57話 わけいっても、わけいっても、青い山。
57話 わけいっても、わけいっても、青い山。
(これ、もしかして、今後、毎回、『夜まで経験値振りして、夜に殺されて』って感じの流れを、休むことなくずっと、500億回、繰り返し続ける感じ? ……すごい地獄だな……なんで、俺、こんな罰をうけてんだ……どうなってんだ、マジで……)
自分の運命に『激しい怒り』を覚える。
しかし、キレたところで何にもならないのは分かっている。
だから、センは、泣きたい気持ちを、ムリヤリな精神力だけで抑えつけて、黙々と作業に没頭する。
(……しんどい、しんどい、しんどい……)
と、心の中で、ずっと、苦悩を叫びながらも、
しかし、絶対に手を止めず、
まっすぐに、
――輝く明日を求めて邁進する。
★
――それから、センエースは繰り返した。
『朝から夜まで、ずっと経験値振りに没頭して、夜には殺される』という毎日を、延々と、淡々と、ずっと、ずっと、バカみたいに、ひたすらに繰り返し続ける。
殺されて、殺されて、殺されて、
そして、また殺されて……
延々と、繰り返し続ける。
その結果、センは強くなり、
十席たちも、どんどん強くなった。
「……センエース、契約の時間だ」
と、前置きもなく、そう言ったハスターに、
センは、視線を向けることなく、
「今、125回目。忙しいから、話しかけるな。以上」
早口で、無感情に、そう言った。
『余計なこと』に思考を費やさないよう、ハスターと田中との対話をテンプレ化させたセン。
余計な思考をはさむことなく、毎度、同じ内容を口にして、それ以上は何も語らない。
途中で、田中が入ってきて、
「タイムリープ、どうやった? うまいこと、いけた? いい感じに殺された?」
と、声をかけてきたので、
「今、125回目。忙しいから、話しかけるな。以上」
と、先ほどと全く同じテンションでそう言ってから、
田中の数真とデータを連動させる。
この辺の一連の行動ルーチンの中に思考は一ミリも介在していない。
すべて、ほとんど、反射で行っている。
黙々と、経験値振りをしているセンの横で、
田中とハスターが、
「え、うそやろ? まだ100そこそこやのに、十席の存在値、もう、余裕で、1000億を超えてるやん……」
「すでに、全員が、超神化も果たしている様子……」
「どんなペースでやってんねん。……超神化に関しては、1万回目ぐらいでも、できるかどうか微妙って感じの予想をしとったのに……」
センの異常な成果に関して、ごちゃごちゃ言っている二人に対して、まったく意識を向けることなく、センは、死んだ目で、黙々と、経験値を振り分け続ける。
★
――さらに、センエースは繰り返した。
繰り返して、繰り返して、繰り返して、
――繰り返し続けた。
『朝から晩まで作業ゲーをして、夜にはぐちゃぐちゃに殺される』という、もう、ほんと、地獄以上に地獄な毎日を、延々と、淡々と、ずっと、ずっと、バカみたいに、ひたすらに繰り返し続ける。
殺されて、殺されて、殺されて、
そして、また殺されて……
延々と、繰り返し続ける。
その結果、センはさらに強くなり、
十席たちも、異常な速度で強くなり続けた。




