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うたがわない

作者の欲望が表現しきれてない部分があります。


ガサゴソ...パサッ...


青年は後ろを向いて、ロゼの着替えを待っていた。



青年は、人を困らせるのが大好きな変わり者で

今回の誘拐も、このガキがいなくなれば

困る人が沢山いる

その程度の理由だった。


しかし、ガキを...ロゼを誘拐したはいいが

実際に困ってしまったのは自分の方だった。


塔の人が困ってるのは当然だから、

目的は達成したも当然ではある。


しかし今困ってるのは自分...


こんなはずではなかった、調子が狂う


今もこうして、ロゼの言う事を聞いてる

い、いや!聞いてやってるんだ!


青年は、自分が何者なのかをもう一度考える事にした



俺は鬼、

恵まれた身体と、異常な程の怪力。


こんなガキの言うことなんて聞かなくても

十分やっていける!!

よし、もうコイツの言うとおりになんかしてやるもんか!



「...着替え終わったよ」



...言うとおり...になん...か...



そう青年が考えてると、背中に布の感覚。


「...これ服だから」


「え?普通に渡せよ」


ロゼはシスター服を青年の背中に押し付けているようだ。


「は、恥ずかしいから!こっち見ないで!!」


言うとおりなんかしない...しないぞ...!



青年は意地を張り、振り向いた。

頭に血が登っているのか、真っ赤である。


「あ...」


自分のすぐ下、自分より50cmくらい下...



俺の腹の辺りで、俺の服を来た...

薄着の美少女が...

上目遣いで俺を、見つめてた...



青年は後悔した、

言うとおりにしてれば...

こんな恥ずかしい対面はなかったのだ...


「ば...ばかああぁぁぁぁ!!!!」


ロゼは青年を押し出した、

羞恥の為か、血が頭に登る

顔が暑い、涙が出る


青年はというと、ロゼの押しで動く事はないのだが

その場に居づらいためか、自然と足が

ロゼの反対側に動き出す


「あ、服...シスター服よこせ!」


青年は思い出したように言った。


「そ、そういえば...これどうするの...?」


ロゼも、少し落ち着きを取り戻し

青年に聞き返した。


「それを売って、お前の服を買うからだよ」


「そっか、お金無いんだっけ」


「...まあ、0ではないが...お前の服買う分は...ない」


青年の所持金が気になる所だが

ロゼも、今の格好のままは嫌なので

素直に服を渡した。


青年は、服を渡すロゼを見て

疑う事を知らないんだな、と思った。


服を買うなんて口先だけで、金を持って逃げる事も有り得るからだ。

実際、過去にそんな事をした事もある。


しかし、ロゼの今の姿を見てしまったら...

そんな事、する気は失せてしまったが...



青年は、なんとなく

さっきまで意地を張っていた自分が

恥ずかしくなった


「ふ、服は...渡した...から...

早く...行ってよぉ...」


ロゼの涙が零れそうになる、

今日一日で何回泣かせてしまうんだろう


青年は少し悔しい気持ちも混じりながら

その場を走り出す。



残されたロゼは、行き止まりに背中をもたれ

落ち着きを取り戻す為に青年の上着を嗅いだ。


花の香り、

なんとなく落ち着く香りを、また握りしめた。




青年も見えなくなって、暫くの事



ザッサッザッ...



人気の無い、静かなこの道で

足音が聞こえた。


青年と思って期待したが、

見えた影に目を見開いた。



「...警察?」



その人は、ロゼの方へと歩いていた。

ロゼの恥ずかしい姿を他の人に晒されてしまう!

そしせねば!!

そうだ、私が盾になれば!!

畜生!次元の壁が厚い!!!

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