表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
970/1228

78話 饒舌なセンエース。

本日は、コミカライズ版センエース、

11話、配信記念として、

一日10話投稿を行います!


本日の1話目!


 78話 饒舌なセンエース。


「1000万回を超えとるってことは、すでに、サイコジョーカーが発動しとるよな? その割には……なんか、元気やな。想定では、廃人寸前にまで落ち込むと思っとったんやけど」


「やっぱ、『友達がずっと側にいる』ってのが大きいよね♪ フレンドがいれば、苦しい時も頑張れる! 苦しいことが半分になるから! 友情、最高♪ ウェウェウェェェェイッッ!」


「もうええって、その、カスみたいなノリ。ワシのこと、友達やとか思ってへんやろ、絶対に」


「……当たり前だろ。そんなこと、一々確認してくんな、恥ずかしい。俺とお前は、ただの知り合いだ。昔、一瞬、塾が一緒だっただけの同級生。それ以下になることは十分にあり得るが、それ以上の関係性になることは絶対にありえない。それが、俺とお前の距離感だ。心の距離感だけで言えば、お前は、冥王星よりも遠いところにいる」


 と、まっすぐな本音をぶちまけてから、

 センは、


「ところで、田中さんよぉ。一つ聞きたいんだが……お前、600回ループした記憶はあるのか?」


「600回……いや、ちょっと、何の数字かすらわからんな……詳しく教えてくれ」


「簡単に言えば、お前が、『自分なら、500億ぐらい楽勝っすよ。てか、それだけじゃヌルいんで、1000億ぐらい、いったりますわ』とかイキってきたから、ためしで代わってやったんだよ。そしたら、お前は600回ぐらいでギブしてな。正直、ちょっと引いたよね。俺、お前のこと、もうちょっとイケるヤツだと思ってたから。ぶっちゃけ、かなり残念だったかな。せめて、1億回ぐらいは行ってほしかったところだな。ほら、コスモゾーン界隈では、俺とお前がライバル? みたいな? 感じで言われているところが、なくもないからさぁ。抜きつ抜かれつで切磋琢磨してきたライバルが、たかが600回でギブとか……ねぇ? わかるだろ、俺の言いたいこと」


 センの話を聞いた田中は、


「ああ、なるほど……だいたいわかった」


 と、『含みのある納得』を口にした。


 そこに、『ちょいとした違和感』を覚えたセンさんは、


「ちょっと、待て。お前が、何をどう理解したか……詳しく聞かせろ。ことと次第によっちゃあ、戦争だ。心して答えろ」


「おそらく、お前……サイコジョーカーがしんどすぎて、一回、折れたんやろ? お前、ワシが近くにおると、ワシに頼るようになって、心がちょっと弱くなるからな。で、ワシに泣きついて、一回、代わってもらったと。けど、ワシも、さすがにサイコジョーカーは無理すぎて、600回ぐらいでギブった……情けない話ではあるけど、まあ、そこはお互い様。どっちもどっち。ワシもお前も、所詮は、独りの弱い人間やったという話。ただ、お前は、折れたワシを見て、活力を取り戻した。で、それをヨグにイジられたから、さっきみたいな感じになっとったと」


 バシバシと、ド直球の推察をぶちこまれて、

 センは、白目でピクピクすることしか出来ない。


 センが失神しかけている間も、田中の追撃は止まらない。


「……しかし、600回ぐらいで折れるってのはありえんな。おそらく、前のワシは、お前のメンタル安定を最優先にしたんやろう。ワシなら、ガチれば、50億ぐらいはいけるはず……ただ、そんな本気をだしてしまったら、本格的に、お前の心が折れてしまうと判断して、かなり早い段階で、折れたふりをしてみせた……ま、そんなところやな。ヒーローの介護も大変やで。やれやれ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ