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風と共に。  作者: フラップ
第二章 田舎的森林
19/50

編隊

 帰りもガイスが送ってくれた。最初の頃の(婚約騒ぎによる)気まずさも解消し、許婚さんと馬車で基地まで来てくれたのは助かった。戦争に言った先で戦死しそうだ。フラグだな。


 今回、ミーナのニンバル・シスターズと湊のヴェイバスと巡航速度が違う。時間差で離陸する、時間差で着陸するなど方法はあるが、今回は湊に合わせる事にした。此処はちょうど滑走路の端だ。大抵滑走路中央付近のハンガーは殆ど飛ばさない司令室機があって、客人は端っこになる。


 ヴェイバスは短距離離陸が可能だがニンバル・シスターズは出来ない。ここはニンバルシスターズに合わせる。重要なのは、編隊離陸ではなく、十秒ほどの時間差で離陸する。これが大型機になると翼端気流が凄いことになるので一分ほど待つかしなければいけない。


 「こちらフェリーフライトA。離陸許可を」


 「タワーだ。滑走路進入許可及び離陸許可」


 そうか。此処は官民共営だから滑走路進入許可と離陸許可を分けて取らなければいけないのか。


 フラップを下げる。双発機は二人で乗ることを推奨されている。大型になると義務化されている。


 滑走路に進入。気持ち左側に寄り、ミーナが後方乱気流に巻き込まれないようにする。


 「フェリーフライトA1。離陸」


 スロットルを少しずつ押し上げる。加速のG。快い。


 行きはずれていた左右エンジンの推力差も大丈夫。油圧・油温もOK。


 あっと言う間に離陸決心速度に。もう離陸することを断念できない。この速度になるといきなりエンジンが止まるのではないか、と疑う。一瞬そう思った自分に微笑ましさすら感じられ、操縦輪を引く。


 腹を打っていた嫌な振動が消え、


 前面風防がスカイ・ブルーに染まり、


 思い出したように雲が幅をきかせる。


 「フェリーフライトA2、離陸」


 ミーナも滑走を開始する。三十秒も経たない内に彼女は僕が感じたものを享受する。飛行機乗りなら、みんなこれ(・・)を知っている。


 ミーナが追いついて編隊を組む。彼女の機体の方がずっと力強い。


 共鳴するツインエンジン。


 翼を連ねながら基地へ向かった。

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