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第1話 女神との再会



 とある広大な広場に無数のロウソクが宙に浮き、炎を揺らしている。


『コツコツコツ』 足音が響く。


人が歩いてロウソクに近づいてくるとロウソクの明かりに照らされ表情がわかるようになった。

そこに立っていたのは絶世の美女だ。彼女は女神である。死の女神(へカティア)


「もぉ~眠すぎ!何百年休んでないとおもってるのかしら創造神様は!」

「これじゃ~女神なんて人間界でいえば社畜じゃない!天界はブラック企業だったのね。」

「創造神なんてブラック爺ね!女神なんて辞めてやろうかしら。」


悪態をつきながら無数のロウソクの前にある祭壇まで来て足を止めた。

祭壇の前に立った女神が手を振ると、無数のロウソクは海が割れるように左右に分かれ道ができる。

その道の奥から一本のロウソクがゆっくり女神へカティアの前まで近づいて静止し周りのロウソクは元の位置に戻った。

へカティアの前で静止したロウソクは弱々しく今にも消えてしまいそうだ。


「今回はこの子ね、早く終わらせて帰りましょう。」

「あれ?何処かしら?」


へカティアがキョロキョロと何かを探している。


「前回どこに置いたかしら?確か祭壇のこの辺りに・・。」

どうやらスナッファー(金属製の炎を消す道具)を探してるようだ。

「無いわねぇ~まぁ良いわ!」


へカティアが息を、弱々しく今にも消えそうなロウソクに向かって吹きかけた。


『ふぅー』



ロウソクの炎は女神の吐息によって消えた、隣のロウソクの炎を道連れにして。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!噓でしょ。」

「隣の炎まで消えてんのよ!根性のない炎ね、ロウソク自体は太いくせに期待外れにも程があるわよ」


へカティアが滅茶苦茶な事を言っている。

その直後、目の前に二人の人間が現れた。

一人はあの弱々しいロウソクの元である年老いた老婆。

もう一人は道連れにされた太いロウソクの元である人物。

その人物は高そうな服を纏った貴族風の30代男性だった。


へカティアが威厳たっぷりで二人に話しかける。


「私は死の女神へカティアです。」

「あなたたちは死んだわ!分かったらおとなしく天国か地獄に行きなさい!」


その言葉を聞いた貴族男性が声をあげた。


「又か、この駄女神が!!  ふざけるなーーーー!」


「??・・・・・   ・・・!!」


へカティアは何かに気が付いたようだ、どんどん顔色が悪くなり目が泳いでいる。

明らかにおかしい。


「駄女神って何を言っちゃってるのかしら失礼ね。誰の事かしらね。」


へカティアはシラを切るようだ。


「誰って、お前しかいないだろう!この駄女神が。」


この貴族の男は引き下がらない。確信を持っているようである。


「お前の顔だけは忘れないぞ。とぼけてんじゃねぇよ。」


へカティアは顔を引きつらせながら男の方を向く。

男はへカティアをにらみつけている。


「貴方ほかの女神と勘違いしてないかしら!」

「女神の姿は皆同じなのよ。」


嘘である。へカティアは嘘でこの場を乗り切ろうとしていた。


「そうなのか?それにしてもそっくりなんだな女神ってのは。」


男がへカティアの嘘を信じそうなので、へカティアの口元が緩む。


「そうよ!別人なのよ。貴方を間違って二度も殺してしまった女神と私は別の女神よ・・は!ヤバイ。」


へカティアは誤魔化そうとして要らない事まで話している。

男がその言葉を聞き逃すことはなかった。


「ヤバイって!やっぱりてめえじゃねーか。女神が嘘つきって最悪だぞ!」


へカティアさん少し天然じゃねぇ・・・。






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