果報は寝て待て
色んな産地のコーヒーを試してみたんだけど、自分にはイマイチ合わないなと思っていたものがあった。
焙煎度によって苦さや甘さなどの変化はあるけど、ストレートに飲むものは浅煎りから中煎りのものを好んで飲んでいるから、フルーティさを感じることができる反面、酸味も強く感じる傾向もある。いつも飲んでいるグァテマラも温度が下がってくるごとに酸味が強くなる傾向がある。
以前購入したコロンビアとエメラルドマウンテンがあまりにも酸味が強く、とても飲みづらく感じてしまった。普段はコーヒーに酸味が感じられないと物足りない気がしていたのだけど、その時飲んだコーヒーは鋭く強い酸味があって、全体的に味が薄く感じてしまい、ちょっと苦手な味だなと思ってしまった。
でも、外で飲んだ時のコロンビアは、ライトな飲み口のコーヒーなのだけど、香りが良くて、豆の風味が強く感じられて、とても美味しいなと思った。自分でその味を思い描きながら淹れたコロンビアがあまりにも酸っぱく感じたのでとても戸惑った。
自分の淹れ方が悪いのかと思い、色んな器具を使ったり抽出方法を変えてみたりしたのだけど、最後まで飲みやすくなることはなく、気に入ったコーヒーは定期的に購入するのだけど、コロンビアはそのことがあって買うのをためらっていた。
それからしばらく時間が経ち、久しぶりにコロンビアを購入してみようと思い立った。どうせ買うなら、以前買ったものと同じものを購入してみよう。そう思い、普段購入している銘柄のコーヒーと共に、前に買ったコロンビアと、スペシャルティのコロンビアを購入し、抽出してみた。
結果は、どちらも美味しいコーヒーだった。
スペシャルティのコロンビアは薫り高く、美味しいコーヒーだったし、以前買ったコモディティのコロンビアスプレモも負けず劣らず美味しいコーヒーだった。
以前のコロンビアと今回のコロンビア、豆に違いは無い。その代わり、豆の扱い方を変えてみた。
変えたのは熟成期間をとったこと。
最初酸味が強く感じられた時は、購入して届いてすぐに開封し、淹れたコーヒーだった。そして、その後もずっと酸味が強く感じられたのは、直ぐにそこから冷凍保存したからだと思う。
冷凍保存は、鮮度を結構長く保ってくれるので、コーヒーを保存するのならば冷凍保存が良いと思う。
だけど、焙煎直後で味が刺々しく、酸味が特徴のコロンビアは酸味だけが強く出て、豆のふくよかな香ばしさが感じられず、ただただ酸っぱいだけのコーヒーだった。その豆を直ぐに冷凍保存したのなら、焙煎直後の状態をキープしてしまうので、管理がしっかりしていればしているほど、ずっと刺々しいコーヒーの状態をキープしてしまう。
美味しく飲めた時は、焙煎日から一週間ほど常温保存し、熟成させてから淹れてみた。その後も何度か試してみたのだけど、僕の場合は5日から一週間ほどがあっているように思える。
当然、ずっと常温保存してしまったら、どんどん味は落ちていって、香りの少ない美味しくないコーヒーになってしまうだろう。人によって、熟成度合いがどのくらいのコーヒーが美味しいと感じるかは、人それぞれだと思うので、自分で豆ごとに試してみることをお勧めしたい。焙煎士さんによっては、煎りたてが美味しいという人もいるし、一か月たった後のほうが良いという人もいる。その人達は、自分たちでその状態で美味しいという焙煎をしているとも考えられるので、どちらがあっているかというのは無いとは思う。
お勧めとしては、焙煎したてのコーヒー豆を200g購入し、初日、3日後、5日後、7日後、10日後、15日後、20日後、30日後と分かり易い日毎に20gずつコーヒーを淹れていけば、自分の好みの熟成度合いを選ぶことが出来るかもしれない。美味しい熟成度合いが分かったら、焙煎日が分かるものを購入したら、そこまではじっと我慢して常温で熟成をすすめ、丁度いい日に開封して、その日から冷凍保存すれば、自分に合った状態を長くキープできるだろう。
でもね、コーヒーを購入したらどうしてもすぐに淹れたくなりますよね。わかります。
僕もその気持ちを抑えられなかったので、本当は美味しいコーヒーを不味いコーヒーにしてしまっていた。出来れば何種類かのコーヒーを常備しておいて、熟成期間は違う熟成されたコーヒーを楽しんでやり過ごしてもらいたい。




