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105話 天才。


 105話 天才。


(真の覚醒って冠がついた変身をしてんのに、お前の『通常固有神化の初期能力』に負けてるって、どういうことぉおおおお?!)


(出力は、お前の方が上やけど……お前が真醒・究極超神化に『まだまだ慣れてへん』という弊害がモロに出とる感じやなぁ……お前って、ほんまに、才能系のアレはまったくないよな……)


 世の中には、

 『最初からうまく出来る者』というのがいる。

 『コツをつかむ速度が尋常じゃない者』というのもいる。


 ――それらの特質を『高いレベル』で『生まれつき会得している者』を『才能がある者』と呼ぶ。

 センは、その定義から、ガッツリと外れている。

 最初から出来ることはなにもない。

 コツをつかむ速度も、正直、遅い。

 『遅すぎる』というワケではないが、普通に遅い。


 明確に『凡』。

 それが、センエース。



「どぐぅえええっ!」



 田中の飛び蹴りが顎に入り、フラつくセン。

 ふらふらしながら、心の中で、


(固有神化が強いってだけじゃない……田中の野郎、普通に強くなっていやがる……)


 センエースを殺し続ける過程の中で、

 田中は、武を磨き上げていた。

 飲み込みの速度がハンパじゃない。

 センエースの武を見続けたことで、その極意をどんどん盗んでいく。

 最初からうまくできて、コツをつかむ速度がはやく、その上、洞察力がハンパじゃないため、他人の優れたところを解析し盗む能力も高い。

 また、演算力がえげつないため、積み上げたものを『活用する能力』も『よりよく仕上げていく能力』も高い。


 『天才』。

 正式に、天からのギフトを授かった者。


 世の中には、たまに『才能なんて存在しない。才能は努力しなかった者の言い訳に過ぎない』という戯言をのたまう者がいるが、田中を見れば、流石に、全員、何も言えなくなるだろう。


 才能は存在する。

 そして、その才能とやらは、田中にはあるが……センにはない。


(セン、お前、なんか、だんだん弱なってないか? 真醒・究極超神化に目覚めたことで、気ぃぬけたんやないやろな。モチベーションにふりまわされるとか三流もええとこやで。感情を処理出来ん人類はゴミやと教えたはずやが)


(テンプレかましてくんな、鬱陶しい! てか、俺が弱くなってんじゃねぇ! てめぇがアホみたいに強くなってんだ! ――たぶんだけど、真醒・究極超神化に目覚めた俺との闘いを、おいしい経験値にして、お前は、今、もりもりと爆裂に強くなっている!)


 センエースを、はぐ〇メタルにして稼ぎをしている田中。

 当初の目論見通りではあるのだが、その速度や質が異常過ぎて、もはや、センの中では、純然たる怒りしか湧いて出てこない。


(なに言うてんねん。覚醒したお前とワシの闘いは、いうて、数分程度しかやってへんねんで。たかが数分程度の経験値で、そんな強くなるわけないやん。武を磨くんは、すごい時間がかかることなんやで)


(そのすげぇ時間がかかることを、てめぇは、『秒』とはいわんが、しかし、『分』の勢いでさらってんだよぉおお! なんなんだ、てっめぇええ! もう、全部お前ひとりでいいんじゃないかなぁああああああ!)


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