102話 破格のバージョンアップ。
102話 破格のバージョンアップ。
真なる覚醒を経た究極の超神化。
『真醒・究極超神化』
――この概念は、『ゲームのリメイク作品』をイメージしてもらえれば、どういう『進化』なのかご理解いただけやすいのではないかと思う。
『ファイナ〇ファンタジー7』と『ファイナルファ〇タジー7リメイク』は、同じナンバリングを背負っているが、異次元の革命的進化を果たしている。
その例えに近しい爆裂なバージョンアップ。
それが、『真醒・究極超神化』。
ゆえに、『究極超神化3』程度では相手にならない。
★
――機械的に、無感情に、凶悪なパワーとスピードを振り回す田中の連打を、
センは、――スルスルと、しなやかにかわしてから、
「閃拳」
的確な一撃を、田中の顎にぶちかます。ワンパンで砕ける田中の顎。
盛大に脳を揺らされて、一瞬で体の自由を失う。
その場にゴロンゴロンと転倒。
足に力が入らないが、しかし、それでも、自分自身が刻んだ命令通りに、センを殺そうと、ピクピク、動かない体をどうにか動かそうと必死。
そんな田中の背中を踏みつけて、
「無様だな、田中さんよぉ」
黒い笑顔を満面にして、ぐりぐりと田中の背中を踏みにじり、
「テメェのことは昔から、殺したいほど嫌いだったが、今回のあれこれで、その感情が爆裂に進化したよ。変身技で例えると『武装闘気2』ぐらいだった怒りが、『真醒・究極超神化7』ぐらいにまで膨れ上がった感じだ。覚悟しろよ、ゴミクズ野郎。ここからてめぇの拷問ショーが始まる。殺してくれと泣いて頼んできても無意味ぃい! 田中ぁああ、君がッ、泣いても、殴るのをやめないッ!」
そう叫びながら、センは田中の後頭部をボコボコにする。
とんでもない速度の暴力を浴びせられて、いつしか、田中は気絶した。
が、センは、それでも、拳を止めない。
――無慈悲な時間が流れていく。
と、そこで、
「どらぁああああああああああああああああっっ!!」
カンツが豪快なドロップキックをかましてきた。
センの横腹にクリティカルヒット。
軽く吹っ飛んだセンは、サッと体勢を立て直しつつ、
「おいおい、バカか、カンツさんよぉ。田中をも超越してしまった今の俺を怒らせていいと思ってんのか? お前らにできることは、這いつくばって、俺の靴をなめることだけだということが分からんのか?」
「確かに、とてつもない出力だが、制御できていないのが手に取るようにわかる! まるで、オーラが漏電しているようだ! その変身、おそらく、長時間は持たないだろう!」
実は、そこそこ持つ。
あまり真醒・究極超神化を舐めてはいけない。
エネルギー消費量が莫大なのは事実だが、ハスターの虹気があれば、しばらく運用できる。
少なくとも、田中にとどめを刺して、38人の究極超神を殲滅するぐらいならわけはない。
流石に『秒』とはいかないが、5分もあればイケる。
――だが、そこまでの差を感じさせてしまうと、『殺される』のが難しくなるので、咄嗟に、センは、自分のオーラが漏れ出ている風を装った。
(まだ五年残っている こいつらを殺さず、俺も死なずに、ひたすら戦い続ける。今の俺なら、そんなに難しいことじゃない)




