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The world has died  作者: トウイ小秋大福
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出逢い

「ッ!」

ドアが音を立てて開く。ミサキは拳銃を構えて誰かが出てくるのを待つが、30秒程経っても誰も出てこない。

(?、ドアだけ開いてなんで誰も__)

と思考に()まりかけたところで、人陰が一瞬見え、


魚の置物が飛んできた


「!?」


ミサキは上半身を(ひね)るようにして魚の置物を避けると、前方の敵に拳銃を向ける。だが、敵は目の前ではなく、ミサキの足元で標的の顎を砕かんと拳を握り体勢を低くしていた。

(速っ!)

ミサキは両腕をクロスさせるようにガードをすると、腕ではなく拳銃を握っている右手に衝撃が走り、持っていた拳銃が殴り飛ばされた。敵はそのままミサキを押し倒しつつミサキの装備しているナイフを逆手で引き抜くと馬乗りになり、


情け容赦無く両手でナイフを降り降ろした


「ッ!」

ギリギリのところでナイフを受け止め、押し返そうとするが、相手も体重をかけてるのか全く動かない。お互いの手は小刻みに震え、終わりは少し後かと思われたが、ミサキが反撃にでた。

頭を動くギリギリまで動かし、反対側にナイフが刺さるように敵を引っ張ると相手の体勢が前のめりになり、倒れる。敵は焦って体勢を戻そうとするが、もう遅い。ミサキは逃げようとする敵の頭を両手で掴むと、おもいっきり頭突きをした。

ミサキはさらにもう一撃、頭突きをしようとしたが止めた。

相手は気絶していた。


倒れかかる敵を仰向けに倒すと、ミサキはナイフと拳銃を回収して(ほこり)を払い落とし、納める場所に戻した。

気絶した敵の手首両脚を血が止まらないように縛り、動けなくすると改めて敵の姿を見た。

膝まで届く白い長い髪に血だらけのワンピース、素足で両手も血だらけの少女だった。

(...夢に出てきた女の子にそっくりだな)

ミサキはそう思いつつも、少女が出てきた家に入り中を確認する。結果としては2人の死体しかなかった。他の平屋も確認したが死体だらけで合計23の死体が見つかった。死体は一つの家にまとめておいた。

(...死体しかないな。最近は運が良いのか悪いのかわかんないな、なんか今日は疲れたからキャンプ場に泊まろうかな。)

ミサキは朝からそんな事を考えながら、さっき置いたバックパックとフードつきのマントを持って、少女が出てきた平屋に入った。

持ってきた荷物を廊下に置き、縛っておいた少女を家に運ぶと、家の中の雑巾を使って掃除を始めた。

掃除と言っても廊下の一部と一つの部屋の血を拭き、臭いを消すために窓を開けるだけでそれほど時間はかからずに終わった。

宿の準備が終わり、少女の状態を確認すると、汗をかき、高熱をだしていた。

(うわ、すごい熱だ、息も荒いし、これは...風邪かな?)

ミサキはそう結論づけると、少女の部屋と思われる部屋に少女を運んだ。

(...よし、取りあえず寝かせるベッドは見つけたけど、...どうしようコレ)

ミサキは少女の格好をチラリと見る。血だらけのワンピースに薄汚れた脚、血と傷だらけの手に身体中汗だらけ、とてもこのまま寝かせるわけにはいかなかった。

ここでミサキに葛藤が訪れる。

(...いいのかなー、服を脱がして血と汚れを拭くの。このままの格好で寝かせるのもかわいそうだし、....でも普通だめだろうなぁ、非常事態と言えどダメだよなー。)

ミサキはさてどうしようかと思ったが、程なくして、脱がして身体を拭くという選択肢を選んだ。

風呂場を探し、タオルを3枚と水をくんだ(おけ)を持ってくると、1つ思った


病人を縛っておいてもいいのかと


(起きたときに襲われても困るけど病人だしなぁ、まぁいいか起き始めたときに考えれば。)

そんな結果に行き着き、束縛を解いた。

ミサキは出来るだけ見ないようにワンピースを脱がし、拭いても問題にならないところを全て拭いてベッドに運んだ。毛布をかけ少女の額に濡れタオルを置き、ワンピースを洗って少女の部屋の窓に干して少女の両手を自前の消毒液と包帯で治療をすると一段落ついた。

(.....終わったかな。起きるまで取りあえず看病するけど、暇だな)

ミサキはそう思い、他の部屋に本を探しにいった時だった。棚に置いてある本を物色していると一冊の手帳サイズの日誌を見つけた。


タイトルは「愛する子供の成長日記」だった。


ミサキは少女の部屋に持っていき、椅子を用意すると座って読み始めた。











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