納得のいく値段、それが問題だ!
珈琲豆は、味の好みもさることながら、値段も千差万別。ピンからキリまで、高級品から格安品まで、なんじゃこりゃ!(良い意味)からなんじゃこりゃ!(悪い意味)まで色々あります。
確かに、値段の違いは味の違い、という部分もありますが、じゃあ、値段が高けりゃ比例的に味も良くなるかと言われればお客さん、そうでもないんです。味の部分もあるけれど、希少性やネームバリューという部分の比率がどんどん高くなるので、値段はこの辺が妥当というレベルは存在すると思います。で、そのレベルにも色々あって、そこの部分では確かに値段でのランク分け、味の違いが比較的値段なりに決まってくると思うので、最上と格安にだけ注意して、その中間のあたりでご自分の納得いくものを選ぶといいのではないかと思います。
で、どのくらいのものを選べばいいのかと言うと、
珈琲も相場がどんどん上がっていて値段が上昇しているところではありますが、僕が思うこれくらいの珈琲なら美味しいんじゃないの?という値段は、
毎日飲むコーヒーなら100g当り300~400円くらい。一杯10gとすると、10杯分なので、一杯30~40円。こう考えると、外のお店で飲むより大分安いし、コンビニコーヒーの1/3~1/5。缶コーヒーの1/3程度。人件費や在庫管理を考えると、それよりも品質は上かもしれません。スペシャルティ専門店だと、この値段の豆は売ってないかもしれませんが、昔からある焙煎所であればハウスブレンドと呼ばれるそのお店の腕を試される安くて売れ筋の豆で、カルディで言えばマイルドカルディにあたる商品だと思います。ある程度の品質の豆なら、後は鮮度と挽きたてというのが美味しさの大きな条件だと思いますので、その辺が目安かと思います。
スペシャルティと言った高品質なコーヒー(限定品、カップオブエクセレンスを除く)なら、100g500円~1000円くらい。一杯当り、50~100円ですね。なんだ普及品と比べてスペシャルティは倍程度なのかと思われるかもしれませんが、レギュラーガソリンとハイオクガソリンの違い以上に、毎日飲んでいるとすごい価格の差になってきます。うちだと月に1.5キロくらいなので、普及品だと4500~6000円ですが、スペシャルティだと7500~15000円くらいなので、月に5000円以上、年に60000円以上の差になってきます。それに、やはりスペシャルティだと普通のコーヒー以上に特徴的な味、香りがあるので、飲み疲れしてしまうこともあります。毎日一杯だけとか、美味しいコーヒーを偶に飲みたいという方は、スペシャルティ以上の豆を購入してもいいかと思います。毎日飲む方は、普及品とスペシャルティの割合を考えながら、ハレの珈琲とケの珈琲を用意しておくのも楽しい飲み方だと思います。
それ以上に、ブルーマウンテンのような100g3000~4000円の豆や、コピルアックと言ったジャコウネコに食べさせてフンから豆を取り出す製法の珈琲が100g4000円、ハワイ・コナやニューカレドニア、セントヘレナなどの珈琲は3300~8000円といった値段ですので、経験してみたいと思う方だけにお勧めします。僕なら妥当な値段で提供してくれる喫茶店で一杯だけ飲むかなぁ。
スペシャルティの中でもカップオブエクセレンス(COE)と呼ばれるスペシャルティは、各国のコーヒーのセレクションで選ばれた高品質のコーヒーですので、1500~2000円ですが、お勧めできるとは思いますが、好みを外すともったいないこともあるので、ちょっと上級向けかもしれません。これも、喫茶店で飲んでみて、美味しいものがあったのなら購入するというのがお勧め。
シングルオリジン(一つの銘柄)もその土地のテロワール(土や風土によって生み出される味の違い)が楽しめますし、ブレンドもそのロースターが試行錯誤して作り出した美味しさがあります。
是非ご自分の納得のいく価格帯から好みのコーヒーを探し出して、毎日の友としてほしいなと思います。




