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風と共に。  作者: フラップ
第三章 試験管な飛行隊
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両刀

 「……こいつ等にやらせればいい」


 ミーナが湊を向いて……というよりも睨んで言った。不機嫌だ。この上なく。


 「ミサイルの試験を?」


 ミーナが無言で頷く。


 「冗談じゃない。こんな奴らに任せられるか」


 …………湊も未だに警戒態勢である。


 「……酷くないか?流石に」


 「これは扱いが悪いね」


 左遷という言葉は(あなが)ち間違いではないかもしれない。


 「で、その二人はどうする?」


 「さて、どうすっかな……」


 湊は考え込む。今のところ湊とミーナで十分なのである。


 「……あれ?そういえば、ネイアはミーナにセクハラしていなかったか?」


 「ああ、僕は両刀使いだからね」


 黙り込む二人を、苦笑しながらザイルが取り成す。


 「ま、そういうことだ。襲われないように気を付けるこったな」


 湊は地下階への扉をいじり始める。


 「……何をしているんだい?」


 怪訝そうにネイアが湊を見る。


 「ああ、鍵を付けているんだよ」


 「どうしてだい?」


 「誰かがシェルターに入ってこないようにだよ」


 「誰かって誰だい?」


 「女も男も分け隔てなく接しすぎる人をかな?」


 ミーナが格納庫を出る。湊から鍵を受け取るのを忘れない。


 残された三人の間を鍵を付ける音だけが響く。


 「……あ」


 湊がつぶやいた。思わず作業の手を止める。


 「こいつら二人に何させるか考えないと」


 抜けている、と思わなくもない。


 「……とりあえず、今ここにあるのは三機だけだ」


 【母】一機と【菊染】二機である。試験機は基本設計こそできているものの、主翼付け根と胴体前部しか出来ていない。


 どっかからまた引き取ってくるか……。ハンガーにはあと詰めれば6機ほど入りそうだ。

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