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いない

活動報告を見ていただければわかると思いますが

神嫁は、作者が書いているcards[トランプ]を完結させるまで、お休みさせていただきます。

それでも、書きたくなったら書きますし、その度に報告もします。

一ヶ月以上の間が開かないように努力します。

青年は立ち止まっていた。


ロゼの服を売ったのはいい、かなりの金になったし。

採寸もしてもらい、ロゼのサイズのメモも貰った。


しかし、青年は立ち止まっていた。


女性物の服屋の前で、あと1歩を踏み出せずにいたのだ。


青年は18歳、結婚していても可笑しくない年だ。

だから、妻の服を選んでると嘘をついてもいいが

手に持っているメモが悪かった。

14歳の子供のサイズを見た店員に、青年はどんな目で見られるだろう...



ええい!こんな事で悩むな犯罪者!

そう!法を犯すよりずっと簡単なことだ!!

いくぞ!!...い、いってやるぞ!!!



青年は踏み出した、

店の前に立ってから1時間後に...





ロゼはお茶を飲んでいた。


「それは梅昆布茶といい、昆布を粉末状にしたものに、梅肉を配合したものだ。


うま味調味料が主体の粉末昆布茶が一般的であるが、2cm角に切った角切り昆布茶が登場し、昆布出汁の旨みが相まって人気が出ている。


...っと書いてあるな。」


ロゼを連れてきた猫又の警察官は、梅昆布茶の説明を音読しているが

正直な所、ロゼは梅昆布茶の詳細にあまり興味がない。

ただ美味しいお茶、くらいの感覚なのだ。



ロゼは青年と別れた後、この猫又警察官に見つかり

特に訳もわからない内に保護される事になったのだ。


『君、そんな格好で何故ここに居る。』


『えっ、えーっと...』


塔から抜け出して、その犯罪者に服を渡して、

今服を買いに行って貰ってます。


...言えるわけない!!!



そんなこんなで、ロゼは警察官と共に交番に来ている所だ。


格好が格好なもので、動きたくないと言ったら。

警察はロゼをお姫様抱っこし、壁を駆け、屋根の上を走った。

まるで猫のように身軽で音の出ない動きに、ロゼは唖然としながらも交番に連れ去られた。


そして、梅昆布茶である。




...あの男の人、どうしてるかな?




ロゼが気にするのはあの鬼の青年。

服を買って戻れば、私がいないなんて事になると困りやしないだろうか?

いや、服を渡して逃げたとプラスにとらえるかもしれない。


どちらにしろ、会って数時間の子供に

いつまでも構ってあげるようには思えない。


きっと私はこのまま、またあの塔に閉じ込められるんだろう...



「それで、いったい何故そんな格好であそこに居たのか

そろそろ教えてもらいたいんだが」


警察がたずねてくる。

ロゼは考えた。

どうせ捨てられるかもしれないなら、正直に言ってしまったほうが...


けど、けどやっぱり...


もうちょっと期待しても、いいかな?


「私、しばらくここに居たいんです。」


「え?どういう事かな?」


例え、あの鬼はここに来られなかったとしても

この警察を味方にする事が出来れば...!


「猫さん、これから話す事は

全部内緒にしていただけますか?」


「...それがキミの望みなら、できる限り漏らさない事を約束するよ」


警察からの承諾を得たロゼは、警察に手招きし

自分に近づけた。

そして、警察の耳元で囁いた。


「私は...」


ビクッ


警察が肩を振動させた。


「こ、こしょばゆいです...」


「す、すみません。」


説明をする前に打ち切られてしまい、

ロゼは反射的に謝った。


警察は耳を抑えながら、うーんと小さくうなる。


「...あ、文字で伝えて貰ってもいいですか?」


閃いた!っとでも言うような顔をし

警察は机の引き出しを探り

1枚の紙と、ペンを取り出した。


「わ、わかりました」

(...文字書くのは苦手なんだけどなぁ)


ロゼは、不器用ながらも紙にペンを走らせた。


「...字汚いですね」


「うるさい!」


相手が警察である事も忘れ、ロゼは叫んでしまっていた。






青年は行き止まりへと戻っていた。

そして混乱した。


そこに居るべき少女が見つからなかったからだ。


「ロゼ!何処に居る!!

服を買って来たぞ!出て来い!!!」


「さっきからうるせえぞお前ら!!!」


壁の上の窓から罵声が出てきた。

ロゼは出て来ない。


「くそ、アイツどこに行ったんだ...!」


青年はいつの間にか感情的になっていた。

ろくに考えもすることなく、その場から走り出すくらいには。


(俺の服を着てたんだ、桜の匂いが残ってるはずだ!)


しかし、ロゼは壁や屋根をつたって連れ出されたのだ。

人の歩く道をいくら走っても、桜の匂いがするわけはない。


匂いが無いことに気づいた青年は、苛立ちを感じながらも

街へ向けて走り出した。


「お前はオレを困らせたんだ、その10倍困らせるまで逃がすつもりはないんだからな...!」


青年はただひたすらに駆けた。

ロゼの為に買った服を握りしめ、行方の知れない少女を探して

ひたすらに走り回った。

今回も、男性軍に自己紹介させれなかった...

いつになったら青年じゃなく名前を書ける日が来るのだろう...

私の能力次第ですね...

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