表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
974/1228

82話 1億。

本日は、コミカライズ版センエース、

11話、配信記念として、

一日10話投稿を行います!


本日の5話目!


 82話 1億。


(ガチの地獄は俺が積む……『お前らに殺される』という絶望を『温室育ちの肥料』とは呼ばせねぇ。俺は命の王。つまり、お前ら全員の保護者。王として、保護者として、出来る全部を積んでやる)


 奥歯をかみしめて、

 覚悟を背負い続ける命の王。


 ――『38人が究極超神化して襲ってくる』という、神界の深層でもありえない地獄の底で、センエースは殺され続ける。


 ちなみに、『平熱マンが究極超神化を果たした段階』で、ハスターも、呼応するかのように究極超神化を果たしている。

 だから、問題なく対応できている。

 ゼノリカの面々を追い込むことも、上手に殺されることも、完璧に出来ている。


 究極超神級の力を持った彼・彼女らの相手をするのは、おそろしく大変で、センの現状は、高難度の死にゲーを延々にやり続けているみたいなもの。

 精神も肉体も、どんどん削れていく。

 とっくの昔に限界は超えている。

 なんで耐えられているのか分からない『限界の向こう側』で、センエースは、ひたすらに舞い続ける。



 そして、センは、ついに、

 大台である1億回目に到達する。



 ★



「――……」


 意識を取り戻した時、センは、自室で、ゲ〇ムボーイ片手に、

 ムーア最終の作成に取り組んでいた。


「……」


 一度、目を閉じて、深呼吸をする。


「ふぅうう」


 深い瞑想の中で、

 自分の命を整えていく。


 自分の奥へと、精神を落としている途中で、

 ヨグナイフが、センの眼前に顕現して、


「さあ、ボーナスタイムだ。今回獲得した経験値を割り振っていけ」


 と、言い放つ。

 毎回、毎回、律儀に、同じことを言い続けるヨグ。

 最初の方は、センも、『もう言わんでいい』とか『ゲームキャラか、お前は』などとツッコミを入れていたのだが、さすがに、1億回目ともなると、反応を返すこともなくなる。


 黙って、ただ受け入れる。

 言葉もなく、淡々と、経験値を振っていく。


 その途中で、

 ハスターが、背後から近づいてきて、


「……センエース、契約の時間だ」


 と、前置きもなく、そう言った。


「……」


 センが視線をおくると、

 ハスターは、たんたんと、


「どうやら、タイムリープは問題なく成功したようだな。今回は何回目だ? 私の存在値が、激烈に上がっているところからさっするに……1億回目ぐらいか?」


「……ああ」


「ん? まさか、ドンピシャか?」


「……ぁあ」


「なるほど。では、ここからが本番だな」


「……らしいな……ウワサだけは聞いているよ。詳細は教えてもらっていないが」


「もう教えてくれると思うから、田中に聞くといい。……ただ、覚悟だけはしておけ。ここからが真の……いや、ネタバレはやめておこう」


「……随分と、ビビらせてくれるじゃねぇか」


 などと対話をしている途中で、


 センさんの宿敵である天才が、ひょっこりと顔を出して、


「タイムリープ、どうやった? うまいこと、いけた? いい感じに殺された?」


 と、軽やかな言葉を投げかけてきた。

 そんな田中の問いかけに対し、

 センは、


「1億回ボーナスについての詳細を、手短に聞かせろ」


 まっすぐな目でそう問いかけた。


「……お、1億回目に到達したんか。それやのに、メンタルの方は、まったく死んでない感じ。さすがやな。頭おかしい」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ