86話 10年で残機3000回は少なすぎる。
本日は、コミカライズ版センエース、
11話、配信記念として、
一日10話投稿を行います!
本日の9話目!
86話 10年で残機3000回は少なすぎる。
「はい、また完全復活ぅ! もう、おまえらも、そろそろ体力的に限界が見えてきていることだろう! だが、俺は新品に戻った! 体力も気力も魔力も充実している! 終わったな! 無駄な努力、ごくろうさん!」
などと叫んでいるが、
内心では、
(復活するたびに、体力が減ってるぅううう……っ! この仕様、聞いてないんですけどぉおお?! ちょっと、待って。まずいって……)
HPだけではなく、魔力やオーラも含め、すべての値が軒並み削られた状態での復活。
そして、下記の事案は、感覚的に理解できたことなのだが、
おそらく、
(これ、たぶん、復活するたびに、体力、どんどん削れていくだろ……え、やばいって……これは、やべぇって……)
内心では、焦りまくっているセン。
しかし、その心のありようを、表層に出すことはありえない。
配下の前でカッコつけてしまうのは、彼の悪癖の一つ。
悪癖だらけの、どうしようもないサイコパス。
それが、命の王、センエース。
センは、巧妙に、フェイクオーラで、自分のデータを隠そうとしていたのだが、
しかし、ヒッキが、
「っ! センの体力は復活前と比べて、明らかに減っている! このまま、削っていけば、確実に処理できるはずだ!」
そう叫んだ。
十席のサポーター筆頭を、いつまで騙せるほど、センの欺瞞工作の出来はよくない。
センは、
(……まあ、そこがバレるのは別にいい)
と、心の中でつぶやく。
『焦っている』ことさえバレなければ、それでいい、という、中学二年生的な視点。
彼の精神の中心レベルは、本当に、ずっと、永遠に、一生、中学二年生で止まっている。
★
『セン』と『38人の愉快な配下たち』の闘いは続いた。
センは、徹底的に、『いのちだいじに』を貫いていく。
とにもかくにも、生きることを優先しつつ、
心の中で、
(次回以降の経験値振りは、もっと考えて行わないとまずいな……下手な調整をしたら、普通に3000回、削られて、こいつらを死なせてしまう……っ)
ぶっちゃけ、自分が死ぬだけなら、いくらでも耐えられるところがある。
センエースは、サイコパスなので、自分の死に対しても、最初から、ある程度の覚悟を積んでいる。
だが、配下の死は、わずかも許容できない。
(もうすでに5回死んだ……たった2か月で5回死んだ……これはまずい……)
単純計算をすると、年30回、10年で300回なので、余裕で耐えられる。
しかし、現状、
(5回殺された段階で、復活時の体力が、最大値の半分を切った……このペースは鬼畜すぎる……)
体力が半分になるということは、殺されるまでの時間が半分になるということ。
半分で止まってくれるならまだいいが、ここから先、『復活した際の体力』は、間違いなく、どんどん減っていく。
(……もし、今後、『体力』が『最大値の10%』とかになったら……いや、10%残っているならまだいい。それなら、ギリ、なんとかなる。だが、1%とか、コンマ1%とかになったら……さすがに、最大10年もの時間を稼ぐのは、無理だぞ……最終的には、ワンパンで死ぬことになりかねん)




