79話 お前はワシがおる時、ちょっと弱くなるけど、それはこっちも同じ。お前がおる時、ワシは甘えて、ちょっと弱くなる。
本日は、コミカライズ版センエース、
11話、配信記念として、
一日10話投稿を行います!
本日の2話目!
79話 お前はワシがおる時、ちょっと弱くなるけど、それはこっちも同じ。お前がおる時、ワシは甘えて、ちょっと弱くなる。
「……しかし、600回ぐらいで折れるってのはありえんな。おそらく、前のワシは、お前のメンタル安定を最優先にしたんやろう。ワシなら、ガチれば、50億ぐらいはいけるはず……ただ、そんな本気をだしてしまったら、本格的に、お前の心が折れてしまうと判断して、かなり早い段階で、折れたふりをしてみせた……ま、そんなところやな。ヒーローの介護も大変やで。やれやれ」
などと、首を左右に振る田中に、
センは、
「異次元砲ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
コスモゾーンレリック『ハスター・オメガバスティオン』の力を最大限に引き出した上で、センは、全力の異次元砲を、世界で一番嫌いな男に叩き込む。
『本気で、ブチ殺すつもり』で放ったのだが、
しかし、田中は、まったくダメージを受けていなかった。
「今のワシ、本気を出したら、究極超神化8もいける状態やから、今のおどれの攻撃でダメージは受けへんで」
「……大きな目標が出来たよ、タナッカマン。絶対にてめぇを殺す……もう、シュブとか、おまけだ……お前を殺すことが、俺の人生における、最大の目標だ」
と、力強く宣言していくセン。
オーラと魔力を沈めて、
一息ついたところで、
センは、田中に視線を向けて、
「あ、ちなみに、一個、聞いていいか、田中」
「なに?」
「……お前、究極超神化8になれんの?」
「簡易版の簡易版やったらな」
「……マジかよ。……え、だったら、シュブに勝てるくね? 別に、俺が、500億回も殺されなくても、お前がシュブを殺したらいいんじゃね?」
「今回、召喚される予定のシュブは、アンリミテッドバージョンや。向こうも普通に究極超神化8を使える。ワシよりもはるかに出来のええ究極超神化8をな。ワシ単騎では絶対に勝てん」
「……シュブ、どんだけエグいねん……それと比較して、うちのヨグのしょぼいこと、しょぼいこと……『アウターゴッドの格』としては同格のはず……というか、むしろ、ヨグの方が上のはずなのに、なんで、ウチのヨグ様は、こんな産廃なんだろうなぁ。嘘つきで、無能で、性格が悪くて、性悪で、意地が悪くて、邪悪で、腹黒で、下衆で、根が腐っているひねくれもので――」
ぶちぶちと、嫌味を吐き散らかしてから、
「――あ、そうだ、田中。最後に一個、きいていい?」
「お好きに」
「お前……マジで、50億回、いける?」
「……さっきの発言は、お前のドヤ顔が腹立ったから、売り言葉に買い言葉をぶつけただけ。実際のところは知らん。口ではなんぼでも言えるけど、実際のところ、自分がどんだけ頑張れるかなんか、ほんまにやってみな分かるわけない」
「……」
「立場上、お前の精神面を慮る義務があるんは事実やけど……それをするためだけに、自分を貶める、みたいなことまでする気はない。ワシが600回でギブ宣言したってことは、まあ、たぶん、ガチなんやろう」
「……」
「お前がおらんくて、ワシしか頑張れるやつがおらんって状況やったら、たぶん、もう少し頑張ったやろうけど……『自分よりもはるかに頑張れるヤツ』が後ろに控えとる状況で、限界以上の力を引き出せるほど、ワシは酔狂な男やない。……セン、お前はワシがおる時、ちょっと弱くなるけど、それはこっちも同じ。お前がおる時、ワシは甘えて、ちょっと弱くなる」




