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96話 センエースの心は二度折れる。


 96話 センエースの心は二度折れる。


(――『究極超神化3のワシ』程度は余裕で殺せるセンエース。……『そのぐらいの器』を『経験値』にせんと、配下連中は次のステージに進めん。センエース、ワシを超えろ。できんかったら、配下が死ぬぞ。これは脅しやない。どうせ、この『ゼノリカ補完計画』が成功せんかったら全員死ぬんや。『しょせん脅し』とタカを括って、このままテキトーに死に続けるつもりなら、最悪、最低でも1人は殺して、おどれのケツに消えない火をつけたる)


(……)


(センエース。頼むから、ワシぐらいは余裕で超えてくれ。お前なら出来る)


(無理だ……田中……こんなこと言いたくないが、お前は、『比べた時に俺が虫ケラに思えるレベルの超天才』だ。お前を前にした俺は、どんなによく見積もっても『拘束された鈍亀』が限度。……足に鉄球つけたカメの俺に出来るのは、ウサギのお前が昼寝している間に、全力で、アドバンテージを確保することだけ。ジェットエンジンがついた兎のお前に、目ぇギンギンで全力ダッシュをかまされたら、普通に、置き去りにされて、あとは、一生、無限に差が出来るばかり。こっちには、泡吹いて倒れる余裕すらない)


(いや、セン。お前の努力は、ワシの天才性の向こう側にある。ワシはそう信じとる)


(いや、田中。それは誤解だ。お前の天才性は、俺の努力なんかじゃどうしようもないところにある)


(いやいや、センさん――)


(いやいやいや、田中さん――)


(いやいやいやいや、センさん!!)


(いやいやいやいやいや、田中さん!!!)




 ★




 ――その後、センは田中に殺され続けた。

 田中は、容赦なく、センを殺し続ける。

 現段階で、すでに、センは、1000回以上殺されている。


 田中参戦から、まだ、1年経過していないのだが、

 すでに、残機は3分の2になっている。

 このままだと、3年以内に、確実に削られてしまう。


(……これは、もう、だめかもわからんね……)


 闘いの中で、センエースは、普通に折れかけていた。

 とにかく、田中が強すぎて、手の施しようがない。


(……つぅか、こいつ、マジか……もう、一年近く、ずっと、究極超神化3の状態で闘ってんだけど……引くわぁ……)


 センの場合、復活するたびに、一応、ある程度、『神気』も回復するため、究極超神化の変身を継続することは可能。

 配下の面々も、38人で、交互に休みながら闘っている。

 そうでなければ無理だから。

 普通は。


 『神化』の変身時間に関しては、『潜水選手権ダイナミックアプネア(息継ぎなしで何メートル進めるかという、肺活量勝負の水泳競技)』みたいなものと思ってもらえれば、それなりに正確に理解ができるように思う。

 潜水時間が変身可能時間で、水平移動距離が出力、みたいな感じで例えることができる。


 『経験値の低い素人』と『専用訓練を受けたプロ』では、出力にも活動時間にも大きな差がでる。

 また、『才能』の差もかなり大きい。


 ――潜水で例え続けると、センや他の面々が、何度も息継ぎしているのに、田中だけは、一生、息継ぎすることなく、潜水艦みたいな速度で、ぐんぐん距離を稼いでいる、みたいな、もう意味が分からない感じ。


 そんな、ばけものぶりを魅せつけられれば、当然、心はへし折れる。

 センは、かつて、塾のテスト勝負で、田中に惨敗し、心が折れたことがあったが、今、その時の比ではない絶望に、包まれていた。


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