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The world has died  作者: トウイ小秋大福
10/27

日記

×月×日

このキャンプ場に住み始めて一週間が経った、食べ物や飲み物に困らないので良い場所だ、ゾンビに噛まれた傷も順調に治ってきている、ここを選んで良かったと思う。

キャンプ場の医師を勤めている先生に妊娠7週間と言われた。私の漂流者としての人生はここで落ち着かせるべきか。

なにはともあれ産まれてくる子供が楽しみだ



××月×日


子供が生まれた。

元気な女の子だ。あの人も泣いて喜んでいた、とても幸せな一瞬だった。

この子の名前は....紅葉(もみじ)のように色とりどりで落ち着いた雰囲気の子になってほしいから


『モミジ』


マフユ モミジにしよう。

名字がマフユなのに名前がモミジというのは季節的におかしいとは思うが気にしないでおこう。


××月××日


モミジがついに歩くようになった。まだヨタヨタしているがそのうちに走り出すだろう。


×月××日


モミジが4才になった。今では話せるし、走ることも出来る。いいことだ


ただ少し気になることがある

あの子の髪に何本か白い毛が混じっている、何なのだろう?


×月××日


今日はおかしな事が起こった

あの子がなかなか風呂に入らないので叱りつけたら、凄い勢いで暴れた。皿を大量に割ったし、カーテンも引き裂いた、止めようとしたが無理だった。妙なことに黒い髪が真っ白な髪になった。

暴れ始めてどのくらい経っただろうか、怒り狂っていたモミジがピタリと動かなくなり、


狂ったように笑い始めた


怖かった


いつもは太陽のように眩しい笑顔が、粘土細工を潰したように歪み、壊すのが快楽とでも言うように『嗤(わら」って』いた


嗤い始めて40秒ぐらいだっただろうか、膝から崩れ落ちるようにモミジは倒れた


その後は大変だった


倒れた後、あの子は熱を出していた。あの子をベッドに寝かせて、暴れた後の処理をし、モミジの看病をした

あの子はまだ寝込んでいる。早く治ってほしい。


×月××日


一晩経った、ダメだ、熱が下がらない。医師にみてもらったが原因がわからないそうだ。


どうすれば


×月××日


どうしたのだろう、急に熱が下がりあんなに嫌がっていた食べ物をモグモグと食べている。何だったのだろうか


この数日間の間に起こったことについてまとめておこうと思う


モミジの機嫌が悪くなった

物を壊す

髪が白くなる

狂ったように(わら)い出す

倒れる、その後熱を出す


これぐらいだろうか

原因がわからない以上、次を起こさないために頑張らないといけない


可愛い娘のためにも


×月××日


今朝あの子の髪を見たら真っ白になっていた。モミジは喜んでいたが大丈夫だろうか


×月×日


とくに問題はなかった


×月×日


今日はあの子に拳銃の使い方を教えた。

ただ、結果が.....残念だった

一日中撃たせ続けたが(まと)に一発も当たらなかった。何故だろうか


明日はスナイパーライフルを教えてみようと思う


結果は怪しいだろうが


×月×日


今日はスナイパーライフルを撃たせたが、色々と凄かった

まずはスナイパーライフルを持ったときの反応。ハンドガンの時は「へぇー」みたいな感じだったのにスナイパーライフルの時は、スナイパーライフルに顔を(こす)り付けるは、ギュッと抱き締めてしばらく動かないは、呼吸を荒くして(よだれ)を出すはと凄かった


モミジの人生初のスナイピング(狙撃)は、上々だった。

撃った弾数の約7割は(まと)に当たっていた。ハンドガンとの差はなんなんだろうか?

娘の狙撃手としての才能は嬉しい。ただ、撃った反動で肩を痛めないように気をつけてスナイパーの練習をしてほしい、あとスナイパーライフルを見たあの反応も自重してほしい。あの表情は完全に.....いや書くのは止めておこう


××月××日


もう少しであの子の8歳の誕生日だ。誕生日プレゼントは何をあげようか?


××月×日


ランニングや体術を教え始めた。おもいのほか楽しんでいるようだ


×月××日


今年であの子も11歳になるが、やはり凄い。

2.3キロメートルの狙撃を成功させたらしい。

あの子は

「たまたまだよ」

と言っていたがそれでも凄い

これからの伸びしろが楽しみだ


××月××日


14歳


もうあの子もそんな歳だ、ここまで経つのにとても短く感じられた。

今年の誕生日は.....服をプレゼントしよう。たまには女の子っぽい服も着てほしい


××月×日


白いワンピースをプレゼントした。あの子も喜んでいたし、真っ白な髪と真っ白なワンピースが似合っていた


余談だが服の入手元は秘密だ


×月×日


数年ぶりにモミジが狙撃をミスしたらしい。

モミジが(まと)を外すなんて、このキャンプ場でゾンビに会うより確率が低いだろう

明日は厄日にでもなるのだろうか






ここで日記は終わり、残りのページは真っ白なまま清潔感を保っていた。

(この日記に書いてあった娘っていうのは今寝てるあの子だろうな。体術と狙撃の技術有りか、.....なんとかパートナーになってくれないかなぁ)

ミサキは日誌を閉じ、背を伸ばすと、日誌を元あった場所に戻しに行った。


少女のいる部屋に戻り、少女の容態を確認すると汗の量は大分(だいぶ)減り、顔色も良くなっていた。

ミサキは少し温くなった濡れタオルを新しい濡れタオルに替えると、大きな欠伸(あくび)をした。陽の照り具合的に昼をまわった(ぐらい)だろうか、昼寝するにはいい時間帯だった。

(.....眠い、少し仮眠でもしようかな)

ミサキは床に寝転がり、目を閉じると眠った





「__ゃあっ!」


小さな驚いた声が部屋に響いた


(........?)

ミサキは目を(こす)りながら上半身だけを起こして周りを見ると、


顔の赤い肌着姿の少女と目があった


(.........)


思わず、見いってしまう


透き通るような肌に真っ白な髪の毛、整った顔に驚いた表情


思わず、見とれてしまう


(......あ)


そしてミサキは少女が下着姿だということを思い出す。自分の顔が火照っていくのを感じ、それを少女に見られているというのも自覚する。緊張で身体は動かなくなり、


「「うわああぁぁぁっ!」」


大きな大きな声を少女と共に上げた











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