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綿あめのきみ  作者: うわの空
第六話
11/14

2005年 4月9日

 言われたくないことを言われ、言ってはならないことを言った。

 あの瞬間の、娘の顔が忘れられない。

 泣いてはいなかった。けれども怯え、震え、傷ついていた。

 私は最低なことを言った。もしも今日がエイプリルフールだったとしても、許されないくらいの言葉だ。親として、人として、最低だった。

 娘を置いて、家を出てきてしまった。適当なホテルに転がりこんで、一人で悶々と考えている。

 これからどういう風に、娘と接すればいいのだろう。話せばいいのだろう。


 わからない。


 言ってしまったら、もう取り消せない。「嘘だよ」なんて、気休めにもならない。もう遅い。言ってしまった。言ってしまったんだ。

 最低という単語が、視界の中をぐるぐると泳いでいるように見える。

 最低、最低、――最低。


 もう、疲れた。


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