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風と共に。  作者: フラップ
第二章 田舎的森林
21/50

失敗

 『湊、発射準備良し。そっちは?』


 「OK。脱出の準備は?」


 『……、OK。何時でも』


 湊は菊染を左旋回に入れる。曳航している標的機のワイヤーを引っ掛けないように緩いバンク。ちょうどミーナの前を横切る形となる。


 菊染はミーナの前方を横切る。あと5秒で標的機がミーナの進行線を横切る。


 『良し、標的機を標準……発射!』


 ミーナが発射を宣言。


 ミサイルは真っ直ぐ直進し、一秒後にピクリと動いて標的機に弾頭を向け━━━━。


 ━━━━突然陸に打ち上げられた魚のようにのたうち、クルクルと回りながら地面に吸い込まれていった。


 「ダメだ。試験失敗。帰投しよう」


 『…………了解』


 湊の声が沈んでいる。あれを作るのに二ヶ月も費やしたのだ。流石に此処まで綺麗に失敗すると傷つくのだろう。


 * * * *


 「向こうの陸軍が発見してくれたらしい。弾薬は抜いたからあと二週間程度で届くだろう」


 「そう」


 だらけ切った二人がハンガーの木箱の上に座っている。流石にあんなに簡単に失敗するとは思っていなかったのだろう。湊はお気に入りのシャーペンをクルクルと回している。それをぼんやりと見つめるミーナ。


 怠惰な空気がハンガーの中に充満している気がした。しっかりと換気扇が回っていることを確認した湊は大判の紙を貼り付けたコルクボードをガラガラと引っ張って来た。そこにそのシャーペンで「ミサイル」と書き込む。


 力が強くて紙が破れた。そこを丁寧に伸ばし、左下に「結果」と書き込んだ。


 「発射一秒後は正常に進んだ」


 いきなり声が真剣になった湊にミーナが相槌を打つ。湊に比べてミーナはまだアイドリング、といったところか。


 「誘導を開始した瞬間、弾体は制御不能に陥り、不規則運動を起こしながら落下。数百秒後に墜落」


 「そう。補足する所は殆ど無いわ」


 「……と言うと?」


 「制御不能になった時、ミサイルは機首……でいいのかな?が、急速に持ち上がって、直後に左回転しながら落下した。そこまでは見えた」


 「……すげえな。200mは離れてたぞ」


 「塗装が目立ったから。それで分かった」


 「じゃあ……」


 じゃあ、やっぱり誘導に難があったわけだ。と湊は続けた。再びハンガーは沈黙の蚊帳が降りる。


 「指令にサポしろって言われたんだけど、ここぉ?」


 「ここかな?ここかな?」


 「…………」


 「いぇい」


 「すみません、お伺いしたいことが━━」


 「すまん。失礼する」


 それを破ったのは、獣人や人間が入り混じった6人の飛行服の集団だった。何を言っているのかちょっと解読し難い。チャラそうな赤毛の犬獣人の言葉が気になった。

 いきなり登場人物を6人増やすと言う暴挙。軽い、チャラい、二枚目の犬獣人君(仮)は誰なのか!?そもそも何のサポ(サポート)だ!?

 ……今だ未定。

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