77話 仲良しグループ。
77話 仲良しグループ。
「ヨグはおかしいんだよ。ちょっと、頭がおかしいっていうか、完全にキチっているというか。見えないものを見ようとしているっていうか、幻覚と幻聴に悩まされているというか……もう、ほんと、なにがどうとは言えないけど、とにかく、全部が酷いんだよ。あんなやつ、これから、無視しようぜ。な、そうしよう。無視っていうか、記憶から消そうぜ。うん、それがいい。あれ? 今、誰の話してたっけ? 全然、記憶にないわぁ。なんか、性根が腐ったクソうそつきの知り合いがいた気がするけど、もう、顔も思い出せないわぁ」
などと、ぐちゃぐちゃ、だらだらと、腐ったことを言っていると、
そこで、
センさんの大親友である田中がひょっこりと顔を出して、
「タイムリープ、どうやった? うまいこと、いけた? いい感じに殺された?」
と言ってきたので、
センは、田中の首に腕をまわして、
「田中きゅん、お前もそうおもうよな? ヨグって最低だよな? あんなやつのいう事は、今後、無視しよう。あいつが何を言っても、返事するなよ。返事したら、お前も同じ扱いするから。あいつと一緒に、お前もハブるから。ちゃんと考えて行動しような、な。賢いお前なら、正しい選択肢がわかるよな? な?」
「……え、どういう状況?」
「シンプルだ、田中っち。俺と、ハスターと、田中っち……この三人が仲良しグループで、ヨグとかいうキモいやつだけが、ちょっと別の、わけわかんない何か。以上だ。さあ、ヨグのことなんか放っておいて、あっちで、ダベろう。昼飯くうときも、あいつだけ別な。あいつは、便所で一人でくってりゃいいんだ。それがお似合いだ」
「……ちょっとよぉわからんけど……とりあえず、今、何回目?」
「1000万回以上。すごくない? 俺、すごくない? いやぁ、頑張ったわぁ。褒めてくれていいぜ、田中っぴ。まあ、田中っぴもすごいけどな。ハスターもすごい。俺達、最強! そこらの卍が泡吹いて倒れるぐらい、マジ卍! 俺達、ズッ友な! ヨグだけ別! あいつだけクソ!」
「……お前に友達は一人もおらんやろ」
「何いってんだよ、タナッカマン。俺たちは、無二の親友じゃねぇか。俺とお前の絆の友情♪パワーがどうたらこうたらで、これまで、散々、チョベリバでファンタスティポな困難を乗り越えてきただろ?」
そこで、田中は、ヨグの方に視線を向けて、
「……これ、どうなっとん?」
そう声をかけるが、
しかし、センが、間に割って入ってきて、
「声をかけちゃだめだ! あいつに話しかけると、脳が腐る病気になる! 俺は詳しいんだ!」
とても、高潔な命の王とは思えない無様を晒し続けるセン。
どうやら、ヨグに言われた言葉が、本当に、精神的にキツかった模様。
下手ないじめっ子ムーブをとることでしか、自分を保てないほど、今のセンは、動揺していた。
★
だいぶ、テンションがバグっていたセンだったが、
時間が経過し、ある程度、落ち着いたところで、
田中が、
「1000万回を超えとるってことは、すでに、サイコジョーカーが発動しとるよな? その割には……なんか、元気やな。想定では、廃人寸前にまで落ち込むと思っとったんやけど」
「やっぱ、『友達がずっと側にいる』ってのが大きいよね♪ フレンドがいれば、苦しい時も頑張れる! 苦しいことが半分になるから! 友情、最高♪ ウェウェウェェェェイッッ!」




