第28話 神話の住人とギルドマスター
ギルドマスターに連れられてシルフィーとドーラはギルドの中庭に来ていた。そこには倉庫があり魔物の素材が運び込まれている。
「よし!ここなら人目にもつかねーぞ。買い取ってもらいたい素材があるんだろ?」
「ここに出せば良いのじゃな。」
「そうだ、レベル300越えの冒険者が持ってくる素材は、表の受付じゃ置くところが無いからな!ここなら遠慮せずだしていいぜ!」
「そうか助かるのじゃ!シルフィーと又カフェ巡りするために沢山収納していたから邪魔で仕方なかったのじゃ。」
ドーラが迂闊に発した言葉で、絶交していたシルフィーと又カフェ巡りをする時の為に魔物の素材を収納していた事実がこの時シルフィーに知られてしまうことになる。
『ドサッ』
ドーラが収納魔法で収納していた一部のモンスターを中庭に取り出す。
取り出したモンスターの中にはヴァンパイアやベヒーモス更に火竜などがいる。
更にドーラが古竜を収納から出そうと手を掛けた時ギルドマスターからストップがかかった。
「待て待て!まだあるのか?それ以上出されても買い取る金がねぇーからもう出すな!」
「俺の単純計算だがギルドにはそんなに換金する予算が多分ねぇーぞ。火竜とベヒーモスそれにヴァンパイアはオークションにかけねぇーと値段なんてつかねしな。」
「何じゃダメなのか?」
「いや!その3匹以外ならすぐにでも換金できるがどうする。その3匹は換金に1カ月ぐらいかかるから少し待ってくれ!」
「それなら安心なのじゃ3匹以外を今すぐ換金じゃ!」
ギルドマスターがオークション送りになる3体のモンスターをマジマジ見ている。
じっくり観察した後ドーラに話しかけてきた。
「この火竜はお前が一人で倒したのか?一撃で倒したようにみえるが」
「当り前じゃろ!火竜ぐらい朝飯前じゃ」
ドーラは自慢げに胸を張る。その横でシルフィーが頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。
「馬鹿竜が・・・。」
「相棒のその感じだと間違いなさそうだの!お前達レベルを隠しているな?」
モンスターの傷を見てドーラとシルフィーがレベルを偽装している事をギルドマスターが言い当ててしまう。
「ばれたのじゃ!こうなったら仕方ない、殺して口封じするのじゃ」
ドーラが馬鹿なことを口走ったのでシルフィーが頭を叩いて正気に戻す。
『パシン!』
ドーラが正気に戻ったのを確認した後、シルフィーがギルドマスターをジッと見つめて話し始める。
「そうよ!あまりレベルが高いと面倒なことに巻き込まれるでしょ!それが嫌だったのよ。問題があるなら今回は素材買取諦めて帰るわ!ギルド登録も白紙で良いわよ。」
「悪くはないぞ?冒険者なんぞいろんな奴が居るから自分の実力を隠したい奴もおるじゃろ!だから別に構わんが今後の事を考えるともう少しレベルを上げて登録しなおした方が良いかもな。今のままでは持ち込むモンスターとお前たちのレベルが違い過ぎて面倒ごとになるぞ。」
素材買取を諦めていたシルフィーはフリーズしている。
ギルドマスターの発言が自分の想像とあまりにも違い過ぎていて一瞬何を言われたのか理解するのに時間がかかったからだ。
「あんた良いの!そんなに緩々なルールで?」
「別に構わん!悪さしに来たわけじゃないんだろ?」
「そりゃそうだけど」
「なら大丈夫だ。わしゃ強い奴が好きじゃし、ギルドも腕の立つ冒険者は大歓迎じゃからの。ただカードは作り直して帰れよ!後、素材の金も忘れず貰っていけ。」
何とも気持ちの良いギルドマスターである。
ギルドマスターはそう言って又奥の部屋の方え歩いて行った。
シルフィーは何だか嬉しくなっていた。
その後シルフィー達はギルドマスターに言われた通りにもう一度鑑定しなおしてギルドカードを作り直す。
受付嬢が同じ人で再鑑定の数字を見て泣き出してしまった。
2人は何とか受付嬢を落ち着かせて素材の代金を貰い、オークション送りになった素材の代金を1か月後受け取りに来る約束をしてギルドを後にする。
ちなみに、再鑑定した二人のレベルは1000を越えている。
ドーラ
レベル1100 実際のレベル(6000)
シルフィー
レベル1110 実際のレベル(6060)
この国で最強と言われている剣聖カミラのレベルは1500である。
この日から王都では、とても強くて何体ものS級モンスターを売りに来た美女2人の話で持ちきりになる。一目見ようと冒険者ギルドで待つ者も現れるようになった。
そんなことを知らないシルフィーとドーラは換金したお金でカフェ巡りを繰り返していた。




