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異説鬼退治⑥

 桃太郎は犬、サル、キジ、亀を連れて東京湾にある鬼が島㈱ビルディング前に着きました。

 見た目は普通の海運会社ですが、裏では麻薬取引、密入国の手引きをするなど悪事の限りを果たしているとお爺さんから聞いています。

「行くぞ、みんな」

 桃太郎は勇壮に刀を構えると、鬼が島㈱ビルディングに乗り込んでいきました。その後を、犬とキジが追います。サルは鼻くそをほじって、そこらに捨てています。やる気ゼロです。亀は通りがかった女子大生をナンパしていました。

「クラァ! テメエここがどこか分かってんのかワレ! 友愛するぞ!」

 金髪ほうき頭の白い特攻服を着た兄ちゃんが金属バットを構えて、桃太郎の前に立ちふさがります。なるほど、これが鬼ですか。ちなみに友愛とは気に入らない相手をしばき倒すことだそうです。広辞苑より。

「お前が鬼か! かかって来い!」

「来いやワレコラ!」

 刀と金属バットが耳障りな音を立ててぶつかりあいます。

「ワンワン!」

 ダイゴロウが加勢して、鬼に牙を剥きます。ポアロも羽を矢のように飛ばして攻撃します。

「テメエら! 出て来いや!」

 鬼は手下を呼びました。ざっと百人くらいいます。全員リーゼントに金属バット、そしておそろいの特攻服を着ています。大したセンスですね。

「俺ら『武装戦線』の力見せたれや!」

 賊の名前は『武装戦線』らしいです。

「なら、こっちはきび団子の力を見せてやる!」

 桃太郎はきび団子を賊たちに配りました。ちょうど全員にいきわたりました。賊たちはお腹がすいていたのか、一口で紫色のきび団子を平らげます。

 が、食べた瞬間口から泡を吹いて動かなくなりました。

「毒殺完了。後はお前だけだ!」

 桃太郎の策が的中します。原作ではきび団子は爆弾として使われたのですが、今回は毒殺用の武器として使います。

「テメエ、汚ねえ真似しやがって。覚えてやがれッ!」

「逃がすと思うのか? かかれえ!」

 桃太郎はダイゴロウとポアロに攻撃の合図を送ります。ダイゴロウとポアロとお爺さんは一斉に鬼に攻撃をしかけました。みっくみく……いえ、フルボッコです。数の暴力です。あれ? 一人増えてますか?

「成敗」

 桃太郎はまず、第一の関門を倒すと鬼が島㈱ビル一階をクリアしました。次に二回に駆け上がります。

「おうコラ、次はワシが相手じゃ。ワシは『愚煉邪魅羅隊』隊長のホゾミや」

 紅い特攻服を着た、角刈りねじり鉢巻のオヤジが立ちふさがりました。武器は鉈のようです。

「今度はまた賊っぽい鬼が出てきたね」

 桃太郎とダイゴロウ、ポアロは戦闘体勢です。ホームズは一個だけ床に転がっていたきび団子を食って倒れました。

「ワシには一階におったボケのような戦法は通用せえへんぞオウ」

 大阪弁です。まあ、大阪にはや○ざが多いと思いますし。作者が大阪旅行した時もそうでした。数年前になりますが。

 それはさておき、バトル開始です。

 桃太郎は刀で切り込みます。それをホゾミは鉈で受けます。

「ダイゴロウはニトロつけて特攻。ポアロは爆殺用みたらし団子をつけて特攻してくれ」

 桃太郎は恐ろしい指令を出します。ダイゴロウとポアロは必死に首を振っています。

「その必要はなかんべ」

 どこからか聞き覚えのある声がするとグレネードが飛んできて、ホゾミに直撃しました。窓ガラスを突き破って吹き飛んでいきます。

 桃太郎がその声の方向に振り向くと誰もいません。やはり幻覚か何かだったのでしょうか。

 桃太郎たちが三階に上ると大勢の女子社員が働いていました。パソコンを叩く者や書類整理に勤しむ者、お茶を酌む者など様々です。白ブラウスの上に黒のジャケット、スカートと皆同じ服を着ています。OLの制服ですね。

とにかく若い女性が非常に多いフロアでした。ハーレムですね。

「ひょひょひょ。お嬢さん、ワシとデートせんかの?」

 その中に場違いなのが一匹いました。

「な、何なのこのスケベジジイ」

「変態!」

「今セクハラしたわね!」

「警察!」

 桃太郎は固まりました。

 やってくれたな、お爺さん。

「皆、この階は飛ばして四階に行こうか。四階がこのビルの最上階だし、決戦があると思う。皆、頑張って悪の根源、鬼が島㈱を倒そう!」

 気張る桃太郎の後ろでは女子社員に袋叩きにされたお爺さんが病院へ運ばれていきました。

こんばんは、Jokerです。

これも再投稿です。


といっても修正なしですが。


ではまた次回お会いできることを祈りつつ……

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