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第23話 初めての魔法


翌朝、アーロンは日の出よりも早く起きていた。

今日は初めて魔法を使うので楽しみでこんなに早く起きてしまっていた。

アーロンの横にはシルフィーが眠っていた。


「シルフィー起きてくれ!」

「うるさいわね!まだ寝かせなさいよ。」


シルフィーは眠たそうに寝返りをうってまったく起きるそぶりがない。

アーロンは早く魔法を使ってみたいのでシルフィーに魔法を教わりたくて無理やり起こすことにした。

アーロンは空気を吸い込むとシルフィーの耳の横で大声を出す。


「ワーーーーーー!」

『ビクン!』


シルフィーが体を硬直させたままベットから飛び上がった。そしてアーロンの方を見て睨みつけてくる。


「あんたねービックリするじゃないのさー!レディーの起こし方を知らないわけー。」


「ごめんごめん、でも早く魔法が使いたくてさ。教えてくれよ!魔力なら好きなだけ吸っていいからさ。」


怒っていたシルフィーだったが魔力を好きなだけ吸って良いと言われて機嫌を直した。


「しかたないわね。でもここじゃ無理よ!下手したらこの家吹き飛んじゃうし。」


シルフィーの言葉に驚いたアーロンどういう事なのかシルフィーに聞いてみた。


「家が吹っ飛ぶってどういう事?」


「やっぱり!あんた気付いてないでしょ。あんたの魔力量はおかしいのよ!ずっと見てたからわかるんだけどね。」

「あんたが魔力暴走起こした時の事覚えてるでしょ!」


「ああ覚えてる!体の中で魔力が爆発するやつだろ。」


アーロンは自分が初めて魔力を操作した時を思い出しながら答えた。



その答えを聞いたシルフィーが呆れた感じに説明しはじめる。


「爆発ってあなたね~まあいいわ。あの時暴走させた魔力の威力ってどれくらいか解ってないようだから説明してあげるわ。」


シルフィーの説明で解った事は


①体の中で暴走させた魔力量と同じ魔力量で魔法発動させると王都ぐらいの街だと跡形もなくなるほどの威力である事。

②あの魔力量を暴走させて生きているのが奇跡で、普通だと体がバラバラになった挙句に街ごと消滅していてもおかしくない。

③アーロンの魔力操作は上達しているが、各魔法の必要魔力が解っていないので下級魔法を使っても、今のアーロンだと魔力を込めすぎて最上級魔法のレベルになってしまうので使い物にならない事。



説明を受けたアーロンは衝撃的な真実に口をパクパクさせて驚いている。


「マジですか!シルフィーさん。」


「マジなのよ、ビックリしたでしょ!危うく、家族もろともこの国を破壊する所だったのよ。」


国を守るどころか、破壊する所だったアーロンは冷や汗ダラダラかいている。


「でも安心しなさい!たぶんだけど死の女神があんたの体を頑丈に造ったんだと思うからあんたが暴走さす分には気絶する程度で済むと思うわ。それに魔法は私が教えてあげるから大丈夫なのよ。」


アーロンは初めてヘスティアに感謝することになった。


「次、逢った時はお礼言っとくか。シルフィー教えてくれてありがとうー。魔法の練習もよろしくたのむよ。」


「このシルフィー様にまかせなさい。代わりに魔力もらうわね。いただきま~す。」


アーロンの魔力が昨夜の契約時と同じくらいシルフィーに吸収される。アーロンに問題はないが、一気に莫大な魔力を抜かれる時の脱力感はあまり気分の良いものではない。


「ごちそうさま~。やっぱりあんたの魔力美味しいわね。高級デザートね!」


魔力吸収したシルフィーは機嫌が良くなり、魔法の練習をさっそくしに行く事になった。


「この部屋で出来ないとなると、どうしようかな?1歳の子供が一人で外出なんてできないしな。」


「何言ってんの?あんた魔力で自分そっくりのゴーレムみたいの造ってたじゃない!あれ、普通の人間に見分ける事なんか出来ないからこの部屋に寝かせていけば良いじゃない。」


アーロンの魔力クローンを置いておけば良いという。


シルフィーが言うには魔力は距離が離れても操作可能で脳内でしっかりイメージすれば遠隔操作も出来るし、視覚共有も出来るので問題ないらしい。

今のアーロンの魔力操作レベルは、かなり高いレベルに達しているらしくしっかりイメージすれば問題なく出来るらしい。


シルフィーって実は優秀なのに普段の話し方のせいでかなり損をするタイプだなとアーロンは思った。


直ぐにアーロンは自分のクローンを造り上げる。

脳内で魔力の繋がりをイメージして手足を動かすと見事に動くし、目を閉じるとクローンの見ている映像が見える。

最後にしゃべってみると、クローンも同じようにしゃべった。


「脳内でイメージをしっかりするだけでこんなに出来ることが増えるってすごいな!シルフィーすごいな!」


「でしょ!なんせ私か教えてるんだから当たり前よ。えへん!」


シルフィーが胸を張って人差し指びで鼻をこすっている。


「じゃあ、出発するわよ。王都近くの森に行くは、なるべく人のいない所がいいでしょ。」


「ありがと。お願い!」


シルフィーが魔力を放出して精霊魔法を使う。

するとアーロンの体を風の渦が包み込みアーロンを浮かせたと思ったら、部屋の窓から高速で王都から離れた森に向かって飛んで行った。

風の渦の中は静かでまるで台風の目のように穏やかな風が吹いてるだけで、アーロンはふわっと浮いている。

風景も奇麗に見えているのでアーロンは初めて見る風景に見惚れている。


「すごいよ!シルフィー!君ってほんと素敵だよ!」

「いきなり何言っちゃってるのよ。褒めたって何もでないわよ。」


とても嬉しそうな顔でクールを装っているシルフィー。










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