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第3話 俺、もしかして王様なの?


燭台のロウソクの炎が、真っ暗な部屋を照らしている。


「グーーグーーー むにゃむにゃ・・。」


部屋のベットの上からイビキが聞こえている。どうやら誰かが寝ているようだ。


「むにゃむにゃ・・ん?・・なんだ此処は何処だ、俺は転生したのか?」


一郎の意識が戻った。

部屋の中で寝ていたのはどうやら一郎の転生体だったようだ。

一郎は寝転がったままで周りを観察してみる。

暗闇にロウソクの炎の灯りだけなのでハッキリとは分からないが、どうやら部屋の中にいるようだ。


「暗くてあまりよくわからんが、異世界に転生したんだよな俺・・・。」


転生したものの、暗くて周りの状況がわからない一郎は横になった状態で色々考えている。

ひとまずちゃんとした部屋で寝ていることから、この場所がある程度は安全な場所で有ると思った。なにせあの我儘そうな女神に何も聞けず、あっという間に転生させられたのだから安心できない。

小説なら色々なスキルや武器など女神から授けられてチート異世界無双が定番なのに、女神に何も貰っていない一郎は正直困っていた。


「困ったぞ、あの女神から何一つ異世界特典貰てないんだけど俺って強かったりするのかな?」


考えても答えは出てこないので、色々試すことにした一郎は先ず自分が何者なのか調べることにした。

転生したばかりだと赤ん坊あたりが定番だろうなと思いながら体を動かしてみる。


①一郎は寝がえりをしてみる。  あっさりと出来てしまう?

②声を出してみる。       普通にしゃべれるみたいである?

③手足を確認してみる。     やたらと長い?

④顔を触ってみると。      髭?


「髭が生えてるんですけど・・俺ドワーフの赤ん坊に転生したのか?人間が良かったんだけどな。」

「ん?でも手足も長いし背も高そうだぞ、ドワーフは背が低いイメージだよな?」

「・・もしかして!」


不安になった一郎は自分のムスコを確認した。そして自分の正体を知る事になる。


「なんじゃこりゃー!」


立派なジャングルがそこにはあった。そう!一郎は赤ん坊でもドワーフでもなく人間の大人として転生していたのだ。


『バタン!』


その時、部屋の扉が開いて鎧を着た兵士達と一人の男が部屋の中に入ってきた。


「陛下!何事ですか?ご無事ですか。」


部屋に入ってきた兵士達と男が一郎に向かって駆け寄ってくる。

そして、男が一郎を守るよう剣をを構え、兵士達が部屋の隅々まで確認しているようだ。


「異常なし!」

「異常なし!」

「異常なし!」


部屋の確認を終えた兵士達が一郎の傍に来て膝をつく。

一郎を守っていた男も剣を鞘に納めて一郎の方に向き直ると膝をついた。


「陛下!部屋に異常は無いようです。急に大声をあげられてどうかされましたか?」


兵士達は一郎の事を陛下と呼んで心配をしているようだ。一郎は、いきなり何人もの兵士が部屋に入ってきたことや、自分を陛下と呼ぶ事に驚いて口をパクパクさせている。


「陛下って・・誰れ?」


一郎は心の声が、思わず出てしまった。

その言葉を聞いた兵士達は首をかしげながら一郎の顔を下から見上げていると、一郎を守っていた男が兵士達に退出するように声をかけ、その男以外は部屋から出て行った。



『バタン!』


兵士達が出て行ったのを確認したその男は表情を崩して砕けた感じで一郎に話しかけてきた。


「アーロン!しっかりしてくれないと困るぞ。寝ぼけて大声出したりして、『陛下って・・誰れ?』は、勘弁してくれよ。」


「兵士達の顔を見たか?返答に困っていたじゃないか。」



一郎は男の態度の変化に驚いた。

しかも【アーロン】と呼び方まで変えてきたのだ。

だが、何故か分からないが心が落ち着くのを感じたし、この男は安全だと確信を持つことが出来た。一郎は少し心に余裕が出来たので自分の事が怪しまれないようにしながら一郎の事を【アーロン】と呼んだ男と話をすることにした。



「すみません、気を付けます。」



一郎は素直に謝ってみた。



「どうしたアーロン、まだ寝ぼけているのか?一国の王が簡単に謝ってんじゃねーよ。まぁー見た感じ平気そうだから安心したがな。」


「色々言いたいことは有るが、まだ夜明けには時間があるから話は朝になってからにするから。アーロンもう少し眠とけよ!朝から王の仕事頑張ってもらうからな!」



男は一方的に話を終えると表情を元に戻し部屋から出ていく。



「では、陛下ごゆっくりお休みくださいませ。」


『バタン!』



一郎は男が部屋から出ていく時の言葉を聞いて理解した。

自分が転生したのは異世界のとある国の王様だという事に。

ただ、分かった事といえば自分が異世界に転生してとある国の王様になっているということだけで他には何の情報もない。


①なぜ、赤ん坊じゃなく大人なのか?

②どのような能力を持っているのか?

③この世界がどんな世界なのか?

④魔法とかあるのかな?


分からない事ばかりでどうしたものかとベットに横になっていると、不思議なことが一郎に起こった。

自分の記憶の中に別の記憶が有るのに気付いた。

その記憶は一郎が経験したものではないのだが、現実に経験して積み重ねてきた記憶のように感じる。

その記憶は時間の経過とともに増え一郎の知識として今の記憶に上書きされていく。

自分の事やこの国の事はもちろん、この世界がどの様な世界なのかまで。

魔法も有ればモンスターや異世界小説最強種ドラゴンもいるし、かわいい猫耳娘にエルフにドワーフなど亜人種も要る。

一郎が大好きだった異世界ファンタジー小説や異世界アニメと同じ世界だった。


一郎の魂と【アーロン】という王様の魂が溶け合うようにいろいろな情報が頭に流れ込んできている。


「やばい、気持ち悪くなってきた。船酔いみたいだ、おぇ~!」


気持ち悪くなったので目を閉じて安静にしていると、記憶の奔流に吞み込まれるように一郎【アーロン】はそのまま眠りについた。


















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