一番の資産をもつゴルド商国

 ふくよかなほっぺとお腹がチャーミングなナイスガイ(おデブちゃん)


 3人目は、小国の第三王子ながら、その人柄で国民からの支持が国内の誰よりも高い、ルーフェン・クラン。雪のように白い髪と真紅の瞳から雪うさぎの王子(プリンセス・スノーラビット)とも呼ばれる小柄な青年でございました


 最初に中二姫と会ったのは、軍事国家の王子レオンでした


 いきなり、レオン王子はズカズカと歩み寄ってくると、グイッと姫のあごを上にあげます


「ほう、噂にたがわぬ美貌だな。喜べ俺の妻にしてやろう」


 この大胆不敵な、レオン王子の行動に姫は気を悪くしたと思いきや……こちらも不敵な笑みを浮かべていました。


「我を欲するか小さきものよ」


「小さいのはお前だ。それに口調を改めろ、俺は未来の夫だぞ?」


「もし、貴様が我と契約するにふさわしい王の器であればよかったのだがな……貴様ではダメだな」


「一体なにを? お前に拒否権などは……」


 姫様は、手元にあったスイッチを持つと魔法の言葉を唱えます


「永劫の闇にとらわれるとよい落とし穴(アビス・プリズン)


 レオン王子が立っていた床はパカーンと二つに割れるとそのままレオン王子は闇へと消えてしまった


 二人目のゴルド王子は……


「やあやあ、僕はごるどおうじだよ?」


「豚になど用はない、タライ落とし (ゴット・パニッシメント)


 タライの直撃を脳天に食らった後、召使いにより丁重にお帰り願われた。



 王様の期待は、最後のルーフェン王子に託されたのでした


「貴様も我と契約したいと思う、有象無象のひとりか?」


「いいえ、全く違います」


「えっ? こほん、では貴様が望むのはこの国の富か?」


「そんなものは、興味ありません。私がここに来たのはただ一つだけ……私と友達になりませんか?」




 それから、ルーフェンはアズ姫の中二病を否定しなければ、見下すこともせず、ただ普通に笑って、たまに怒って、よく照れて、たびたびデート(サバト)を続ける二人は、いつのまにか距離が縮まっていった



「おいルー、お前のほっぺたに白き至高の甘露(なまクリーム)が付いているぞ? はむ」


 アズレーン姫は、指で生クリームを拭うとそのまま口に運ぶ


「えへへ、まるで恋人みたいだね」


「何を言っているんだ? その……恋人じゃないか……」


「ーーっ!」


「アズ姫、僕と、いや俺と死ぬまで続く愛の契約を結んでくれませんか?」



「ルー、あなたは私のありのままを認めてくれた……答えはイエスだよ」


 その後、二人はたくさんの子宝に恵まれて、幸せに暮らしましたとさめでたしめでたし

稚拙な文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました


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― 新着の感想 ―
[良い点] 非常にサラッとしていて、スルッと読めました。 容赦ない王子の落とし方も、テンポが良く楽しかったです。無事家庭を築けたようで、何よりです笑 [一言] 作者様がご覧になられているかは分かり…
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