8話
3日後・・・
言われた通りミーナさんに話してギルマスの部屋へ、その時も鋭い視線を感じたが無視・・
一昨日と同じ部屋に向かいミーナさんがノックして部屋に入る。
「やぁまってたよ、どうぞ」とギルマスがすすめる。
「ご無沙汰しています。」と一礼、ある程度話して本題に入った。
「今回のボス級モンスターは予想通りゴブリンオークだったよ・・A級モンスターだね、今回はA+位だと思って、収集したから余裕があったよ」と笑いながら話してくれた、実際には死者も出ただろうに・・「まぁ今回はユキ殿の報告がなかったら篭城戦になってたかもだし、改めてギルド一同感謝します。」といってギルマスとギルマスの後ろに控えてた女性も頭を下げた。
「い・・いえ、たまたまですから・・ギルマスも頭を上げてください・・」
と俺が言うとすぐに上げてくれたが「まぁこちらとしてもお礼もかねて何か出来たらいいんだが・・・」とギルマスが考える。
「!そうだ、ユキ君セバス君もA級は特殊クエストをクリアしないとだけどB級までなら受けさせてあげる、どうだろうかB級冒険者試験受けないかね?」とギルマスは提案してきた、確かに話によると俺達はB+級の冒険者って分かっているからの提案なんだろうが・・
「嬉しいお誘いですが・・それは今までがんばっている冒険者からは良い目で見られないでしょう
私達も一歩一歩きちんと段階を踏んで行きたいと思います」と断った。だが
「ですが、私達も自分の強さを埋もれさせるわけには行きません、ギルドマスター直々の命令ならば危険なクエストでもお受けいたします。」と続けた。言うなればこれは取引だ、今回冒険者として試験を飛ばせるなら嬉しいだろう、だが俺達は別に冒険者として生きていくとは思ってない。まだこの世界に来て1ヶ月も経ってないのだから・・だが俺達の強さが必要となればいつでも貸すという、取引、まぁ一方的にあっちが得してるけどな、
「それでいいのかね?・・これはこっちばかりが得をしている条件じゃ・・・」
ギルマスも気がついているようだ、「えぇそちらには戦力を提供します。」と言う。
「はぁ~分かったそれでいい、では冒険者ユキ殿、同じく冒険者セバス殿この二名を特殊冒険者として再登録させていただきます。内容はギルドマスターからの緊急事態のときの命令、お二人には望む物を」 「!!ギルドマスター!それは!」と後ろにいた女性が慌てる、まぁそうだろうな、何となく分かる、危険なクエストを回すかわりに、好きな情報、モノ、金銭、何でも言ってくれ、って事だギルドマスター太っ腹、惚れるわぁ、漢として。
「ギルドマスター本当にその条件でいいんですか?いくらなんでもソレは・・・」と女性が続ける
「まぁ構わないだろう、まだまだ駆け出しの冒険者に助力する位な?」とギルマスは女性を見る
女性はタメ息をつきながら「分かりました・・」と言って部屋を出る。数分後冒険者登録の時に使った魔法板(仮称)を持ってきた。コレは手を乗せて魔力(MP)で個人判断するものらしい、潜在魔力だから装備とかでブーストしてても問題ないらしい。
「では再発行します、こちらに手をお乗せ下さい。」と女性が言う、それに従って俺の小さな手が板に乗せられる、こう見ると本当に小さいな・・・
「はい、では少しお待ちください、ギルドマスター素材はどうしますか?」と女性は言う
「ん~パックキシン合金はあったかな?」と聞きなれない金属名が出てきた。
「いえ、今回の最優秀冒険者に付与したのが最後でした。」
「そうか・・ならアレでいいか、金庫にあるファストム重合金を加工して魔法かけるか、無くすと大変だし」とまたしても聞きなれない合金がでた、さすが異世界、ついに異世界してきたぜ!(意味分からん)「はぁギルドマスターの命令なら仕方ないですね」とため息をしながら出て行く女性
「じゃ新しい証明書できるまでゆっくりしていってね、僕は仕事してるから」といって奥の部屋に入っていった。「はぁ~何か疲れた・・でも聞きなれない金属名だったなぁ~そういえば神(笑)から貰ったスキルの中に鍛冶系のスキルもあったな後で確認しようかな」
一時間してさっきのギルド職員が合金を加工して出来たプレートを渡してきた。
縦3cm横5cmくらいの小さなプレート、それに保護魔法で魔力感知を応用した、離れすぎると手元に戻ってくるらしい、このプレートに冒険者ランクと機密情報などなど入っているらしい。
最後にお礼を言ってギルドカウンターから出ると、西洋鎧を着込んだ男が近づいてきた。
「おい! お前かここ最近移ってきたよそ者は・・ずいぶんと小奇麗な格好だな何所かの貴族の令嬢か?お嬢様がお遊びで冒険者になられても困るんだよ、俺達にもプライドがあるんだお遊びでやってるんじゃねぇんだよ!」
と挨拶もしないで何だか悪口を言われてるが無視だ、こんなのに構ってても仕方がない。
無視してギルドから出ようとすると
「おい!無視してんじゃねぇぞ! ん?っは!何だよお前のお付は、ヒョロヒョロで、そんなんで大事なお嬢様を護れるのか?ぁあ?」
こいつ・・俺が無視したからってセバスに・・ちょっと頭にキタ
「あぁすみません、ハエが何言ってるのか分からなかったものでつい無視してしまいました。」
と微笑みながらその男を見る。装備からして結構強そうだが今は関係ない、
「何か私に御用でしょうか?冒険者様?」イヤミらしく強調して言ってやった。
「あぁ?お嬢様が何でこんなとこに居るんだって言ってんだよクソアマ」
セバスを見て止める、【手を出すな】とセバスは伝わったのか俺のすぐ後ろに控えている。
「冒険者様、私はギルドマスター 『アイギス・ウェルン』殿に呼ばれてここに来たまでです。貴方に何か言われる筋合いは無い筈ですが?」
「っは!お前がここ最近、生意気に活動してそれでギルマスに眼つけられただけじゃないのか?
北でも噂になってるぜ?新人冒険者が業者をたぶらかし仕事をしないで報酬貰ってるってな!」
目の前の男は近くにあったテーブルを蹴飛ばす。そのせいで関係の無い人が怪我をしたらしい
この男に罰を与える必要があるが・・睨み合っていると後ろから声が聞こえた。
「お前達そこまでだ!」ぁあ、まずい、さっきまで聞いてた声だ、要するに、
「っつ!ギルドマスター!っち!」目の前の男は舌打ちしたが、俺もしたいが今は我慢・・
「何の騒ぎだ!これは!ボルディウス説明してくれるな?」ギルドマスターが目の前の男性、ボルディウスに詰め寄る、迫力がぱない・・ ボルディウスは口をパクパクさせてるが何も言わない。
「ユキ!お前も説明はしてくれないのか?」とギルマスがこっち向いて言う。
「その男がギルドマスターの部屋から出た私を待ち伏せしていたらしいです。カウンターから出たら詰め寄られてさっきの騒ぎに」と包み隠さず話す。
「はぁ・・ボルディウス何か言いたいことは・・・?」 「っく!・・何も・・」
「はぁお前も最上位冒険者としての自覚が無いらしいな・・お前の処分は後で伝える・・ユキ殿また部屋に来てもらえるかな?ボルディウスは待機だ!」
ギルマスの圧力に無言で頷くしかなかった。めっちゃ怖いんですが・・