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2005年 4月9日
言われたくないことを言われ、言ってはならないことを言った。
あの瞬間の、娘の顔が忘れられない。
泣いてはいなかった。けれども怯え、震え、傷ついていた。
私は最低なことを言った。もしも今日がエイプリルフールだったとしても、許されないくらいの言葉だ。親として、人として、最低だった。
娘を置いて、家を出てきてしまった。適当なホテルに転がりこんで、一人で悶々と考えている。
これからどういう風に、娘と接すればいいのだろう。話せばいいのだろう。
わからない。
言ってしまったら、もう取り消せない。「嘘だよ」なんて、気休めにもならない。もう遅い。言ってしまった。言ってしまったんだ。
最低という単語が、視界の中をぐるぐると泳いでいるように見える。
最低、最低、――最低。
もう、疲れた。




