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66話 マイナス感情のコントロール。


 66話 マイナス感情のコントロール。


「……シューリとアダムとミシャは、いつから参戦する? あの三女神のMAX存在値は、それぞれ10兆以上あるはず……近々(きんきん)で出てこられても、まともな戦いにならない。存在値に差がありすぎると、殺されるのが難しくなる。絶対に、カンツが邪魔をするから」


 ゼノリカの面々は、『カンツが呼び出す召喚獣という扱い』になるため、基本的には、カンツに、『センエースの生殺与奪の決定権』がある。

 センエースは、カンツの『高潔さ』を確信している。

 カンツは、『殺すまでもない相手』を無理に殺そうとはしない。

 『どうにも制御不能な完全な害獣』が相手なら殺すことも普通にあるが、カンツはセンのことを『ハスターに精神支配されているだけの可哀そうな一般人。心の弱い部分が、ハスターの魔力によって増幅しているだけ』と誤解している部分がなくもないので、『なんとか対応できそう』と判断した場合は、絶対に『殺さないよう』に動いてくる。


 その辺の心配をつきつけたところ、

 田中は、たんたんと、


「心配せんでも、あいつらが投入されるんは、だいぶ先の話やし、仮に今、あいつらが来ても、『お前が問題なく殺されるかどうか』の部分に関しては問題ない。カンツが邪魔しようとしても無駄。シューリたちは、普通に、お前を殺す。なぜなら、あの女神たちの感情にもメスが入っているから。参戦してきた時のシューリたちは、お前のことを殺したくて仕方ないという次元で憎悪している」


「……」


「シューリたちに植え付けられる殺意の根源は、テキトーな悪感情ではなく、本物の憎悪。シューリたちは、『プライマルメモリ・セレナーデ』で、『愛する男に再び会いたい』という願いを叶えるために『重たい呪い』を背負った。その呪いの重さはお前も知っての通り」


 ミシャは、存在するだけで世界を終わらせる邪神になった。

 アダムは、放っておけば世界を喰らい尽くす邪神になった。

 シューリは、邪神に殺される生贄としての運命を背負った。


「――『それだけの苦しみを背負う羽目になった』という事実に対して、心のどこかで『恨み』を抱いていて当然。命とはそういうもの。……別に、お前が『そうせぇ』と命令したワケやなく、あいつらが『自分で勝手に願ったこと』で、完璧に自業自得なんやけど、感情論の前で正論は無意味。頭では納得して受け入れとる呪いでも、わがままな感情論は、それを理解せん」


「要するに逆恨みを増幅させて、その膨大な数値を、『俺への殺意』に変換している、と」


「まさにその通り」


「それと似た方式で、十席連中の怒りも随時、増幅中や。『アホみたいな回数、お前を殺さなあかん』ということ対する怒りとしんどさを、お前への純粋な憎悪ぞうおへと変換させてもろた」


「マイナスの感情を、すべて、俺への憎悪に変換できるのか。そのスキル、便利だな。やり方を教えておいてくれ。俺のことを高潔だのなんだのと誤解するサイコが稀にいるから、そういうバカどものゆがんだ認知を正常に戻す術の一つとしてマスターしておきたい」


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