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第30話 いざ王城へ



カフェ巡りから帰ってきて、新しい魔力クローンに驚いた後、アーロンがシルフィー達に相談をする。


「俺の過去の話はしたと思うけど、エイベルって言う男の事覚えてるか?」

「もちろんよあんたの親友って奴の事でしょ!」

「?・・そうそう!」


「そのエイベルに会いに行きたいんだが手伝ってほしいんだ」

「別にいいわよ。でも何かあったの?」

「もちろん手伝うのじゃ」


シルフィー達が手伝ってくれるようなので、エイベルが何度も暗殺されかかっていることや、フローラや娘達の事が気になっているのを伝えた。


「大体の事情は理解したけど、今のあんたが会いに行ってその親友は気付いてくれるかしら?」

「1歳の子供じゃ無理なのじゃ!」


シルフィー達がアーロンを見ながら質問してくる。


「いや、俺本人じゃなくてこいつに行ってもらおうと思ってな!」


アーロンは16歳のアーロンに似せた魔力クローンを指さす。魔力クローンを見たシルフィーは納得したようでうんうん頷いた後さらに質問してくる。


「確かにそれなら気付いてくれるかもしれないけど、一つ問題があるわよ!さっきも言ったけど、もしそのクローンが敵と思われて攻撃されたらこの世界の1/4が吹き飛ぶわよ。もう気づいてたでしょ」


アーロンも先程シルフィーに叱られた時に気付いていたことである。

魔力∞のアーロンが莫大な魔力を圧縮して造り上げたクローンだ。もし攻撃を受けて傷でもついたら爆発してもおかしくない。

早くエイベルに会わないと暗殺される危険もあるので他の方法を探してる余裕もないのでシルフィーの風の障壁で守ってもらおうと思っていた。

アーロンはとにかく早くエイベルの安全確保とフローラ達の現状・国の状況を知る必要があった。


「ああ、だからシルフィーの風の障壁で守って欲しいんだよ。ドーラのブレスを防げるなら簡単だろ」

「そうね。」


ドーラもアーロンの手伝いがしたくて体を乗り出してくる。シルフィーと勝負するかのように猛アピールをしていてとても楽しそうだ。


「わらわは何をするのじゃ!何でもするぞ!シルフィーには負けないのじゃ」

「今のところ何もないかな。でも何かあればドーラにも願いするからその時は頼むよ。」

「そうか・・しょうがないのじゃ、わらわはいつでも良いからな。必ずお願いをするのじゃぞ。」


ドーラは少し不満そうだが納得してくれた。


夜も遅い時間になってアーロンがベットから起き上がった。あの後ジル達と夕飯を食べた後寝るふりをしてベットの中でジルとシーラが眠りにつくのを待っていたのだ。


「よし!大丈夫そうだな。」


ジル達が眠っているのを確認したアーロンはベットに戻り目閉じて16歳のアーロンに似せたクローンを造り出し、感覚共有で操作する。

目を閉じていて真っ暗なアーロンの視界がクローンと感覚共有することでハッキリと周りが見えるようになる。

まるでVRゴーグルをつけているようだ。


「あ~・・あ~~・んんん。シルフィー聞こえるか?」


アーロンが発声練習をしてシルフィーに話しかけた。

妖精サイズのシルフィーと羽の生えた幼女のドーラは先ほどから部屋で宙に浮いている。


「聞こえてるわよ。凄いわね~ほとんど人間と変わらないじゃない。」

「わらわも付いて行くのじゃ」


一人で留守番は寂しいので連れて行けとドーラがずっと文句を言うので大人しくしている事を条件に一緒に王城に行くことになった。

ドーラは感情で動くところがあるのでアーロンは少し不安である。


「ドーラはちゃんと約束守ってよ。」

「解ってるのじゃ!静かにしておればよいのじゃろ。」

「じゃあ!シルフィー昨日みたいに飛んで城の頂上まで連れて行ってよ。」

「解ったわ!行くわよ。」


シルフィーが風の竜巻を出すと同時にドーラがアーロンの背中にしがみ付く。


「自分で飛ぶよりも面白そうなのじゃ。ギュゥ~」


ドーラがしがみ付いた状態のアーロンを竜巻が覆い窓から漆黒の夜空に飛び出していく。この世界の夜はとても暗い。

ほとんど光源になるものが無いので夜になると闇が濃くなるが、その反面夜空の星がとても綺麗に見える。つい、夜空の散歩をしたくなるがいまはエイベルに会うのが先なので諦める。


「他者の力で運んでもらうのは実に快適なものじゃの~」


背中に張り付いていたドーラは現在竜巻の中心でフワフワ浮かんで気持ちよさそうにしている。


「あんたねぇ!魔力多めに使ったじゃない!定員オーバーよ!」

「良いじゃろ!カフェ代をわらわが出してやったのじゃ!」

「それを言われると・・・良いわよ!」


2人がまたじゃれあっている。

妖精と幼女が戯れている姿は心をいやす効果があるようだ。

そんな平和なやり取りを見ているとあっという間に城門を越えて王城の頂上に着いた。


「着陸するわね。」


城の頂上から周りを見ると城壁の上に一定の間隔でかがり火が焚かれており兵士が監視に当たっているようだ。懐かしい中庭も見下ろせる位置のようで何だか嬉しくなる。


「まずは城内に入って執務室に向かうよ!付いてきて。エイベルがあそこに居てくれれば良いんだけどね。」


3人は一番近くに有る階段まで移動していく。執務室オフィスまでの移動は何も問題なく進むことが出来た。そして執務室の扉の前までやってくると足を止める。

扉の下の隙間から灯りが漏れているので誰かが部屋の中にいるようだ。アーロンが少し扉を開けて確認しようとした時シルフィーが止める。


「ちょっと待ちなさい!この部屋の外の窓に5人の人間がいるわ!」


どうやら僅かな風の動きで周りの状況を確認できるみたいで、窓の外で身を潜めている怪しい人間を見付けてくれたようだ。


「ありがとうシルフィー助かったよ。」


アーロンはシルフィーの忠告を聞いた上でゆっくりと少しだけ扉を開けて中の様子を確認する。以前アーロンが使っていた小部屋にエイベルが居た。遠目からだが疲れているように見える。


「エイベルが居たよ。シルフィー!」


アーロンがシルフィーに話しかけた時、部屋の中の状況が一変する。窓から黒装束の5人が入ってきてエイベルに襲い掛かかろうとしている。その瞬間アーロンの横に居たドーラがブレスをはいた。


「グゥルアァァァァァーーーー」

「え?」


ドーラのブレスは黒装束の5人を一瞬で灰に変えた。


アーロンは慌ててドーラを見るとシルフィーと一緒にハイタッチしていた。


「二人ともどういう事かな?ドーラは何もしない約束だよね?」

「わらわは何も悪くないのじゃすべてシルフィーの指図なのじゃ」

「勝手してごめんね。てへぺろ!」

「てへぺろじゃないよ!こんな所でブレス使うなんて部屋がぼろぼろに・・・・・・なってないね。」


アーロンが部屋を確認したがどこも壊れていないし外も騒ぎになっていないようだ。

竜神がブレスを使ったら最低でも壁に穴が開いて部屋中丸焦げでもおかしくないはずなのだが綺麗なままである。


「あんた忘れてるの?私の障壁はドーラの本気のブレスを防げるのよ。黒装束の奴ら以外に障壁張るぐらい簡単よ。ドーラには最弱でブレスを使うように言ってたしね」


「さらにこの部屋丸ごと結界で囲ってるから音が漏れる心配もなしよ。ドーラ私達最強よ!」


どうやらすべてシルフィーとドーラの計画通りらしい。そんなやり取りをしていてアーロンはエイベルの事を忘れていた。すると部屋の奥から声が聞こえてきた。


「・・誰かいるのか?」

「あんな炎に包まれて何故僕は生きているんだ??」


何時も冷静なエイベルが理解できない事が起こり戸惑っている様子を見て思わずアーロンは笑ってしまった。

「あははは!何だよエイベルでもそんなに取り乱すことがあるんだな。ははははは。」

「誰だ!姿を見せろ!」


ハッキリと声を聞いたエイベルが警戒心をむき出しにしたような声で大声を上げる。周りに知らせようとしているがシルフィーの結界に阻まれているので無理だ。


「すまん!いきなりで悪かった。姿を見せるから落ち着いてくれ。どうしても話がしたくて来たんだ。」


アーロンが素直に謝りエイベルの警戒心を和らげるように話しかける。エイベルはその話し方と声に懐かしさを感じながらも警戒をしている。


「じゃあ!顔を見せるぞ!絶対に驚くなよ!絶対だぞエイベル!」


この時エイベルは自分が名前で呼ばれていることに気付いた。そして先程から気になっていた話し方と声の持ち主を思い出し、小さくつぶやいた。


「まさか!・・いやそんなことは。」

「今から顔を見せるからな!」


アーロンはゆっくりと扉から顔だけを出してエイベルに見せた。












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