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第13話 城下街②

朝市でお腹を満たした二人は中央広場にある噴水の方に来ていた。


この国の街はこの中央広場を中心に円を描くようにして、冒険者ギルドエリア・商業エリア・鍛冶エリア・宿場町エリア・居住エリア・貴族街エリアの6エリアに区画整理されているようだ。


中央広場にも朝市程ではないが、そこそこの人がいる。

こちらにも色々な種族が一緒のエリアで生活しているようである。


アーロンは悩んでいる。異世界の住人の生活を見てみたいので住居エリアには行きたい。

しかし、異世界定番のドワーフにも会いたいので鍛冶エリアにも興味があるのだ。


なぜか王城でドワーフ達を見かける事が無かったのだ。

気になってエイベルに聞いてみると、鍛冶と酒を愛するドワーフは常に酒を飲み金槌を好きなだけ振っていたいものが多く鍛冶エリアから出てこないようだ。

いつも酒を飲んでいるのでとても酒臭くて王城の仕事には向いていないので王城には一人もいないとの事。

王城に一人も雇われていない事への不満など全くなく。むしろ好きな鍛冶が出来て酒が飲める鍛冶エリアを作ってくれた王国に感謝してるほどだ。

年々ドワーフの人口が増えて亜人種の中では最大である。


中央の噴水に腰かけ何処に行こうか考えていると少し離れたところに手押しポンプが設置してあるのに気付いた。

街には湖から引いた用水路もあるが、さすがに街全体用水路を引くわけにもいかない。

井戸は昔から有ったので地下水を汲んで使っていた。王宮でも昔は井戸を使用していた。


ある日幼いアーロンが何やら図面の様なものを書いて父である前王に見せて作ってもらったらしい。

そして、出来上がったのが手押しポンプである。

その使い勝手の良さから、前王の命令で城下街全体に設置されている。


その時の手押しポンプを作ってくれたのがドワーフだったのを思い出したアーロンは鍛冶エリアに行こうと決めた。


「カミラ、鍛冶エリアに行くよ!」

「鍛冶エリアですか?ドワーフの所に行くのはやめませんか?」

「ん・・!やっぱりエルフとドワーフは仲が悪いのか?」



異世界あるあるだ。


「まぁ~それもありますが、女性には少し苦手というか嫌というかですね~」

「何だよはっきりしろよ。」


言いづらそうにカミラが答える。


「あまり大声で言うとドワーフに対する悪口になりかねないのですが、鍛冶エリアとても臭いんです。」

「ドワーフ達は一日中溶鉱炉の周りで鍛冶仕事をしているのに水浴びをしませんし。朝から晩まで水のようにお酒を飲んでいるんですよ。年中です!」


「男の汗とお酒の匂いが混じった匂いが鍛冶エリアに充満しているんです。先程食べたものすべてぶちまける覚悟があればお供しますが、出来れば諦めてもらえると助かります。」


カミラの顔がどんどん青白くなってきていた。

アーロンがふと鍛冶エリアの方に視線を向けると、何やら霧の様な物で鍛冶エリアが覆われているように見えた。

まさかドワーフ達の体臭で鍛冶エリア一帯汚染されていようとは思ってもみなかったアーロンは後でエイベルに丸投げすることを思いついた。あのイケメン賢者様ならなんとかできるよね。


素直にカミラの忠告を受け入れたアーロンは商業エリアで買い物を楽しむことにする。


カミラはアーロンと街を歩いていて学園時代の事を思い出して昔話を始めた。


「覚えていますか?アーロンが私にドワーフの知り合いがいたら紹介してくれと行った事。」


人種など関係なくみんなと仲良くしたいアーロンだったが、周りはアーロンの事を王太子として見ていた。

その結果学園の生徒の殆どが怖がって近づいてこないか、媚びを売ってすり寄ってくるかで本当の友達と呼べる者は少なかった。

だからアーロンが話しかけても、みな遠慮してしまう。

そんな中、すでに仲良くなっていたカミラに頼んだようだ。


「あの頃、エルフとドワーフは犬猿の仲で大変だったんですよ。それなのにあなたはそんな頼みごとをしてきて、知り合いがいないと言えば、一緒にドワーフの友達をつくろうと言ってつれまわしました。結果ドワーフの友は出来ましたが、あの時周りのエルフに冷たい視線を浴びてたのを今思い出しました。」


「挙句に、獣人の友達が欲しいと言って、エイベルと私を連れまわしましたね。しかもケモミミをモフモフしたいという理由でです。」


話の途中何かをカミラが思い出した。


「そうでした忘れてた!最近ラグから手紙が届いてたんですよ。近いうちに王都に立ち寄るらしいので、アーロンと私とエイベルに会いたいみたいです。また、城を抜け出す理由が出来て良かったですね。エイベルも反対しないでしょうし。」


「ちなみに、今回王都に立ち寄るのはS級冒険者に認定されたので冒険者証の更新をしに帰ってくるみたいです。やつも遂に上位ランクの仲間入りですよ。」


「弱いのに何時も私に挑戦してきていた頃が懐かしいですね。」


ちなみにカミラは、冒険者ギルドに登録していないがランクで言えばその上のSS級と同等である。

この世界のランクはD級~SSS級まである。SSS級は現在空席になっている。

カミラのSS級は現在3人存在している。S級は4人だ。


ラグというのは学園時代にもふもふ要員として仲良くなったアライグマの獣人である。

エイベルやカミラと違って自由が良いと言ってアーロンの誘いを断って冒険者になった。

とても優しい顔とは違い、めちゃめちゃ気が短く問題を起こすトラブルメーカーだ。

今でも良く冒険者同士でトラブルが起こると必ずラグがかかわっているようだ。

犯罪行為は一切しないので周りの冒険者に人気があり、ギルドからも信頼されているようで親分のような存在らしい。


「そうか!ラグから連絡がかきたら言ってくれよ。楽しみだな。」


商業エリアではカミラが買い物をしていた。

思ったよりかわいいものが好みみたいで、かわいらしい雑貨や洋服を買っていた荷物は邪魔になるので送ってもらうように手配したようである。

カミラが髪飾りを2つアーロンに手渡した。


「姫様達にどうぞ!フローラ様の分は自分で買ってくださいね。」

「ありがとう。娘たちも喜ぶよ。じゃ、フローラのを選んでくるから待っていてくれ。」


アーロンは一人買い物をしに店内にはいっていく。

少ししてアーロンがカミラの元へ戻ってくる。手には小さい箱と大きな紙袋を持っている。


「何を買ったんですか?」

「フローラに首飾りと門番君のお土産をな!」


雑貨屋の隣の焼き菓子のお店でお菓子の詰め合わせを大量に買ってきていた。

門番のジルは新婚で奥さんは甘いものが大好きだという情報をカミラから聞いていたので大量の焼き菓子を買ってみたのだ。


「じゃぁー王城に帰りますかアーロン」

「そうだな、今日は楽しかったよ。案内ありがとうなカミラ。」


一日街を満喫した二人は王城に帰ることにした。







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