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30話 100億年という地獄。


 30話 100億年という地獄。



「お前たちの目は、ちゃんと俺を捉えている。……となれば、俺は、お前らの前で、『みじめな無様さ』をさらすことはできない。多少、チョケるぐらいは勘弁してもらいたいが、マジの醜態は絶対にさらせねぇ」



 自覚が芽生えることで、センの中の器がより強固になる。

 視点が変わる、目線が変わる、意識が変わる、

 それだけ変われば、自己に変革が起きる。



 ――『1000万年』が経過した時、

 三人の弟子たちは、みな、神闘の基礎を理解していた。



 そして、センは、


「……『ここ』は、『独り』では、絶対に辿り着けなかった場所……感謝する……」


 天を仰いで、心からの感謝を述べた。


 その直後、


「けど、まだ、あと139億9000万年か……ふっ」


 一度、鼻で笑ってから、



「勘弁してくれぇええええええええええええええええええええええっっ! もういやだぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」



 無様な醜態をさらしていく。

 いくら覚悟を決めたところで、『揺らがない』とは限らないのである。



 ★



 わめき散らかすことで、

 自分の心を整えてから、

 センは、


「……次は……エグゾギア超絶改造ルームに行くか……いろいろと施設が解放されているから、まだ助かった……おかげで、まだ、ここを楽しめる……けど、それも、いつまで持つかな……」


 エグゾギアにテコ入れを入れられる『エグゾギア超絶改造ルーム』は、

 非常に多くの『好奇心がわくツール』であふれかえっていた。


 新しいエグゾギアの改造環境は、自由度に富んでおり、

 エグゾギアの機能を、ありとあらゆる方向に伸ばすことが可能だった。


 センは没頭した。

 10年、

 100年、

 1000年、

 1万年、



 ――エグゾギアは、今のセンにとって、最大級の切り札なので、その出力アップは、全体のDPSに大きく貢献する。

 そのため、センは、とにかく、エグゾギアを磨きに磨いた。


 そうやって、1000万年が経過した時、

 センは、


「……あと……139億……8000万年……」


 グラっとした。

 意識が吹っ飛ぶかと思った。

 失神しかけた。

 失神したいと思った。


 仮に失神したとしも、

 数時間程度で目を覚ましてしまうだろうけれど。


 泣こうが、わめこうが、気絶しようが、失神しようが、

 『あと139億8000万年残っている』という事実は変わらない。


 はげしい頭痛とめまいがして、

 センは、その場でうずくまる。


「……ジャミ……パメラノ……サトロワス……意識がなくてよかったな……もし、この現状をまともに受け止めていたら……お前ら、きっと、灰になっていると思うぞ……」


 なぜ、自分は耐えられているのだろう、

 と、そんな、『不可思議な疑問』を自分に投げかける。


「もう、自分で自分が気持ち悪ぃ……」


 本音で自分をすりつぶしていく。

 この行為になんの意味があるのかは分からない。

 分かりたくもなかった。


 ★


 エグゾギアの改造があらかた終わったところで、

 次は、仮面ルームに入る。



 ――『仮面ペルソナ』には、無限の可能性がある。



「自分で装着してもいいが……エグゾギアに装着することで最大限の効果を発揮するのが仮面の特徴……俺のビルド的に、自分の装備品枠を仮面でうめて、メモリを圧迫するより、エグゾギアの固有仮面装備枠にあてた方がいいだろう……」




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― 新着の感想 ―
「わめき散らかすことで心を整える」という描写が、 極限の精神状態をリアルに伝えていて、 読んでいて胸が苦しくなります。
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