表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
991/1228

99話 残機がつきた。


 99話 残機がつきた。


 センは、2000回殺されるまでの間に、何度も、田中に許しをこうてきた。

 『マジで勘弁してくれ』と必死になって頭を下げ続けた。

 良心の呵責に訴えかけ続けるという手段で、田中に、『配下を殺さないでくれ』とお願いし続けたが、しかし、田中は、一切、聞く耳をもってくれなかった。

 田中の頑固さは、センエースの頑固さに匹敵した。


 センは、どうしようと悩み続ける。

 悩んで、悩んで、悩んで、

 そんなことをしている間に、

 2500回ほど死んだ。


 センは、必死になって、時間をかせごうと、もがいてはいるのだが、

 田中が強すぎて、全然、相手になっていない。

 サクサク、サクサクと、テンポよく殺されて、


 そして、

 ついに、


「これで、3000回……残機はつきたな」


 結局、5年たたないうちに、

 センエースの残機はつきてしまった。


 復活したセンは、真っ青な顔で、


(田中さん……まさか、マジで、殺したりしないよね? ね。あの、ほんと、お願いします。なんでもしますんで、どうか、許してください。お願いします……お願いします。どうか、オートマタは使わない方向で、どうか――)


 這いつくばる勢いで懇願するセンを前にして、

 田中は、


「……ふぅう……」


 と、覚悟を決める深呼吸を繋いでから、


「――ウルティマ・オートマタ――」


 無慈悲な自動人形へと変貌する。

 感情を持たないキラーマシンとなり、

 センエースを殺そうと襲い掛かる。


 もはや、対話は無意味。

 いや、もう、ずっと、シカトされていたので、

 対話に関しては、最初から無意味だったのだが。


「くっ……くそぉおぉおおお!」


 センは、必死になって、自動田中の猛撃をかわそうとしているのだが、


「どがぁああっ! がぁああああっ!」


 ウルティマ・オートマタモードの田中は、通常時よりもはるかにスピードとパワーが増している。

 通常モードにすら手も足もでないセンに、今の田中をどうにかすることは不可能。


 どんどん、削られていく。

 体力はとっくに0になっていて、

 今は、人間失格のゾンビモードで耐えているだけの状態。


 ――これも、当然限界がある。

 そして、限界が見えてきた。


(……殺される……死ぬ……)


 ボッコボコにされて、

 命の終わりがハッキリと見えた。

 もう完全に終わってしまう。

 死んで……復活はするけれど、

 その代償として、配下が一人死ぬ……


 センは、田中の目をにらみつける。

 そこには、確かに、理性がなかった。

 たんたんと、無感情に、センを殺そうとしているだけの機械的な瞳。


(ダメだ……こいつ、ガチで、俺を殺す気だ……)


 機械的な殺気。

 感情がないからこそほとばしる狂気。


 死に際で、センは、


(いやいや……大丈夫、大丈夫。田中が、ゼノリカのメンツを殺すわけがない。あいつは、俺なんかとは比べ物にならないぐらい高潔な男……絶対に殺さないよ。仮に、殺されたように見えても、実は、どっかの世界で生きている、っていう、俺の手垢で一杯の手法をとってくるに決まっている……こいつは、絶対に――)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ