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精霊の湖  作者: 桜木ゆず
第2章 世界の掟

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第2章 24話 「"償い"」

 


 この竜の罪が、"大罪"とまで言われた理由は、これだけで終わらなかったからなのでした…。




 竜の民は自分たち以外の生き物の存在を、認めませんでした。




 生き物のすべてを焼き尽くしていきました。

 竜は人間のみならず、動物、植物すべてに怒りを向けます。


 大地は焼け野原となり、至るところに骨が転がっていました。


 誰も竜を止められる者はいなかったのです…。





 世界が竜に滅ぼされていく…。

 しかしその時、天から一匹の小さな小さなフクロウが降りてきました。




 フクロウは美しい紫の瞳でした。


 そしてフクロウは、竜の民の前に立ちはだかります。



 フクロウは言いました。

「私は精霊。シダ様の命により、あなた方を止めにきました。」


 自らを精霊と名乗るフクロウ。



 ガドゥは話も聞かず、

「邪魔をするな!」

 フクロウに向かっていきました。



 しかしその瞬間…






 ガドゥは地面に墜ちていきました。



 なんとフクロウは魔法の力で、ガドゥの翼を折ったのです……。


 そして次々に他の竜の翼を折っていきます。



 地面に墜ちた竜の民はフクロウを見上げます。


 フクロウは言いました。

「周りを見てごらんなさい…。あなた方はとんでもない罪を犯しました。」



 フクロウにそう言われ、そこで初めて竜は、自分たちが何をしたのか気づいたのです。



 冷静さを取り戻す竜たち……。

 竜達は清らかな心を取り戻していきます。

 自分たちのしたことに混乱する竜の民…。



 そしてガドゥが口を開きました。

「我々は大罪を犯してしまいました……。もうどうすればよいか分かりません…。」

 泣きながらすがりつくように、ガドゥは尋ねます。



「………では罪を償いなさい…。あなた方が罪を償い終えるその日まで、竜という種族は、永遠に空を飛ぶことはないでしょう…。」

 フクロウはきつく言い放ちました。



「では我々は……、どのように罪を償えばよいのでしょうか?」



「………人間と共に生きていきなさい…。竜も人間も同じ"人"なのだから。きっと共に生きていける…。」



「私はあなた方を視ています。罪を償い終えるその日まで……。」




 フクロウはそう告げると、どこかへ飛んでいきました。




 その後、残された竜の民は、この焼け野原となった世界と、生き残った人間、動物、植物と共に生きて行くことに決めたのです。



 例えどれほど人間に恨まれていようとも………。



 竜はいまでも空を見上げています。いつかあの空を自由に飛べる日がくる………と信じて。








「おわりっ!………どうだった?」

 レギンさんは本を静かに閉じた。



「興味深い物語でした……。考えさせられます。」


「そうね…。」



「竜はどうなったんですか?」


「この大罪は、ガドゥたちだけでは償いきれず、竜の子孫にまで償わせる事になったの。そして長い刻をもって償うことになったの」



「それほど罪は重かったんですね。」





「精霊ってフクロウだったんですね………。そういえば昨日、レギンさんは、"可哀想な"精霊様って言ってませんでした??」



「あっ…、そうだったわね。精霊様は竜の償いを見ておく事になったでしょう?だから地上に残らなければならなかったの。」



「でもね、精霊様には恋人がいたのよ………。」



「精霊の恋人?」



「ええ。"ヘルク"っていうフクロウなの。ヘルクは美しい緑の瞳をしていたそうなの…。」





「ヘルクは精霊様と一緒に行きたかった。けれど、ヘルクには天で役目があったの。魂を導く役目がね。」


「魂………?」


「………そうよ…。でもヘルクのこと詳しくは知らないの。ごめんねっ!」

レギンさんは自分が分からないと言うことをはっきり言った。

ある意味清々しかった。


(なにそれ…。レギンさん、余計に気になるよ…。)



「遠距離恋愛なんて、ロマンチックよね…。」

まるで羨ましいという顔で、遠くの方に視線を落とす。



「…………ねぇ、ホープ君。あの素敵なお連れの方、紹介してくださらない??確かルーフェン様……だったかしら?」

ウットリして私に言う。



(え……。ル、ルーフェンさんを!?)



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